2018.10.30
2021.03.24
「離婚する」というのは、人生の一大決心。妻として母として、この選択が本当に間違っていないのか、何度も心に問いかけるもの。それでも「別れざるを得ない理由」とは、どんなことなのでしょうか? 今回お話を聞いた妻たちの「理由」は、驚くものばかり。離婚を決心した当時の心境も合わせて聞きました。
私の入院中に家事育児を放棄 (のんさん/40代/主婦)
主人の収入が少なくて家計が厳しく、家事育児をしながらパートをしていました。ところが、数年前大きな病気にかかってパートを辞めることになりました。主人が仕事をしながら協力してくれたとはいえ、もともと家庭に協力的な人ではなかったので、家事育児で無理をした私は入退院を繰り返すことになってしまいました。
そんな入院中のこと、他県に住む妹が手伝いに行ってくれたときに、子どもたちが泣いていると連絡がありました。「お父さんが夜遅く帰ってきて晩御飯がなかった」「朝ごはんも最近食べていない」「お金はお父さんが持っているから食べ物が買えない」とのこと。お金も置かずに夜も遅く帰り、食事の準備もしていない。お腹が空いたと訴える子どもにキレ、洗濯もしていない状態だったようです。
さすがに私も驚いて主人と病院で話をするとに。すると主人は「別れたい」と。理由を聞くと、「自分は働いて帰ってくるのが仕事。家事や育児まで面倒みきれない」「自分の時間が欲しい」「食事や生活の準備ができていない家に帰りたくない」「お前は病気だけど、あいつは元気で家事もできる」と。
あいつ…? そう、家事育児を放棄して帰宅しなくなったばかりか、私がいない間に浮気してその相手の家に入り浸っていたことを白状…そのひと言で離婚を決意しました。
主人は出ていき、いまは残された家に私と子どもだけで住んでいます。私の身体がすっかり良くなることはありませんが、無理をすることがなくなりなんとか入院することなく生活ができています。子どもの笑顔も戻り、つましい生活ながらも新しい人生を歩んでいます。
体型がユルんだら「結婚詐欺」と言われ…(ももさん/35歳/事務員)
遠距離恋愛を経て結婚した主人と子どもと、幸せな結婚生活を送っていました。外に出て仕事をしている以上、見た目には気をつけるようにしてきましたが、もともと太りやすい体質だったこともありいつしかオバさん体形に…ジムに入会しましたが体力が続かず挫折、それでも食事にも気をつけて努力していました。
ところが、ある頃から主人の言動が変わりはじめました。「デブ」「ブス」から始まり、「連れて歩きたくない」とまで…私なりに頑張って、独身時代の体形にかなり近づいてきてはいたんです。腹が立ってしばらく口も聞かなかったんですが、仲良しの保育園のママからある情報が入りまして…旦那が街中を若い女性と歩いていたというのです。しかも、腕を組んでイチャつきながら!
日ごろの言動も含め、さすがにキレて問い詰めると、旦那は悪びれることもなく「だって見た目が変わりすぎだよ。これじゃまるで詐欺だろ…別れてくれないか?」とのこと。本当にあっさりでした。旦那だって決して見た目が良いわけではなく、お腹も出始めたおじさん体形。
「自分だって!」と反論したかったのですが、開いた口がふさがらず一気に怒りが覚めてしまい…そこからスピード離婚。傍から見たら、つまらない理由なのかもしれませんが、私にとってはとても大きな理由でした。「人を見た目だけで判断してはいけない」と、子どもにはしっかり教えていくつもりです!
海外にいるはずの夫がなんと…隣町に(ねこすけさん/40歳/会社員)
主人は海外へ出張に行くことが多く、日本に帰国するのは1年に数か月程度。私も仕事があるのでついて行くのは難しく、離れて生活していました。だから、知らない物が増えていたり、別の匂いがしたり、長期で家を空けるなんてことも普通のこと。でも、ふと気がついてしまったんです…主人宛の郵便が届かなくなってきていることに。
光熱費関係の請求書は届くのですが、ショップからのDM、税金、その他の手続き関係などの郵便が一切届かず。マンションを購入しているので、固定資産税の通知は届くはずなのですが、それも届いていなかったので、心配になって税務署に連絡して聞いてみることに。
すると、「奥様ですね。ちゃんとお送りさせて頂いていますよ」とのこと。「手違いで捨ててしまったのかもしれないので、再送していただけませんか?」と伝えると、「わかりました。ご住所は◯◯町の…◯◯さんで間違いないですか?」と、自宅とはまるで違う住所を読み上げるではないですか!
間違いなく登録されているというその住所は、隣町のもの。「確認してみます」と電話を切り、その住所へ行ってみました。バルコニーには男女の衣類が干してあり、見覚えのある服もありました…そう、主人は浮気相手の家にいたのです。現在は海外への出張も少なくなり、日本にいる方が多いとのこと。その相手とは、もう数年も一緒に住んでいるとのことでした。
相手と別れる気もないという主人。その後、離婚して自宅マンションを慰謝料としてもらいましたが、疑ってもいなかっただけにショックは大きく、立ち直るまでに時間がかかりました。いまは小学生の息子とふたり、なんとか落ち着きを取り戻しつつあります。
驚きの離婚を乗り越えて、力強く前に進み始めた妻たち。彼女たちの未来に幸あれと願います。
ライター:恩田有起
自宅で、仕事と介護をしながらライターとして活動中。大学生と中学生の子を持つ二児の母。マイブームはひとりカフェ。ipadや手帳を持ち込んで、まったりと作業することがなによりの贅沢。最近の悩みは、カフェスイーツを食べずにはいられないこと。