相手の面白さを見つければ、楽しい二人になれる

——奥さまも漫画家として忙しくされているそうですが、家事は一緒にしていますか?

 

滝沢さん:

はい。以前からやっていましたが、妻が漫画を書き始めてから、さらに協力するようになりました。彼女の漫画があって僕の本ができたわけですから、頭が上がりません。

 

夫婦の絆って、共同作業を通して深まる部分があると思いますが、その共同作業が僕たちにとっては「漫画」だったのかもしれません。以前よりさらに、助けあって生きていると感じるようになりましたね。

 

——滝沢家のように、夫婦仲良くいられる秘訣を教えてください。

 

滝沢さん:

そうですね、相手の仕事に興味を持つのは大事ですよね。苦労や不満は何かとか、話すと楽しいですよ。

 

テレビで妻も言っていましたが、僕は普通の人なら引いてしまうような辛いことでも笑いに変えられるタイプ。そうやってなんでも話すことで、夫婦の仲を深めていった部分はあるかな。

 

ただし「相手が楽しませてくれる」「面白い話をしてほしい」という態度でいると、会話ってちっとも楽しくならないんです。相手のおもしろいポイントを自分で見つけることが、人とのコミュニケーションを楽しむコツです。

 

そうやって、相手に関心を持ち続けることが夫婦円満の秘訣かもしれませんね。

 

 

芸人を続けながら家族の生活を守るためにゴミ清掃員になり、奥さんと共同で漫画まで出版された滝沢さん。前向きに楽しく生きる滝沢さんの言葉は、まっすぐに私たちの心に響きます。一人ひとりの思いやりで、ゴミ問題も、夫婦関係も、より良いものに変わるかもしれませんね。

 

滝沢秀一

PROFILE:滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)

1976年、東京都生まれ。1998年、西堀 亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2007年、2008年にM-1グランプリ準決勝進出。2012年「THE MANZAI2012認定漫才師。お笑い芸人をしながら、定収入を得るためゴミ収集会社に就職。2018年にゴミ収集員としての体験をつづったエッセイ『このゴミは収集できません』(白夜書房)を出版、ベストセラーとなる。著書は他に『ごみ育 日本一楽しいごみ分別の本』(太田出版)、『ゴミ清掃員の日常』(講談社)、『ゴミ清掃員の日常 ミライ編』(講談社)など。最新作『やっぱり、このゴミは収集できません』(白夜書房)発売中。

 

取材・文/早川奈緒子 イラスト/ふじいまさこ