2018.12.13
お金と情熱をかけて集めたコレクションは、たとえ自分がこの世から去った後でも行く末が心配なもの。ニッチな価値を持つお宝であれば、興味のない人の手で適当に処分されたくないですよね。そんなコレクターの心に寄り添う、一風変わったサービスがあるのをご存知でしょうか。
コレクターから注目を集める「生前見積」
“あの日なくしたものがここにある”というキャッチコピーのもと、様々な中古グッズの買取り・販売を行う「まんだらけ」。同社には、生前に集めた大切なコレクションの“引継ぎ”を手伝う「生前見積」といったサービスがあります。
公式サイトを見てみると、「後世のコレクターへの引き継ぎやご家族へ財産としてのお役立てなど、コレクションの整理を考えている方を対象に生前に見積もり査定」「お別れのときがきたら生前のご希望に沿ってコレクションを次のかたちで引き継ぐお手伝いをさせていただく個人向けのサービスです」といった記載が。
見積りした金額を書面で発行してくれるので、コレクション整理の参考や不慮の事態が訪れたときの取り引きに役立ちます。まさに人生をコレクションに捧げたマニアのためのサービスですね。
本気でコレクションの行く末を考える人に向けたサービス!
査定は漫画やアニメ関連グッズ、プラモデル、イラスト色紙など、まんだらけで扱っている商品が対象。現在でも入手が容易なものや、市場評価が低いものは対象外となります。
ちなみに見積もりは無料で行うことができ、1点からでも可能。もちろん見積もりをしてもらったからといって必ず売却する必要はなく、いざという時に納得できてから連絡しても大丈夫です。また専門知識を持つプロが鑑定するので、家族にコレクションの価値を証明するのにも役立てられますよ。
しかし「生前見積」は、誰でも利用できる訳ではありません。死期を悟り、生前からコレクションの行く末を考える人だけが受けられます。申し込み時はサービスに興味を持った経緯の説明が必須となり、まんだらけ側が内容を精査した上で受けられるか判断されるそう。
同サービスを知った人からは、「マニアコレクターのコレクターによるコレクターのためのサービスだな(笑)」「実際、真のコレクターにとっては貴重な窓口。興味のない人なら絶対に捨てるからね」「自分のお宝を家族の財産にできるなんて素敵」「全員が幸せになれるシステムだと思う」と反響の声が上がっていました。
残された人のことを考えた最後の優しさ?
ここ最近「終活」という言葉が広まったことにより、様々な“生前サービス”が誕生しているようです。その中でもよく耳にするのは、家の整理をサポートしてくれる生前整理。不用品の仕分けや買い取り、簡易清掃などを行ってくれます。例えばヤマト運輸のグループ会社「ヤマトホームコンビニエンス」による「生前整理パック」なら、整理の他に譲りたい品物の発送代行も行っています。宅配業者らしいサービスですよね。
また一風変わった生前サービスとして、エスカコーポレーションが運営する「言伝屋」も注目を集めています。名前通り言葉を伝えるサービスですが、特徴は自分の死後にメッセージを送信してくれるところ。大切な人に対し、照れくさくて普段言えないようなことは誰にでもありますよね。人生の最後に後悔しないよう、あらかじめ準備しておくのもいいかもしれません。
多くの人が意識するようになってきた「終活」。今後はどんな生前サービスが登場するのでしょうか。
文/長谷部ひとみ