2018.11.03
©2018「旅猫リポート」製作委員会 ©有川浩/講談社
次々と映像化される有川浩作品から、また素敵な映画が出来上がりました。観ているだけで癒される、強い絆で結ばれた心優しい青年・悟と愛猫・ナナのちょっぴり切なく、おかしい、そして温かい物語です。
ただ、可愛いだけじゃない! 自己主張だってしっかりする、野良出身の猫・ナナのすべてが愛おしくなりますよ。
映画『旅猫リポート』
一人と一匹の“新しい飼い主”を探す旅
©2018「旅猫リポート」製作委員会 ©有川浩/講談社
交通事故にあった野良猫のナナ(声・高畑充希)は、心優しい青年・悟(福士蒼汰)に助けられ、ずっと幸せに暮らしてきました。しかし、とある事情により、悟は愛猫・ナナを手放さなくてはならない状況に。愛するナナのため、悟は新しい飼い主を探す旅に出ます。
©2018「旅猫リポート」製作委員会 ©有川浩/講談社
「さあ行こう。これは僕らの最後の旅だ」
強い絆で結ばれた一人と一匹の旅が始まります。ナナを託すなら信頼できる人に…。そう考えた悟は、小学校時代の親友、高校時代の初恋の人の元を順番に訪ねていきます。悟が会いに行ったのは、人生で出会った大切な人たちばかり。映画では、悟の旅を見届けながら、悟の人生を知ることになります。悟が愛してやまない愛猫・ナナを手放すことになった理由とは? 悟はどんな秘密を心にしまい込んでいるのでしょうか。
主演猫・ナナ。堂々とレッドカーペットに登場!
©2018「旅猫リポート」製作委員会 ©有川浩/講談社
猫映画史上最高! とも評される主演猫・ナナの演技がすごいんです。声をあてているのは高畑充希さんなのですが、本当にナナがしゃべっているみたいに、表情、仕草など、セリフにピタッとハマっています。10月25日から11月3日まで開催された第31回東京国際映画祭には特別招待作品として上映された本作。主演の福士蒼汰さん、悟の初恋の相手を演じた広瀬アリスさん、そして三木康一郎監督と一緒に、ナナもレッドカーペットを歩いたのです! その堂々たる姿は、実に立派なものでした。
©2018「旅猫リポート」製作委員会 ©有川浩/講談社
ナナの魅力は、そのキャラクターにあるといえます。野良出身ということもあり芯があってたくましい。気に入らなければ微動だにしない、ゲージから出るように言われても出てきません。ペットとしては先輩にあたる先住犬にだって、自分が嫌だ! と思ったらケンカを売るという性格です。だけど、それ以上に思いやりもあり、何より悟が大好き。悟のためだったら、自分を犠牲にしてでも行動にうつす、愛の深い猫ちゃんなのです。
福士蒼汰の笑顔に癒される! 心温まる優しい1本
©2018「旅猫リポート」製作委員会 ©有川浩/講談社
最近は、『図書館戦争』『曇天に笑う』『BLEACH』など、アクション作品への参加も目立った福士蒼汰ですが、本作では等身大の心優しい青年・悟をナチュラルに演じています。ナナを優しく見つめる視線、笑顔の中に不意に見せるどこか悲しげな表情、ピュアで温かな柔らかい笑顔など、福士蒼汰の魅力がたっぷりと詰まっています。
原作を知っている方はもちろんのこと、予告などから「これは泣ける作品」とわかってしまう。しかし、それがわかっていながら、自然と涙が溢れてくる作品です
猫目線で描かれる1人の青年と1匹の猫・ナナの忘れられない旅物語。悟とナナの強い絆をスクリーンで確かめてみて。
[作品情報]
『旅猫リポート』
◉出演:福士蒼汰 高畑充希(声の出演) ナナ
広瀬アリス 大野拓朗 山本涼介
前野朋哉 田口翔大 二宮慶多 中村靖日/戸田菜穂
橋本じゅん 木村多江 田中壮太郎 笛木優子
竹内結子
◉監督:三木康一郎
◉原作:有川浩 『旅猫リポート』(講談社文庫)
◉脚本:有川浩 平松恵美子
◉音楽:コトリンゴ
◉企画・配給:松竹
◉公式サイト:tabineko-movie.jp
◉©2018「旅猫リポート」製作委員会 ©有川浩/講談社
文/タナカシノブ