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第5回|親になったらぜひ見返して欲しい名作…『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

ライフスタイル

2018.08.17

2019.12.01

akapen

突然の夕立、予想外の台風、ゲリラ豪雨…何して過ごします?

ついに、夏休みも後半戦といったところでしょうか? 瀧川家も何とか夏を満喫しようと必死です。…必死ですが僕も嫁も普通に仕事をしており「今日から完全にオフ!」なんてはっきりした夏休みがあるわけでもなく、ただただ暑い夏の日々を過ごしています。唯一、嫁が企画してくれた海水浴も台風直撃…荒れた天気を自宅から眺めていました。

そんな日は…、やっぱり映画鑑賞でしょう。

 

ところで最近、結婚前に鑑賞した時とはまったく印象が変わる映画に出会うことがよくあります。今回紹介したい映画もその一つ。独身時代よりも、数倍胸に響いた作品です。なぜならこの作品、パパが亡くなっています。だから、思い出深いパパとのシーンが多い作品なんです。

ポンコツ新米パパの僕は、このパパの素晴らしさに激しく落ち込んだりもします、こんなすごいパパにはなれないよ、と。ほかのパパさんだって、さすがに負けるよ!と肩を落とすかもしれません。ママさんたちも「よそのいいパパを見るなんて疲れるわ」なんて思ってしまうかも。

でも、そう言わずに、観て欲しい!

いつか、子どもたちの成長に伴って、親子の関係に何か変化が起きたとき、”信じて見守る”ことを一つの選択肢に思い出してもらえるんじゃないかと思うから。

 

▲公園でスワンボートに乗りました。もう夏らしさとか全然関係ない…。息子・晴太朗は満足そうだから救われるけれど。

▲公園でスワンボートに乗りました。もう夏らしさとか全然関係ない…。息子・晴太朗は満足そうだから救われるけれど。

 

<一つ前の作品紹介を読む> 疲労困憊でも夏を満喫したいと思わせる『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

 

ママに捧ぐ映画 第5回 スティーブン・ダルドリー監督作品
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

2012年に公開されたこちらの作品。監督は「リトル・ダンサー」でデビューし「めぐりあう時間たち」や「愛を読むひと」など立て続けにヒット作を生み出し、デビュー作から3作品連続でアカデミー賞監督賞ノミネートという快挙を成し遂げたスティーブン・ダルドリー。

そして脚本は「フォレスト・ガンプ/一期一会」や「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」などを書いたエリック・ロス。出演はトム・ハンクスとサンドラ・ブロックという名優に加えて、今作で映画デビューを飾った新星トーマス・ホーン君。もう、そりゃ面白いだろうよ!という鉄板の布陣でお送りします。

映画好きにはたまらないチームが集まった今作ですが、そんなに映画に詳しくない方からすれば「どんだけ凄いの、それ?」とピンとこないと思います。タイトルも長いし何だか難しそう…と腰が引ける方もいるでしょう。

この作品の物語を簡単に説明すると“父の形見の謎を解くために息子が街を走り回る”という非常にシンプルな内容です。

トム・ハンクス扮するお父さんがアメリカ同時多発テロにより亡くなってから1年。サンドラ・ブロック扮するお母さんとトーマス・ホーン扮する息子は二人きりで暮らしていました。

 

▲とても愉快だった父親の死後、家の中は暗い雰囲気が漂い、息子と母の関係もギクシャクしています。

▲とても愉快だった父親の死後、家の中は暗い雰囲気が漂い、息子と母の関係もギクシャクしています。

 

そんなある日、息子は父親の遺品の中から封筒に入った鍵を見つけます。“この鍵で開く扉を見つけたら、その先に父が残した何かがあるのかも知れない”と思った息子は鍵を首から下げて町中を探し回り始めます。とはいえ、彼は11歳。しかし、彼は諦めずに町中を走り回るのです。

 

▲しかも、どうやらアスペルガー症候群を患っている彼にとって、知らない人と話して聞き込みを重ね、父が残した形見の先にある何かを見つけるのはハードル高め。

▲しかも、どうやらアスペルガー症候群を患っている彼にとって、知らない人と話して聞き込みを重ね、父が残した形見の先にある何かを見つけるのはハードル高め。ハラハラさせられます。

 

気づけば、あなたも祈り、応援しているはず

結婚して子どもができた時、真っ先に考えたのは“嫁と息子を残して死んではいけない”ということでした。家事は苦手、給料低め、仕事は不規則、とパパとしてのスペックは標準以下の僕ですが、健康なら多少なりとも家族を支えることができるはず。だから、とにかく死んではいけない、と心に誓いました。しかし、無念にも亡くなってしまった主人公の父親。そして、その後の母と子の姿がこの映画の中では淡々と描かれます。

 

▲生前の父親はご機嫌で愉快な男だったのに…その父親が死んでしまった。遺体も見つかっていない。その日から1年が経っても息子の心の傷は癒えることなく、形見にすがりつき日々を過ごしています。もうね…めちゃくちゃ胸が痛みます。

▲生前の父親はご機嫌で愉快な男だったのに…その父親が死んでしまった。遺体も見つかっていない。その日から1年が経っても息子の心の傷は癒えることなく、形見にすがりつき日々を過ごしています。もうね…めちゃくちゃ胸が痛みます。

 

諦める事なく“鍵で開ける事ができる何か”を探し求め続ける少年。多くの人に出会い、協力を得ることはできるのですが進展はありません。

彼の頑張りに、僕はずっと目頭を熱くさせながら見ていました。負けるな!という気持ちと、もう無理はするな!という気持ち。そして早く何とか鍵の真相に辿り着いてくれ!と祈るような気持ちで見ていました。

そう、彼が走り回る姿に、気づけば祈り、応援している僕がいました。

しかし途中でふと思うんです。あれ、ママは何しているの? 息子は一人で頑張っているけど、ママは息子の異変に気づかないの?と。

 

▲ポンコツパパの僕がまた映画を観はじめた頃…。息子を水族館に連れて行ってくれたママ。イルカショーでビショビショだけど、楽しかったと晴太郎。

▲ポンコツパパの僕がまた映画を観はじめた頃…うちのママはといえば、息子を夏らしいところへ連れて行ってくれていた! 水族館のイルカショーでビショビショになったけど、楽しかった!と息子・晴太郎。

 

その間ずっと、母は何をしていたのか?

 

▲父親の形見を探す少年の話ってだけで母親の出番なくない?

▲父親の形見を探す少年の話、ってだけで母親の出番なくない?

これ、トム・ハンクスとトーマス・ホーンの映画でサンドラ・ブロックいらなくない?

僕も最初、この映画を見たときには中盤からそう思っていました。この映画を見ているママさんたちも、同じ気持ちになるかもしれません。「サンドラ・ブロック、ちゃんと仕事しろや!」と。

 

▲息子が一人で知らない街に出かけ、知らない人に話を聞いて父の形見の真相を調べている。そんな息子を放っておいて何をしていたのか!?

▲息子が一人で知らない街に出かけ、知らない人に話を聞いて父の形見の真相を調べている。そんな息子を放っておいて何をしていたのか!?

この映画のラスト、ママはいったいどこで何をしていたのか、その真相が描かれます。僕がこの映画をママさんたちに進めたい理由はラストにあるんですよ! もうね…母親って凄いねぇー!!というサンドラ・ブロックが本気を出すシーンがやってきます。

実際にこのコラムを読んでくださっているママさんがあのシーンを見たらどう感じるのだろうか。「でき過ぎだよ!」と言うのかも知れない。「もう少し早めに手を打つわ!」と突っ込むのかも知れない。しかし、とにかく、この映画で描かれるママの愛は美しいと思うのです。

辛抱強く見守ることは、すぐに手を差し伸べる事よりも難しいのかも知れない。

ママは息子を信じるからこそできたことなのではないか? ポンコツパパの僕は、この映画で描かれるママの力に…、“信じて見守る”大きな愛に、観るたび号泣してしまうのです。

 

朝の支度のバタバタも、子どもたちのワガママだって!
ちょっと、楽しめるようになるはず

この映画の中で、家族3人がそろうシーンはほとんどありません。だからこそ僕たち観客は、3人そろって平和に過ごしていた瞬間をありありと想像させられます。きっとこうだったんじゃないか、という想像力で完成される風景がそれぞれに浮かぶでしょう。そんなあるべき“家族の風景”がいかに美しく大切かを教えてくれる1本です。

忙しく働き、子育てに奮闘しているママさんパパさんにとって、もちろんわが家もそうなんですが、日々はとにかく慌ただしいですよね。でも、その何気ない毎日がいかに大切なのかを改めて思い出してもらえるきっかけになると思います。

朝ごはんを食べないくせにプールに行こうとゴーグルを付けてみたり、今日こそウルトラマンフェスに行きたいと駄々をこねている息子を見ても、そうだよな、こんな日常が幸せな風景なんだよな、と穏やかに見守れるように。ポンコツ新米パパの僕も、ちょっとは成長しているのかなと思える今日この頃です。

 

▲ウルトラマンフェスに行ったのに、大きすぎて怖い!と近づけるのはこの距離が限界の息子。

▲せっかくウルトラマンフェスに行ったのに、「ウルトラマンが大きすぎて怖い!」と近づくのはこの距離が限界の息子。

 

[DVD Info]
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

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監督:スティーブン・ダルドリー/脚本:エリック・ロス/キャスト:トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン/価格:ブルーレイ 2381円+税、DVD 1429円 +税/販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

 

<次の作品紹介を読む> 余命僅かのママが4歳の娘に教えた大切なこと…『はなちゃんのみそ汁』

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