2019.10.28
嫁にとって、近くて遠い〝他人〟の代表といえば「姑」ではないでしょうか。お互いに気を使っているから、言いづらいことはなかなか言えずじまい。かと言って、察してくれることを期待してもまずありえない…。我慢の限界がきた嫁たちが〝直球勝負〟に出てみました。果たして、その意外な結果とは?!
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■「帰ってください」とは言いづらい状況で…(雅恵さん/37歳/作業療法士)
長女を出産したころのことです。母が病気で入院してしまったので、里帰りではなく自宅で育児を開始しました。慣れないなりにがんばっていたのですが、問題は近くに住む姑。毎朝8時にやってきて、そのまま旦那が帰宅するまで居座るのです。
里帰りできなくなった私を案じてくれているだけに、邪険にもできません。授乳をするにもお風呂に入れるにも、そしてウトウト昼寝するのにもどうしても気を遣ってしまって。さりげなく「お義母さんも忙しいでしょうし…」と伝えてみたのですが「気にしないで!」とまったく響きません。
そんな生活が2週間続いてとうとう限界がきてしまい、泣きながら「すみません。私が悪いんですけど、人がいるとくつろげないんです」と伝えました。すると姑は「やだ! そうだったの!? ごめんごめん、帰るね」とあっさり帰ってくれたんです。
それからも過干渉気味なのは変わらないのですが、少しだけ配慮してくれるようになりました。そのときはただ必死でしたが、回りくどい言い方をせず率直に伝えたことで、角が立たなかったのかなと思います。
■事実を隠さず伝えて気持ちを説明(三実さん/29歳/看護師)
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娘を妊娠したとき、切迫早産で入院しました。出産前日までつわりが続き、早産となったあげく胎盤異常で緊急帝王切開に。やっと生まれたと思いきや、娘は低体重児でNICUに入ることになり、かなり壮絶な出産体験になりました。
その状況を詳しく知らないとはいえ、産後の翌日に産院でさっそく「2人目はどうするの?」と聞いてきた姑に辟易。妊娠前からしつこく「子どもはまだ?」と言っていましたが、まさかこんなにデリカシーがないなんて。
今後もずっと言われそうで、苦痛としか思えません。そう思った私は、辛かった出産の一部始終を説明したんです(ちょっぴり盛りましたけど)。そして最後に「だから、2人目を作るタイミングは自分で決めたい」と伝えました。
すると驚きながら「そ、そうよね、ごめんね。大変だったわね」と言ってくれました。「血が大量に出て…」と言ったときの、真っ青になった姑の顔がいまだに忘れられません。事実を伝えるって説得力がありますね。
■旦那が「専業主夫」することを説得(夏未さん/34歳/理学療法士)
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わが家の旦那はいわゆる「専業主夫」。会社が傾きかけたので、さっさと見切りをつけて辞めてきました。ちょうど私の仕事が忙しくなり、家事や育児を一手に引き受けてくれたのです。幸い家できる仕事も見つかって。おそらく今後も私が外、旦那が家にいるスタイルが続くと思っています。
ところが姑は一時的なものと信じて疑わず、「いつ仕事にもどるの?」「夏未さんはいつお仕事を辞めるの?」と聞いてくるのです。最初こそ「そのうち…」とごまかしていましたが、さすがに1年も経つと限界。
そこで、旦那と一緒にわが家の現状を伝えることにしました。最初は受け入れられない様子の姑に、2時間かけて説明。「最近は家でもできる仕事があるから、主夫になる人も増えているんです」から始まり、最終的には「うちのライフスタイルだから口出ししないで欲しい」と。
賛成してくれることはありませんでしたが、いちおうの納得はしてくれました。その後、姑とはうまくつきあえています。言い過ぎたかと心配していましたが、ハッキリ伝えられて良かったです。これで姑の前でも堂々と、旦那に家事を頼むことができます(笑)。
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筆者の姑は「ここはゴミ袋が有料だからもったいない」と、わが家のゴミを持ち帰って自宅で捨てていました。さすがに「お義母さん、それは嫌です」と、ド直球で伝えてやめてもらいましたけれど…(笑)。不満はストレートに伝えるほうが、お互いのためなのかもしれませんね。
ライター:矢島 みさえ(心理士/子育て支援アドバイザー)
精神科の心理カウンセラーとして勤務しながら、恋愛コラムライターとして活動中。スクールカウンセラー、児童相談所、精神科、教育相談などでの勤務経験を持ち、恋愛テク系のコラムから真面目な夫婦の関係~セクシャルトークまで幅広く執筆中。