2019.10.08
仕事や家事が終わったあとにできる趣味は、準備や後片づけが簡単で、手や体が汚れないものがラクですよね。それに加えて、今日の疲れを癒してくれるようなものであったらなおいいと思いませんか?
それにぴったりなのがスクラッチアートです。
自分自身の癒しの時間として、子どもの芸術的なセンスを養うトレーニングとして、楽しみの幅も広いのがおすすめのポイント。そんなスクラッチアートについて、もっと詳しく説明したいと思います。
スクラッチアートとは?
スクラッチアートとは、簡単に言えば「削るお絵かき」。黒のスクラッチ面の下に綺麗なグラデーションやキラキラしたホログラムが隠れていて、スクラッチ面を専用のペンで削るとイラストが完成するというものです。下絵があるので、絵の苦手な人でもなぞるだけで綺麗な絵ができ上がります。もちろん、下絵がないタイプもあるので、自由なお絵かきを楽しむことも可能です。
細かい作業が苦手な人や小さい子どもでも大丈夫。シンプルな図柄やキャラクターデザインのものもあり、失敗も恐ることなく楽しむことができます。手先が器用な人は、繊細で複雑な図柄のものに挑戦してみましょう。インテリアとして飾れるような大作を作る達成感を味わえますよ。また、細かい作業になるため、集中力が鍛えられたり脳の活性化にも期待できます。
目の前の作業に没頭できることが癒しになる
スクラッチアートのタイトルのなかには、「自律神経を整える」「癒し」などと記載されているものが見受けられます。
基本的に、スクラッチアートは下絵をなぞって削るという、とてもシンプルな作業です。スクラッチアートの優れている点は、この「一点に集中できるシンプルな作業」というところ。
シンプルな作業といえば、静物スケッチなども挙げられるでしょう。しかし、スケッチの場合はの絵を描く画用紙と、対象物の間を視線と意識が行き来することになります。一方で、スクラッチアートはすでに色がついていて、下絵もある状態からスタートするので、目の前のスクラッチ面にだけ集中することができます。
これによって、心を無にすることができるというのが、もっとも癒しに繋がるポイントではないでしょうか。無心になって作業をしていると、考え事や悩み事から距離を置くことができ、心と体の緊張がほぐれていくのを感じることでしょう。しかも、けずればけずるほど綺麗な絵が出てくるので、達成感も味わえます。
一点に集中し続けると疲れてしまうような気がしますが、さまざまな色が浮かび上がることや、どこを削るか考える楽しみもあるので、無理なく作業ができそうです。また、下絵があるとはいえ、思いのままに線を増やしたりできる自由度も魅力的ですね。
このような癒し効果は「アートセラピー」ということもできます。アートセラピーの定義はさまざまですが、「絵を描くことを通してストレスを解放したり自分の中での葛藤や問題を解決する」という目的を持っていて、英国アートセラピー協会では「芸術を媒体とした精神療法」の一つとされています。
スクラッチアートで気をつけるべきことは?
スクラッチアートは、初期投資がそれほど高くないことも嬉しいポイントです。スクラッチ面の画用紙と専用のペンはほとんどの品でセットで売られていて、数枚セットで値段も100円~1,500円くらいと安価で手に入ります。有名な芸術作品のイラストがあったり、キャラクターものも多数ありますので、好みの作品に出会いやすいです。
ただ、注意点が3点あります。
一つは、スクラッチアートは一度削ってしまうと元には戻らないということ。当たり前のことではありますが、自由に削るタイプのスクラッチアートは失敗してしまう可能性も。慣れない人は、下絵のあるタイプのものから始めると安心です。
二つ目は削る専用のペンや代用するつまようじの先がとがっているということ。うっかり指をさしてしまったりすると怪我することがあるので注意が必要です。特に、小さな子どもと一緒にやる際は、十分注意して目を離さないようにしましょう。また、先が尖っているため、力を入れすぎると画用紙が破れてしまうことがあります。軽く滑らすようにきれいに削ることができます。
三つ目は、自分の力量に合わせたものを選ぶということ。華やかな図柄等に目を惹かれてしまいますが、華やかさに比例して難易度も上がります。無理をして疲れてしまっては本末転倒ですし、途中で挫折してしまうのはもったいないので、細かい作業が苦手な人は初心者向けの簡単な図柄から挑戦することをおすすめします。
どのような図柄でも、カラフルな虹色やシルバー、金の色が加わると綺麗で見ごたえのある作品になりますし、自分で線を足したり自由に塗りつぶすことによって、同じ図柄でも自分だけの図柄になります。ぜひ、好みの図柄を選んで完成させ、でき上がった喜びを味わってください。
疲れているときこそ細かい作業がおすすめ
仕事や家事、子育てで疲れているときは、無心になる時間を意識的に作ることが大切です。そんなとき、スクラッチアートなら目の前の作業に集中して、疲れや悩み事と距離を置くことができます。
スクラッチアートのセットは書店などで販売されているので、始めてみようか悩んでいる方は、ぜひ実物を見てみてくださいね。きっと、綺麗な色やホログラムに心が躍りますよ!
文/小野寺香織