2019.08.03
子どもの体調不良や学校行事で早退するときや、時短制度や休日出勤の免除…職場それぞれに、働くママへの配慮があるのは助かりますよね。でも周りの同僚たちは、本当はどう思っているのでしょうか? 普段は何もコメントしない職場の同僚男性が、ポロリと漏らしたひと言に〝本音〟が見えました。
■「いいですね、優遇されていて」(咲希/33歳/メーカー勤務)
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育休復帰して4か月、子どもの体調不良でもう10日間も会社を休んでいます。1歳の息子は風邪をひくとすぐに中耳炎になってしまい、朝は元気に保育園に行ったのに2時間後には「39度の発熱があるので、迎えに来てください」と、呼び出されることも。
そんなときは同僚に仕事を引き継いで帰らなきゃいけないので、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。先日、そんな私に追いうちをかけるように、後輩男性が言ったんです。
「早く帰れていいですよね、優遇されていて」
「優遇」という言葉が、胸にグサッと刺さってきました。たしかに私が受けているのは「優遇」なのかもしれません。けれど、改めてそれを同僚から言われると「やっぱり私は社内では疎まれている存在なんだな」と思ってしまいます。
早退しても、もちろん遊んでるわけじゃない。小児科に連れて行ったり看病したりと、本当はすごく大変なんですけどね。
■「どうにか出勤できないもんですかね」(康恵さん/35歳/接客業)
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夫も私も祝日勤務があるため、子どもを預けなければいけません。でも、祝日って基本的に認可保育園はお休みなんです。幸い私が住んでいる区には「祝日には数園だけ開園」する制度があるので、そこを利用したり。
それがダメなら都内に住む母親に来てもらったりと、なんとか出勤できています。でも同僚ママのAさんは預ける保育園もなく、遠方に住む両親からに手伝ってもらうこともできません。しかたなく、祝日のシフトはお休みを希望しているようなんです。
ゴールデンウィークなどで祝日が続くときには、ほとんど休まないといけません。本当にしかたない状況なのですが、ある男性社員が「Aさん、また祝日休んでるね。どうにか出勤できないもんですかね…」と、べつの社員に愚痴を漏らしていたんです。
「ワーママの現状を理解してもらうのはまだまだ難しいな」と思いました。お金持ちであればシッターを頼んで解決できるのかもしれませんが、丸1日あずけると軽く1~2万円超え。庶民には現実的ではありません。そんなモヤモヤを抱えながら、いつも祝日の仕事をしています。
■「みんな見習うべきことなんだから」(佳子さん/36歳/マスコミ勤務)
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私がいるマスコミ業界は、働き方改革によって休日は確保されたものの、長時間勤務や徹夜が続くことが多いんです。それでも、出産するまでは当然のように激務をこなしていました。ところが産後に職場復帰してみると、働き方がガラッと見直されていたんです。
今後は短時間の勤務ですが、最初はどんなに頑張っても仕事が終わらず、同僚に引き継いで帰ることも多かったんです。でも徐々に「お迎えに間に合うためには、どうやって効率をよくすればいいんだろう」と考えるようになって、ムダな作業を省くようになりました。
そのせいか、先輩男性に「負い目を感じることはないよ。ママ社員の効率いい働き方は、みんなが見習うべきことなんだから。出産してもこれだけ働けることを証明したのはすごいことだと思うよ」とほめられたんです。
これまでは、会社に迷惑をかけていると思い込んでいたので、その言葉に感動して涙が出てしまいました。いまは「私の働き方が、いつか出産する後輩のためになるんだ!」と、前向きに仕事をしています。
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立場が違う人を理解することは、とても難しいことです。ましてや「働き方に関する理解」となると、なかなか難しいことも。自分の仕事を誠実に一生懸命することが、周囲からの理解を得る唯一の方法だと思います。
ライター:佐藤まゆみ
マスコミ系の会社に勤務。保育園の年長を筆頭に3人の子育てに奮闘するママ。外面はサバサバ&ハキハキだけど、内面は「モヤモヤの宝庫」!〝宝”の持ち腐れにならないよう、惜しみなく発信してきたいと思います!