2019.11.01
©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会
作家・ヒキタクニオの実体験をもとに書き上げた同名エッセイが原作の映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』のテーマは、一般的には馴染みの薄い“男の妊活”。体力的にも精神的にも、そして金銭的にも決して楽ではない妊活が、原作同様、ユーモア溢れるヒキタさんの語り口で描かれています。
妻の一言がきっかけで妊活の日々がスタート
映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』
©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会
松重豊演じる49歳の作家・ヒキタクニオは、北川景子演じる二回り近く年の離れた妻・サチと2人仲良く暮らしています。子どもは好きだけど、自分たちの子どもは作らないと決めていた2人ですが、ある日、サチが「ヒキタさんの子どもに会いたい」言うのです。その一言をきっかけに妊活がスタートするのですが、なかなか授からないヒキタ夫妻。
©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会
そこで、クリニックで調べてみると、不妊の原因はヒキタさんにあることが判明。ここから二人の本格的な“妊活”が始まるのです。
「自分にできることはなんでもやる!」と決意
©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会
実際に、クリニックでの妊活がスタートすると、妻への負担が大きいことを痛感するヒキタさん。不妊の原因は自分にあるのに、特別な治療方法はないのです。そこでヒキタさんは、妻・サチの負担を少しでも減らすために「自分にできることはなんでもやる!」と決意し、妊娠しやすくなるというありとあらゆる“噂”を取り入れていくのです。
©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会
「桃の缶詰を食べる」「寝室にオレンジのものを置く」「部屋にザクロの写真を貼る」、さらには「金玉を冷やす」という噂まで取り入れます。精子の運動率が20%という数字を聞いたヒキタさんは「脱!駄目金玉!」と決意の紙を壁に貼り、好きなサウナもお酒も控えて精子の運動率アップを目指すのです。桃缶を次々と平らげていくシーンは、おなじみのドラマ「孤独のグルメ」シリーズを思わせる食べっぷりです!
お互いを思いやる夫婦愛
©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会
どちらかだけに負担が大きくかかるのではなく、文字通り力を合わせて頑張る二人。お互いを思いやりながら、支え合う姿は愛に溢れています。不妊治療は楽なものではなく、はっきり言って辛いことばかりですが、困難を乗り越えるたびに、二人の絆が強くなっていくのを感じます。
濱田岳演じるヒキタさんの編集担当・杉浦の空気を読まない感じも、現実的でおもしろい。人生ってそんなものよね、と辛くても笑っちゃう、そんなシーンもバランスよく散りばめられています。
頑張るだけではなかなか結果が出ない不妊治療を前向きに捉え、ユーモアたっぷりにチャレンジしていく2人。そんなヒキタ夫妻の、愛と涙と笑いに満ちた心温まるラブストーリーは必見です。
[作品情報]
映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』
◉大ヒット公開中
◉原作:ヒキタクニオ「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」(光文社文庫刊)
◉脚本・監督:細川 徹
◉出演:松重 豊 北川景子 山中崇 濱田岳/伊東四朗
◉配給:東急レクリエーション
◉公式サイト:hikitasan-gokainin.com
◉公式Twitter:@hikitasan2019
◉公式Facebook:@hikitasan.gokainin
©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会
文/タナカシノブ