2018.07.25
2019.11.29
本日7月25日は、「かき氷の日」。
暑くてどうしようもない日に食べるかき氷は、
おいしさと、幸せを運んでくれます。
かき氷といえば、思い浮かべるのは縁日で出されるようなものですが、
実は最近のかき氷は、かなり進化を遂げているとか。
今回は、かき氷を知り尽くしている
“かき氷の女王”こと原田麻子さんにインタビュー。
15年間かき氷を食べ続けてきたからこそ、語ることのできる
原田さんの「かき氷への想い」と絶品のレシピを聞いてきました。
私がかき氷の女王になるまで
大学生のとき食べた「京はやしや」のかき氷が人生を変えた
原田さんと衝撃のかき氷の出合いは、20歳のとき、夏の京都にて。
「ものすごーく暑くて、とにかく冷たいものが食べたい!と思って入ったのが、京都の老舗茶舗『京はやしや』さんでした。そこで『雪山』という名前通りの、非常に大きなかき氷を注文したんです。良質な抹茶の濃い味わいと、ふわふわの氷の食感に感動して。これまでのかき氷の概念を覆されました」
それからというもの、全国のおいしいかき氷を探しては食べ歩くようになった原田さん。
「だからといってSNSにアップしたりするのは、当時は恥ずかしくてまったくしていなかったんです。ただ、私のなかでかき氷はどんどん特別な存在になっていって、いつかお店を持ちたいという思いに。そういうのって少し照れ臭かったんですけどね」
当時会社員として働いていた原田さんは、1年間限定店を週1でやることに。その後2016年の秋に「氷舎mamatoko」をオープンした。
「かき氷作りは、全部独学。私のかき氷に対する愛情と信念がたっぷり詰まっているお店です。かき氷って、ラーメンみたいなもの。そのおいしさを味わうには、提供されてから一気に食べきってもらえるとうれしいです」
それが、原田さんのかき氷論。かき氷をこよなく愛する原田さんだからこその、アドバイスです。
「かき氷は食事」1日に4〜5杯は食べる
プライペートでは年間1800杯、店で出す試作の試食を含めると、軽く年間2000杯はかき氷を食べているという原田さん。
「基本的には、かき氷が食事代わりなので。いわゆるごはんをまったく食べない日は、週3.4日ありますね。かき氷は同じお店で2.3杯食べることもあれば、何件かハシゴする日も。夜はあまり食べないので、昼にたくさん食べます。常に新しいフレーバーを食べるというよりは、行きつけの店もだいたい決まっていて、好きなものを繰り返し食べます。フルーツ全般が多いですが、その日の気分でナッツ系やしょっぱい系のものも食べますよ。最近ではホント、フレーバーが豊富なので選ぶのも楽しいです」
毎日かき氷……飽きたりはしない?の問いには、
「しないですね。ご飯食べる行為に飽きる人っていないじゃないですか、それと同じです。休みの日には、かき氷を食べに遠方に行くことも楽しみです」
名店のかき氷を食べるときに気をつけたいこと
「夏になると、かき氷の名店って行列を作って並んだりしますよね。でも、炎天下で小さな子を連れて何時間も並ぶと、お子さまの体がもたないことも心配です。子どもさん連れでゆっくりしたいママは、ぜひ猛暑を過ぎた秋口ごろの来店を狙ってください。氷が溶けるのも夏場に比べると遅いので、ゆっくり食べられます。炎天下のなか並ぶよりは、はるかに子どもにもやさしいですしね」
自宅でもできる、おいしいかき氷レシピ
子ども連れだとなかなか真夏のハイシーズンに行列に並ぶのは難しい。そこで原田さんに「自宅にある材料でもできる“至極のかき氷”」について教えていただきました。
\みたらしみたいな味で美味しいです!/
おしょうゆ黒糖みるく
しょうゆ、練乳、牛乳、黒蜜を「いいあんばい」で混ぜるだけ。牛乳としょうゆは常備している家庭が多いはずのなので、練乳と黒蜜を買いたすだけで、大人も子どもも楽しめる味に!
\大人の味!甘酒がいい仕事してます/
甘酒といちご
冷凍いちごと甘酒をミキサーにかけてシロップ状にしてかき氷にかける。ガムシロップやレモン汁を入れてもさっぱりして美味しい。いちごは夏はあまり出回っていないので、冷凍いちごを利用して。
\パイナップルの甘みとバジルの苦みが絶妙/
バジルとパイナップル
スムージーをつくるのと同じ感覚で、ガムシロップと冷凍パイナップルをミキサーにかけてシロップ状に。生のパイナップルを添えるとよりジューシーなる。仕上げにバジルや大葉の葉を刻んでのせると、一気に大人の味に。
鮮度が命、それがかき氷。ふわっふわで奥深い味わいのかき氷を楽しむ日は、おしゃれしていいお店に行くのと同じく、子どもはパパに預けてじっくり向き合いたい。
次回は原田さんオススメの全国のかき氷店をご紹介します。
→かき氷の女王・原田麻子さんが教える!死ぬまでに訪れたい名店5選
原田麻子さん
1983年神奈川県生まれ。多摩美術大学卒。大学生時代に京都で出会ったかき氷に感動し、以来、かき氷のトリコに。大学卒業後はOLとして働きながらもかき氷を食べ歩く。2015年に「マツコの知らない世界」に出演。2016年に自身プロデュースのかき氷店「氷舎mamatoko」を東京・中野にオープン。
「かき氷を食べることが、私の人生。それしかしていないんで……ほんとつまんない人間なんです(笑)」
取材・文/松崎愛香 撮影/斉藤純平