ビーストモード発動中の私に義母が発したセリフ

しかし、頭ではわかっていてもそこは産後のビーストモード発動中、理性より本能が勝る、野生スイッチが入った新生児の母親です。

 

妊娠中や産後の大変な時期に言われた酷いことは忘れない、とよく経産婦の友人たちと話します。私が義母に言われて忘れられないのが、

 

「女の子で本当に良かった!これで男の子だったら(女の子の孫も欲しいから)もう一人産まなきゃいけないわね」

 

という言葉。これ、ほかのママさんからも結構な確率で「うちも同じこと言われた!」(あるいは、次は女の子/男の子産まないとね!と言われた)と聞くんですが、なんですか無神経な祖父母のテンプレなんですかこれ。どこの闇の祖父母学級で必修なんだというレベル。

 

母は、大声で何度でも言いたいのです。産まれた子の性別に貴賤なし!!

 

男5人だろうが女10人だろうが、産まれてみればもれなく全員かわいい!!

 

次は男の子がいいとか女の子が欲しいとか、腹を痛めて命がけで産む人に向かって言うならば、無礼討ちで切り捨てられても文句は言うなよ??

 

…当時は勇気がなくて義父母には言えなかったことを、今さら全世界に向けてネット上で吠える同居嫁でした。

 

とどまることを知らない義母発言

しかし、まぁともかく結果的に、二人目が娘で義母にあれこれ言われずに済んだ…と胸をなでおろしたのも、もはや11年前のこと。

 

つい先日、義母から耳を疑うような言葉が飛び出したのです。

 

「また赤ちゃん抱っこしたいわぁ。もう一人くらい産んでもいいんじゃない?」

 

そしてこの十数年の間に、初々しい二十代の若妻からアラフォーへと変身を遂げた同居嫁は答えました。

 

「無理です。(私が)死にます。無理です」

 

言いたいことはハッキリ言う。妙に期待を持たせない。私もまた、同居生活の中で、NOと言える嫁パワーを日々鍛え上げているのです。

 

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文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ