夫婦での冷蔵庫チェックが食品ロス対策になる

——7月からレジ袋が有料化になり、エコバッグも普及してきました。

 

滝沢さん:

そうですね。でも、コンビニにぷらっと行くときエコバッグ忘れることありません?なので僕は、いつも持ち歩いているポケットティッシュのケースに、小さく畳んだレジ袋を入れています。そうすれば忘れるたびに買わずに済むし、1枚で5回くらいは使えます。

 

1人がレジ袋1枚を5回使えば、年間300億枚(※E)使われていたものが、単純計算で60億枚には減りますよね。逆に、エコバッグをいくつも買って使いきれずに捨ててしまう、というほうが環境には良くないです。

 

——家庭のゴミを減らすために、具体的にどういったことをされていますか?

 

滝沢さん:

僕は浄水器がついているマイボトルを使っているので、ペットボトルのゴミはほとんど出ません。

 

あとは、夫婦で冷蔵庫チェックするのは効果的。二人で冷蔵庫を開けて「ほうれんそうがしなびてきたね」「じゃあベーコン買ってこようか」というふうにアイデアを出し合って、食べ切るようにしています。

 

食品ロスは去年、法律(※F)ができたくらい問題ですし、食べものは大事にしてほしいですね。

 

——では、親子でできることはありますか?

 

滝沢さん:

子どもって、親が教えようとするとなかなか聞いてくれないですよね。だから例えば「これはペットボトルだからペットボトルのゴミ箱に捨てよう」「これは古紙だね〜」というふうに、親がやって見せると、子どもは自然とまねしますよ。

 

少しできるようになったら「これは何ゴミだ〜?」と分別クイズをすると楽しく遊べます。うちの下の子は4歳ですが、3歳ですでに分別をしながら「可燃ゴミ」って言えていました(笑)。

 

家族と楽しみながらゴミの減量化を意識している滝沢さん。資源を大事にすることは、家族の生活そのものを大事にしているように感じました。次回は滝沢さんとご家族の様子について伺います。

 

滝沢秀一

PROFILE:滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)

1976年、東京都生まれ。1998年、西堀 亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2007年、2008年にM-1グランプリ準決勝進出。2012年「THE MANZAI2012認定漫才師。お笑い芸人をしながら、定収入を得るためゴミ収集会社に就職。2018年にゴミ収集員としての体験をつづったエッセイ『このゴミは収集できません』(白夜書房)を出版、ベストセラーとなる。著書は他に『ごみ育 日本一楽しいごみ分別の本』(太田出版)、『ゴミ清掃員の日常』(講談社)、『ゴミ清掃員の日常 ミライ編』(講談社)など。最新作『やっぱり、このゴミは収集できません』(白夜書房)が2020910日に発売予定。

 

取材・文/早川奈緒子  イラスト/ふじいまさこ

※A 環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成29年度)について」 http://www.env.go.jp/press/106564.html
※B 環境省「参考資料1 プラスチックを取り巻く国内外の状況」 http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-05/s1.pdf#page=11
※C 港区 https://www.city.minato.tokyo.jp/jigyoukeikaku/kurashi/gomi/seso/shisetsu/chukan/chuke.html
※D 3R… Reduce(リデュース=廃棄物の発生抑制)、Reuse(リユース=再使用)、Recycle(リサイクル=再資源化)の頭文字を取った3つの行動の総称。平成3年に設立された3R推進協議会により活動がすすめらている。
※E 環境省「報道発表資料」 https://www.env.go.jp/press/7541.html
※F 消費者庁「食品ロスの削減の推進に関する法律」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/promote/