2018.12.10
©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会
今回ご紹介する映画『母さんがどんなに僕を嫌いでも』で描かれるのは、母親、そして友達からも愛されずに育った青年が、母親から愛を掴み取るまでの物語。
切なく、胸が締めつめられ、やり場のない想いがこみ上げてくる中、じんわりとした温もりを感じる原作『母さんがどんなに僕を嫌いでも』の実写化作品です。
映画『母さんがどんなに僕を嫌いでも』
原作は大反響を呼んだコミックエッセイ
©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会
「あんたなんかうまなきゃよかった」と泣き叫ぶ吉田羊の姿が映し出させる予告。「自分の息子なのに…なぜ、愛せないの?」「どうしてそんなにつらくあたるの?」と胸が締めつけられた方も多いのではないでしょうか。
本作は、歌川たいじさん原作のコミックエッセイを映画化した作品です。20年以上母親から拒絶されていた息子が、母の愛を取り戻すまでの物語なのですが、予告の衝撃的なセリフから、主人公の人生が壮絶である様子が伝わって来ます。
母親に心身ともに傷つけられた息子
©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会
太賀演じる主人公のタイジは、母親のことが大好きでした。しかし、吉田羊演じる母・光子は、タイジが幼い頃から、心ない言葉や暴力で心身ともに傷つけます。それでも母親のことが大好きなタイジは耐え続ける日々を送るのですが、ついに17歳のときに、家を飛び出してしまいます。それは、これまでにないほどの仕打ちを受けたことが原因でした。
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母親から離れ、1人で生き始めるタイジ。やがて大人になったタイジの元に、光子から連絡が入ることで、再び母親と向き合うことを決意するのですが…。
出会いがタイジの心を動かす!
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大好きな母親から拒絶され、友達にも恵まれず、つらい幼少時代を過ごしたタイジ。大人になったタイジが見せる、心を塞いだような伏し目がちな表情から、母親から離れても壮絶な過去をどこか引きずっているような印象を受けます。
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しかし、「今のタイジが好き」と言ってくれる友人との出会い、そして、幼少時から支えてくれた木野花演じる“婆ちゃん”の存在が、タイジの背中を押してくれます。母親との関係が壮絶だった分、救いがあってよかった…とホッと胸をなでおろす素敵な出会い。優しいだけではなく、“愛”をしっかりと感じる婆ちゃん、そして友人とのやりとりは必見です。母親とのシーンとは違う涙が溢れます。
©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会
母親がなぜここまで自分の息子を愛せないのか…、息子の心も体も傷つける母親に目も耳も塞ぎたくなるシーンもたくさん出て来ますが、クスッと笑えるユーモアが感じられる場面もアリ。友人、婆ちゃん、そして主題歌を歌うゴスペラーズの包み込むような温もりを感じながら、凍りついた母親の心に立ち向かうタイジを見守ってみませんか。
[作品情報]
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』
◉出演:太賀 吉田羊 森崎ウィン 白石隼也 秋月三佳 小山春朋 斉藤陽一郎 おかやまはじめ 木野花
◉原作:歌川たいじ「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(KADOKAWA刊)
◉大ヒット全国公開中
◉監督:御法川修
◉脚本:大谷洋介
◉主題歌:主題歌:ゴスペラーズ「Seven Seas Journey」(キューンミュージック)
◉配給・宣伝:REGENTS
◉公式サイト:hahaboku-movie.jp
©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会
文/タナカシノブ