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仏壇はだれが引き継ぐ?面倒な長男の役割

ライフスタイル

2019.07.27

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遺品整理の中で、よく問題になるのが、仏壇やお墓をどうするか、というものです。特に仏壇は今まで代々長男が受け継ぐことが当たり前になっていましたが、それは単なる慣習であり、引き継ぐ意思があれば、誰でも引き継ぐことができるそうです。
また引き継ぎを機に仏壇を新しいものに変えてもいいのだそうです。ご存じでしたか?

<1.問題だらけの遺品整理:仏壇の引き継ぎ>

亡くなった方の遺品を整理し、その行き先を決める遺品整理。
遺族が集まり、思い出話に花を咲かせながら故人の遺品と亡くなった悲しみを分かち合う中で、故人の死を受け入れていく。
現実には、そう美しい話ばかりではありません。

例えば親が亡くなって、その家に住む人がいなくなってしまう場合、まずその家をこれからどうするのか、という問題が遺族の前に立ちはだかります。
空き家のまま維持していくのか、家の中を整理して、新たに子世帯がそこに引っ越してくるのか、それとも売却してしまうのか、相続する人にとっては生活が激変するかもしれない大きな問題です。
どの選択肢を選ぶにしても、遺品は整理しなければなりません。

処分するものは処分し、残すものは残す、と遺品の行き先を決めるのも大変で時間のかかる作業です。
もし親世帯が賃貸の場合は、次の家賃が発生してくる前に遺品を整理しなければなりません。時間すらかけられない場合もあるのです。
遺品には、故人がそこに生きて、生活していた証しとして、たくさんのモノがあります。
頂けてありがたい、嬉しいと思うものがある反面、これはちょっと…と躊躇してしまうものもあります。
何でもビジネスライクに「売る・処分する」ことができればいいのですが、感情的にそれがしにくいものもあります。というか、処分などできるのか?と途方に暮れるようなものがあります。

例えば故人が大切にしていた人形、そして先祖から代々受け継いできた仏壇などがそうです。
旧家であればあるほど、仏壇は大きくて立派です。
黒くて大きな仏壇は、その存在感で部屋の雰囲気をどうしても暗く、重くしてしまいます。
実家を処分しなければならないとき、仏壇を誰が引き継ぐかは、当事者たちにとってはとてもやっかいな問題となります。

<2.仏壇やお墓を引き継ぐルールってあるの?>

今までの日本では、仏壇やお墓を引き継ぐ者と言えば、「直系長男」と議論もなく決まっていました。
封建制度の時代、日本は遺産(主に土地)の分割・分散を防ぐため、その家の財産は全部長男が引き継いでいました。
現代でいう相続権は、長男以外全て無条件で放棄させられていたのです。
財産を全て引き継ぐ権利がある代わりに、一族を守る義務も引き継ぐ、というのが暗黙の了解で、お墓や仏壇も長男が守るべきものとして引き継いでいました。
しかし、実は長男がお墓や仏壇を引き継ぐ義務は、法律的には決められていないのです。

民法897条にも「仏壇や墓地は相続財産には含まれない」という記載がなされています。
そのかわりに「慣習に従って、祖先の祭祀(さいし)を主宰すべきものが(お墓や仏壇などを)引き継ぐ」とも書かれています。
ですが、あくまで「祭祀の主宰者」であり、「長男」と明記されている訳ではありません。
今までの慣習で、そう思わされていただけなのです。

もし、遺言で仏壇の引き継ぎ先を故人から指定されていなければ、長男は他の兄弟、例えば次男や長女などと相談して、仏壇の引き取り先を話し合うこともできます。
話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所の審議にかけることもできるのです。
ちなみに、お寺側の意見としては、仏壇自体を引き継ぐというよりも、その中に収められている先祖の魂を引き継ぐということが大切なのであり、御本尊と位牌(いはい)に手を合わせる習慣さえ引き継ぐならば、誰が引き継ごうと問題はないのだそうです。

さらに、仏壇は親族のみが引き継ぎの対象だと思って(思わされて)いましたが、

1位:男子(長男・次男・三男)
2位:女子(長女・次女・三女)
3位:親族(おい・めい・いとこ)
4位:他人(故人の親友など)

といった優先順位はあるものの、友人など血縁関係がなくても、仏壇を引き継ぐことはできるのだそうです。

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<3.仏壇を新しくするという手もあります>

仏壇の引きつぎを難しくする原因の1つに、仏壇の大きさと雰囲気が、引き取り先の家に合わないということがあります。
大きな仏壇は、田舎の大きな家でなら立派に見えますが、都会のマンションに持っていくとなると、存在感がありすぎて、違和感を覚えてしまいます。
もし仏壇の大きさや雰囲気が原因で、引き取りたいけど引き取れない、と悩んでいるなら、いっそのこと仏壇を今の家に合うものに変える、という方法があります。
そんなことをしたらバチがあたるのでは?
そもそも仏壇を変えるなんて聞いたことがないんだけど。と思うかもしれませんが、前述したとおり、大切なのは仏壇そのものではなく、御先祖さまを敬う気持ちです。
御仏(みほとけ)の魂が仏壇に宿っているから仏壇を大切にしているのであって、仏壇から御仏の魂を抜いてしまえば(これを「魂抜き」といいます)、仏壇はただの木の箱です。
ちなみに魂抜きは、その家の宗派のお寺にお願いするのが一般的です。
新しい仏壇に御仏の魂を迎え入れ、位牌を納めれば、今後はその仏壇がご先祖さまの居場所になるのです。
これなら、サイズも自由に選べるし、現代的なマンションの雰囲気にも合うような仏壇にすることもできます。
元の仏壇は、魂抜きをした後なので、家具などと同じ扱いで処分できます。
ありていに言えば粗大ごみとして出しても特に問題はありませんが、やはりゴミとして扱うのはちょっと…、と思うなら、以下の方法で処分できます。

・魂抜きをしてもらったお寺に引き取ってもらう(おたき上げをしてくれるお寺もあります)。
・仏壇を購入した仏具店にお願いして引き取ってもらう(新しい仏壇を購入する際は、ほとんどのお店が古い仏壇を無料で引き取ってくれます。中には魂抜きなどの供養までしてくれるお店もあります)。
・仏壇専門のリサイクル店に引き取ってもらう(古い仏壇の中には名だたる職人が作った価値の高いものもあり、思わぬ高値で売れることもあるそうです)。

仏壇の引き継ぎ先で悩んだ時には、ぜひ参考にしてみてください。

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