2018.11.21

相互直通運転を知ると電車はもっと楽しめる

大都市圏ではよく見られる相互直通運転。ひとつの路線にさまざまな会社の車両が通るシーンはなかなか興味深いものです。今回は相互直通運転を取り上げたいと思います。ぜひ、子供と一緒にいろいろな車両を観察してくださいね。

 

面白い!電車の相互直通運転


 

そもそも、相互直通運転とは

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「相互直通運転」というワードは耳慣れないかもしれませんが、都会に住んでいると身近にある運行体系です。簡単に定義すると、異なる鉄道会社が相互に乗り入れる運行体系のことを指します。そのため、相互直通運転を行っている路線では自社の車両だけでなく、他社の車両も見られます。

首都圏における郊外電車と地下鉄の相互直通運転がスタートしたのは、高度経済成長真っ盛りの1960年のこと。都営地下鉄浅草線と京成電鉄との間で相互直通運転がはじまりました。京成電鉄は都営地下鉄浅草線に合わせるために線路の幅を変えるという大工事を敢行。現在では、千葉県と都心を結ぶだけでなく、羽田空港と成田空港とのメインルートとしても機能しています。

関西圏では関東ほど相互直通運転は行われていません。地下鉄への相互直通運転は首都圏から遅れること9年後の1969年のこと。大阪市営地下鉄堺筋線(現:大阪市高速電気軌道堺筋線)と阪急電鉄千里線・京都線がはじまりです。1970年には大阪万博が行なわれたことから、万博輸送を見越して相互直通運転をスタートさせたと考えてもいいでしょう。

 

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相互直通運転はいろいろな会社の車両が見られる

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硬い話はこれくらいにして、相互直通運転の楽しみ方をお伝えします。相互直通運転のポイントはいろいろな会社の車両が見られること。たとえば、京浜急行電鉄空港線(京急蒲田駅~羽田空港国内線ターミナル駅)では京急、京成、都営地下鉄、北総電鉄の車両が見られます。多くの人が「京急」と聞くと「赤い電車」を連想すると思いますが、白色の都営地下鉄の車両や銀色の京成電車の車両を見ると、最初は戸惑うかもしれませんね。また、乗り入れ先の車両をじっくりと観察すると、車両に対する会社の考え方が感じられるものです。

ところで、相互直通運転の中には自社線に入らず、他社線に「出向」するケースも見られます。たとえば、大阪市高速電気軌道堺筋線(大阪メトロ堺筋線)では、阪急電車が阪急線に入らず、堺筋線の終着駅にあたる天神橋筋六丁目駅で折り返すシーンをよく見かけます。

また、堺筋線で阪急の車両に乗ると、流れてくるのは地下鉄の自動放送。地下鉄の自動放送と阪急電車という不思議な組み合わせも相互直通運転ならではの楽しみです。

もし、京急沿線で「北総の車両に乗りたい!」と子どもが言った場合、大人はどのように対応すればいいでしょうか。身も蓋もない答えですが、一部の路線を除き、特定の会社の車両を乗り当てるのは困難です。唯一の助けになるのはTwitter! 時たま、Twitterで当日の列車運用を予想しているアカウントがあるので、参考にするといいでしょう。なお、くれぐれも鉄道会社に電話しないように。

 

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個人的にお気に入りな相互直通運転 

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私もいろいろな直通列車に乗りました。その中で個人的に気に入っているのが京急、都営地下鉄、京成を走る「アクセス特急」と阪神、山陽を走る「直通特急」です。

「アクセス特急」は成田空港駅と羽田空港(羽田空港国内線ターミナル駅)を結ぶ特別料金不要の特急列車です。この列車のポイントは都営地下鉄浅草線内にて通過駅があること。2018年11月現在、都営地下鉄浅草線内にて通過駅がある営業列車は「アクセス特急」のみです。都心のど真ん中にある駅を通り過ぎるのは何とも言えません。2つ目は「成田スカイアクセス線(京成高砂駅~成田空港駅)」間で時速120キロを出すこと。線内は踏切がないため、都心ではなかなか味わえない高速運転が楽しめます。

「直通特急」は阪神梅田駅を出発し神戸市内を通り、山陽電車の終着駅である山陽姫路駅まで走ります。「直通特急」の特徴は何といってもクロスシート。「直通特急」に使われる一部の車両はロングシートですが、クロスシートに当たるとちょっとした旅行気分が味わえます。また、「直通特急」が止まる高速神戸駅、新開地駅には注目したいところ。運がよければ茶色の阪急電車が見られるかもしれません。阪神、阪急、山陽の車両はそれぞれ個性抜群! 相互直通運転のおもしろみが存分に楽しめる駅です。なお、「直通特急」は赤色の方向幕と黄色の方向幕の2種類があります。赤幕と黄幕で神戸市内の停車駅が異なるのでご注意ください。

 

これからも相互直通運転は拡大する 

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これからも相互直通運転は拡大することが予想されます。関東ですと、2019年度下期に開業予定の相模鉄道・JR直通線が挙げられます。この路線が開業すると、相鉄の二俣川駅から新宿駅までが現在より15分程度短い、約44分に。今まで相鉄は相互直通運転を行わなかったので、開業を機にどのように変化するか、楽しみですね。

一方、関西ですと阪急神戸線と神戸市市営地下鉄西神・山手線との相互直通運転が計画されています。報道によると、神戸市営地下鉄西神・山手線では「快速」の復活が検討されているようです。もしかすると、快速運転で相互直通運転を行うかもしれません。

 

取材・文・撮影/新田浩之

 

新田浩之

国鉄が民営化された1987年生まれのフリーランス。昔から鉄道好きで、青春18切符を使った鉄道旅行も経験。CHANTO WEBでは主に旅行や鉄道に関する原稿を執筆中。