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■「カレーライス」は日本だけの料理?

書物に初めて「コルリ(Curry)」と記されたのは福沢諭吉の頃のことだとか。イギリスを通じて日本の海軍に渡ってきたカレーですが、インドのカレーはあまりとろみがないのだそうです。船の上は波でとても揺れますので、こぼれないようにする目的があったのでしょう。 そういったことから、「カレーライス」自体はイギリスにもあります。実際に「Curried rice」という言葉もあるのですが、スパイスをはじめとした味付けを日本人好みにした「カレーライス」は、もはやインド料理でもイギリス料理でもなく、日本独自に進化したものといえるでしょう。 ちなみに、インドではご飯でカレーを食べるのではなく、パン生地のようなナンで食べると考えている方もいるかもしれませんが、それは広いインドの中でも北インド地域だけで、南インドではほとんどナンは食されないとのことです。 最近は本場のカレーとナンを提供する店も多く見られますが、だからといってそれがインド全体ということでもないようですね。

■全国にある「ご当地カレー」

こうして独自の発展をし続ける日本のカレーは、さらに地方によってまだ独特のテイストにアレンジされています。ほんの少しだけですが、各地のご当地カレーを見ていくことにしましょう。 ・スープカレー 札幌といえばスープカレーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? スパイスの利いたスープに大きめの野菜がたっぷり入っており、さすがは北海道の大地の恵みを生かしたカレーともいえるかもしれません。 ・よこすか海軍カレー カレーが海軍由来ということは前述のとおりですが、横須賀では町をあげて、海軍カレーを提供するルールを決めているとのことです。昔の海軍が規定したレシピ通りに作っていることもルールの一つで、共通したルーが使われているのも特徴といえるでしょう。 ・金沢カレー 首都圏をはじめ各地にチェーン店を展開し、ご当地カレーの中でも大変人気のあるのがこれ。黒っぽくどろっとした濃厚なルーがキャベツの千切りと一緒に乗せられているのが特徴です。ステンレスの皿で提供され、食べるためのスプーンも先割れというこだわりようです。

■日本人はカレーのアレンジが多彩

ご飯と一緒に食べるだけがカレーではありません。カレーパンはもはやパン屋さんやコンビニで見かけない日はないのではないでしょうか? 寒い季節にはカレーまんも提供されますよね。カレーコロッケにカレーうどん、ドライカレーなどその種類は数えきれないほどあることでしょう。 それだけ日本人がカレー好きということが浸透している証拠といっても過言ではないでしょう。

■まとめ

お昼にカレーだったけど、家に帰ったらまたカレーだったというシーンを体験した方も多くいるのではないでしょうか? こうして見てみますと、それだけいかにカレーが日本人の中で欠かせない存在になっているかがお分かりになることでしょう。 今晩はニンジンとジャガイモを使って、こうしたトリビアを頭の中で思い浮かべながらカレーを作ってみてはいかがでしょうか?