2019.03.24
2019.12.02
気をつけているつもりでも、ふと心配になってしまう言葉遣い。他人の言葉遣いは気になっても、自分の言葉には意外と無頓着な人も多いかもしれません。ネット上では、「普通に話していたつもりが『下品』と指摘されてしまった言葉」が注目を集めていました。
「下品な言葉遣い」を指摘されたエピソード
「ボロい」は下品!?
ネット上で物議を醸していたのは「ボロい」という言葉。ある女性は「財布がボロくなったので、買い替えたんです」と上司に話したところ、「君の口から『ボロい』なんて下品な言葉は聞きたくなかった…」と幻滅されたそう。
他にも、「普段使っているけど下品な言葉」を指摘されたというケースが続出。「晩ごはんを食べながら『うまい!』と言ったら夫に叱られた」「『まずい』も怒られました…」「よくお母さんに注意されたのは『ヤバい』だったな」などの体験談が相次ぎました。
続出する「下品な言葉遣い」疑惑…
「ボロい」に対しては「確かに品がいいわけじゃないけどそんなに悪い言葉かな?」と疑問の声が。他にも「下品か微妙な言葉」が上げられています。
「“ドつぼ”っていう言葉はちょっと『え?』って思った」
「『コンビニで売ってるやつ』みたいな『~やつ』は微妙な気がする」
「『パクる』って下品じゃない?」
「『お金』のことを『金』って呼ぶのも下品だよね」
「敬語を省略して「~っすね」って言わないように気をつけてる」
“どんな風に話すか”でも印象が左右されるようで、「まくしたてるような喋り方は下品だと思う」「語尾を伸ばすのも下品なイメージ」など口調についても意見が続出しました。
「下品な言葉遣い」の基準って?
「下品な言葉遣い」とされる線引きが曖昧!?
さらに「下品な言葉遣いとされるラインは?」といった疑問も噴出。中には「形容詞を略すと下品なのかな?」「語尾が言い切りじゃないから、下品に聞こえるのかも」など分析を試みる人も。
「『ボロい』は省略語だから、雑な印象を与えてしまうのかもしれません」
「友達以外にはあんまり使わない言葉を下品と定義してもいいと思う」
「店員が言ったと仮定すれば、言葉遣いが下品かどうかを判断できるのでは?」
しかし「反射的に言ってしまうから直せない」「正直、下品な言葉で話した方が面白いし感覚が伝わるんだよね」といった声も上がっています。理由が分かったとしても直すのは苦労しそうですね。
「人の呼び方」は意見が一致?
下品だと感じる理由やワードはそれぞれ違うようですが、多くの人に共感されていたのが「人の呼び方」に対する感覚です。
「“男性、女性”を“男、女”って言うのは下品」
「“あんた、お前、こいつ”は下品な言葉遣いだよね」
「自分のことを“アタシ”って呼ぶのはちょっと…」
「“連中”っていう言葉は下品だと思ったな」
また、世間の母親からは「子どもに周りや自分の汚い言葉遣いが移ったらいやだな…」という声も。実際、世の中の言葉遣いはどのくらい乱れているのでしょう?
子どもの言葉遣いは親の影響!?
「国語の乱れ」は年々減少…?
“言葉の乱れ”の実情を確認するため、2015年に文化庁が行った「国語に関する世論調査」の結果をご紹介しましょう。
「今の国語は乱れていると思うか」という質問に対しては、73.2%の人が「乱れていると思う」と回答しています。一見多いように思えますが、1999年度は85.8%、2002年度は80.4%、2007年度は79.5%と年々減少傾向にあるよう。自分が家庭で受けた“言葉のしつけ”について、「適切にしつけられたと思う」人も2000年から増加傾向にあり、2015年は61.2%の人が「適切にしつけられた」と回答しました。
「テレビ」は子どもの言葉遣いに悪影響!?
同アンケートでは、「子どもの言葉遣いに与える影響が大きいと思うもの」についても調査。1位は81.4%で「テレビ」、2位が72.3%で「母親」、3位には「父親」が67.8%でランクインしました。
また4位の「友達」(63.4%)や10位の「祖父母」(29.8%)など、接する時間が長い相手からの影響を心配する人も多いよう。テレビなどのメディアに関しては「子どもがテレビのセリフを真似する!」「乱暴な言葉遣いの漫画は、あんまり読ませたくないな」とママたちの苦悩が相次いでいます。
子どもや周囲の人に悪い影響を与えないよう、自分の言葉を今一度見直してみるといいかもしれません。
文/河井奈津