2018.01.10

身近な所から“サイエンス・ワールド”へ旅立とう!

【この記事は、CHANTOママライターによるウェブ限定記事です】

                       

ライター名:外山ちえ子

 

科学は『遊び』からまず学ぶべし!

皆様はいわゆる『理系女子』でしょうか?『文系女子』でしょうか?私は中学・高校時代『生物や化学の勉強は好き』でも『物理や数学が嫌い』という生徒でしたので、理系の道には進んでいません。しかし物理・数学嫌いが克服できていれば獣医学部に進学したかった科学実験大好き少女でございました。

私が小学生時代には『学研の科学』という学習雑誌が発行されていて、毎月科学雑誌と共に科学工作・実験キットが付録として付いてきました。この付録を使って遊ぶのが大好きで、おそらく私の科学実験大好きな素地はこの学習雑誌の影響が大きかったと思います。

科学のわくわく感を是非息子にも体験させたいと思いましたが、残念ながら『学研の科学』はネット限定復活、かつ少々お高めの料金設定で、庶民が気軽に手を出せない教材になりました(涙)。ですから息子は身近で気軽に体験出来る科学実験・工作教室等に極力参加させています。もっとも息子はTVで「でんじろう先生」の科学実験番組が放映されると夢中で見ているので、自ら進んで参加したがるのですが…。

現在、月謝制の私設スクール等による科学実験教室等もありますが、安価で手軽に質の高い科学実験イベント等に参加できた機会が色々ありましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

 

公共・民間施設の公開講座は王道

東京の科学技術館を筆頭に、日本各地に点在する公共及び民間の科学館・技術館等では、定期的に子供向けの実験教室や科学工作教室が開催されている事が多く、こまめにこれらの施設のWEBサイトや広報誌をチェックする事が面白い科学イベントを発掘する近道です。しかし公共・民間施設の科学実験・工作イベントは、事前予約や先着順の参加申し込みが大半ですので、面白そうなイベントは早くに定員枠が埋まってしまう事も多いです。よって学校の長期休暇中及び大型連休期間の利用を想定するなら早めに情報収集及び予約をすると安心です。

我が家では居住市内に通称「サイエンスドーム」という科学館があるので、こちらを主に利用しています。

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写真の「コマ」は前述施設の科学工作教室で作成したものですが、CD-Rにビー玉を付けただけの単純な作りでも、回すと色の見え方が変わる、奥の深いコマだったりします。このように簡単でかつ勉強になる内容の実験・工作が月替わりで企画されているので、我が家ではサイエンスドーム行きが雨の日の週末レジャー先として候補に挙がる事が多いです。

 

大学や高専等、学術機関の催しも見逃せない!

科学実験・工作教室は、大学や高等専門学校(略称:高専)でも年に数回程、子供向けの科学実験・工作イベントが開催されている事が多いです。傾向として、小中学校の長期休暇に合わせて企画する、または学園祭等の催しの一部として開催する学校が多いように思います。(中には地域の小中学校の要望に合わせて科学実験教室を開催する大学や高専もあるそうです。)

私は最近ですと、居住市内にある東京工業高等専門学校(略称:東京高専)の「サイエンスフェスタ」というイベントに息子と参加してきましたが、子供が夢中になるワークショップや実験・工作等が色々企画されていて驚きました。

写真はその時ワークショップで作成した珍しい立方形スタイルの万華鏡です。これが見る角度によって不思議な映像が見られる何とも不思議で面白い万華鏡なのです。ワークショップを主催された東京高専の先生のお話によると、2枚の合わせ鏡ともう1枚の鏡を用いた反射の性質を利用した現象で、このような不思議な映像が見られるとの事でした。

作成方法ですが、鏡面ボードを6枚用意して、表面に電動工具で絵や模様を入れます。そして絵や模様に色を付けてから6枚の鏡面ボードが立方体になるようにセロテープで貼り合わせて出来上がりです。鏡面ボードの3枚は、覗き窓用に三角にカットされているので、このカットされた覗き窓から中の映像を見るのです。

通常万華鏡は筒の中に3枚の鏡面を三角柱状に貼り合わせたものを利用することが多いので、このタイプの万華鏡を見慣れた方には、立方体型万華鏡の独特な不思議映像にはきっと驚かれると思います。

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(左より『万華鏡外観』、『電動ニードルで模様彫り』、『万華鏡内側の映像』)

なお、大学の理系学部や技術者育成教育で著名な高専は『男子ばかり』というイメージがあるかもしれませんが、最近は『リケジョ』を目指す女子学生さんも多数在学されていますので、女の子でも臆することなく参加して頂きたいです。実際、東京高専では女子学生さんの方が男子学生さんより説明上手で息子も大満足でした(笑)。

息子はこの日、万華鏡の他にも竹とんぼや割りばし鉄砲の作り方を学生のお兄さん&お姉さんに教わり、沢山工作の作品を抱え、ご機嫌で帰途につきました。

大学や高専の科学実験・工作教室のメリットは、年若い学生さん達の姿から、将来目指す進路の指針や、学習のイメージがリアルに掴める所にあると思います。実験や工作も、内容によって未就学児から参加可能なものから、小学高学年から中学生向けの、ある程度理科の知識を必要とする高度なものまであります。

お住いの近くに大学や高専がありましたら、WEBサイト等の情報をチェックして、科学実験・工作教室の開催告知があれば是非親子で参加してみることをお勧めします。

 

『宇宙の学校』は学習内容が特濃!

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私の一押しは、地域の主催団体と『JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙教育センター』、『NPO法人子ども・宇宙・未来の会(略称:KU-MA)』などが連携して開催している『宇宙の学校』です。

宇宙の学校は、家族で楽しみながら実験工作を行う「家庭学習」と年に複数回、同じ宇宙の学校の参加者が集まって実験工作に取り組む「スクーリング」を組み合わせた社会教育支援プログラムです。

平成29年は全国50か所で開催予定されていたこのプログラムですが、私の居住市でも募集があり、応募・当選を経て、6月から11月の合計3回のスクーリングに親子で参加してきました。(本当は全4回の予定でしたが、10月の回は台風で中止になってしまい、3回完結になりました。)

この宇宙の学校は、JAXA宇宙教育センターの協力、および協賛・協力企業に著名な製造系メーカーが名を連ねるだけあり、学習プログラムの質の高さ及び教材のクオリティには驚くばかりでした。そしてスクーリング時はプログラムの進行サポートに理系大学の現役学生さん及び科学館ボランティアさん達が大勢参加して、子供達の実験・工作をしっかりアシストしてくださいました。この内容充実のプログラムを参加費2,000円で体験できるとは信じられませんでした…神価格ですよ…。

さて、宇宙の学校のプログラム内容は以下の通りです。

 

《6月:第1回目》

・開校式(関係者挨拶、受講ガイダンス等)

・ホバークラフト作成

《9月:第2回目》

・大気圧を体感しよう

・実験各種(真空状態の実験、空気の重さの測定、熱気球作成等)

《11月:第3回》

・コマの性質を知ろう

・葉脈標本でしおり作り

・家庭学習成果発表会

・閉校式

 

第1回目に家庭学習用テキストとレポート用紙が配布されるので、スクーリング以外にも家庭で学びの機会を作る事が出来ます。そしてこの家庭学習用テキストが非常に充実していて、30種のテーマが紹介されたテキストでした。このテキストは学校の理科の学習内容と関連のある題材が取り上げられていて、大人が読んでも面白い内容にまとまっていました。我が家もこのテキストを参考に夏休み等に科学実験や工作を楽しみました。

(ちなみに、テキストではアイスクリーム作りやバター作りも『実験』として紹介されていました。)

スクーリングでは、私にとっては理科の授業を思い出させる楽しい実験や工作を行う事が多かったです。

一例として第2回目のビニールの熱気球作りをご紹介しますと、大きめのビニール袋の口を一か所小さく空けておき、この周りに折り紙で空気の吹き込み口を作ります。これにドライヤーの空気を吹き込むと、温められた空気は軽いので熱気球は浮き上がるという簡単な仕組みです。しかしこれが、子供達大勢が大部屋で飛ばすと圧巻です!天井付近が熱気球だらけで息子含め、子供達が「飛んだ!飛んだ!」と大フィーバー状態でした。

真空空間の学習では、マシュマロを真空管の中に入れて、徐々に空気を抜いていくとマシュマロが大きくなっていき、空気を戻したとたんにぺちゃんこになったので子供達は驚いたり笑ったり、本当に楽しそうでした。

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(左より『ビニール袋の熱気球』、『真空管の中で膨らむマシュマロ』『空気で飛ばすスポイトロケット』)

 

第3回目には家庭学習の成果発表があるので、家庭学習の様子を写真や絵を使ってレポート用紙にまとめて、お友達の前で発表を行います。息子が選んだテーマは「氷釣り」で、氷に塩を入れると重い氷でも釣れた!という内容でまとめ、当日一緒に学んだ子供達の前で緊張しながら発表しました。

特筆すべきは、親子同伴が基本であるこの宇宙の学校へ、お父さん方の参加が非常に多かったことです。普段は子供のお供で公園に行ったり、イベント等に出かける時は、どちらかというと渋々出かけていた私の主人も「俺が子供を連れてくよ!」と積極的にエスコートに名乗りを上げた程です。理由を聞くと「だって面白いじゃん!」との事。主人は理系男子(現役エンジニア)ですが、科学実験・工作は大人になった今でもわくわく出来るのだそうです。

先日無事今年度の宇宙の学校が終了したのですが、息子は「来年も行きたいけど行っていい?」と次の回を楽しみにしていますし、まだ体験していない家庭学習用テキスト掲載の実験等を時間のある時に挑戦したりしております。

もし読者の皆様の居住地域で宇宙の学校の開校予告がありましたら、抽選参加制ではありますが、まずは応募してみることをお勧めします。参加が実現したら、親は学生時代にタイムトリップした気分が味わえて、子供は未知の発見を楽しめます。この醍醐味を是非親子で体験して頂きたいと思います。

 

『リケダン』『リケジョ』を日本が必要としている!

最近、子供達の「理科離れ」が取り沙汰されていますが、これは技術立国である日本にとって、『研究者・技術者が減る』=『良い製品が作れない、国際ビジネスにおいて他国に勝てない』等、由々しき問題とのこと。技術立国日本の地位を保つためにも、優秀な研究者や技術者が更に必要で、いわゆる「リケダン」「リケジョ」(理系の男女)を国をあげて育成していかなければならないという事が良くニュースにも挙げられています。

特に日本は現在、先進国の中でも女性研究者・技術者の割合が極めて低く、文部科学省などは積極的に女性研究者・技術者の育成支援策を打ち出しています。また多くの企業でも、産業を支える優秀な女性技術者の離職を回避すべく、出産・育児と仕事が両立できるように様々な施策を打ち出している所が多いです。今後、貴重な人材である女性研究者・技術者は、社会でとても大事にされる兆しが見られます。

現在日本の女性研究者・技術者が少ない要因として、昔は「『女子が理系の道に進むと苦労しそう…』という固定観念で、親が文系進学を勧めていた」、「元々女子用玩具に理系の玩具(電子ブロックやラジコン等)が少ない」「女性は仕事より家事育児に専念すべきだという世間の風潮」等のバックグラウンドが考えられています。しかし、時代は変わりました!もし娘さんが理系分野の勉学に興味を持たれたら、親御さんは大いに応援してあげましょう!!私の友人のリケジョ達も、家庭を持った後もイキイキと働いていて素敵ですよ♪

我が家の息子も今のところの夢は「宇宙飛行士」だそうですので、夢が変わらなければ理系の進路に進むと思いますが、今はとにかく科学を「楽しむ」ことで、今後本格的に学んでいく理数系学習の基礎を固めて欲しいと思っています。

ちゃんと 編集部

働くママ向けのメディア『CHANTO』の編集部。月刊誌『CHANTO』で掲載された記事や編集部が独自に取材した記事をご紹介します。