2019.09.13
世間でいう嫁姑問題とは無縁、「姑とは上手くいっている」と思っていた嫁たち。姑の見返りを求めない優しさや、実の娘のようにかわいがってくれることに、いつも感謝していました…でも、ある日。その行動のすべてが「老後の面倒を見てもらうため」だったことを知ってしまったのです! 嫁たちのモヤモヤをお聞きください。
■本当の親だと思って甘えてね(麻理子さん/30歳/派遣)
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両親を早くに亡くした私のことを、姑はいつも気にかけてくれていました。結婚したときに言ってくれた「これからは私があなたの母親よ。あなたも本当の親だと思って私に甘えてね」という言葉は、いまでも忘れられません。
いつ遊びに行っても、温かい笑顔で「おかえり」と声をかけてくれるし、どんな些細な悩みであっても真剣に向き合ってくれます。あまり母親と過ごした記憶がない私にとって、姑は思い描いていた〝理想の母親〟そのものでした。
だから先日、初めて姑に「私もお義母さんのことを本当の親だと思っている」と伝えたんです。いままで照れくさくて言えなかった気持ちをやっと伝えることができた満足感に、私が浸っていると…次の瞬間、姑が思わぬ言葉を口にしたんです。
「じゃ、老後はお願いね」
意表を突かれて「え!?」と言うと、「親を介護するのは当然でしょ」と返ってきました。まさか、これが狙いだった…? 姑には本当に感謝していますし、介護するつもりもでいましたが、このタイミングで本人から念押しされるとは思わず…なんだかモヤモヤしています。
■老後のための〝先行投資〟だった?(里香さん/34歳/パート)
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結婚当初お金がなかった私たちのために、結婚式費用のほとんどを姑が負担してくれました。家を買うときもすすんで資金援助を申し出てくれ、本当に助かったんです。さらに孫ができたときは必要なものを一式そろえてくれ、継続的に資金援助をしてくれています。
そのたびに「何かお返しをさせてください」と言っていたのですが「家族の間でそんな気を遣う必要ないのよ。黙って甘えていなさい」と言ってくれていました。まさに〝お金は出すけど口は出さない〟理想的な姑だと思っていたんです。
しかし、そんな無償の愛かと思われた姑の行動にも、ある思惑があったようなんです。義実家でいつものように姑と話していると、話の流れで「私の老後は里香さんが面倒を見てくれるんでしょ?」と聞いてきました。
私にも両親がいるので即答できずにいると「あなたたちにいくら投資したと思っているの?」と…数々の支援は〝老後の先行投資〟だったのです! 「無償の愛」なんて、世の中に存在しないのかもしれませんね。
■手紙の返事は〝恐怖のひと言〟(陽子さん/28歳/パート)
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『結婚したとき「あなたなら大歓迎よ!」と優しく私を抱きしめてくれたお義母さん。
私の母が亡くなったときも、私が泣き止むまで背中をさすり続けてくれたお義母さん。
旦那の浮気が発覚したときは、私以上に怒り、一緒に解決策を考えてくれたお義母さん。
私が育児に疲れて弱ってしまったとき飛んできてくれて、泊まり込みで手伝ってくれたお義母さん。
つたない料理を「おいしい!」と褒めてくれ、たくさんの愛情を注いでくれたお義母さん。
そんなお義母さんが大好きです。
辛いこともたくさんあったけど
〝ここまで〟結婚生活を続けてこられたのは、お義母さんがいたからにほかなりません。
本当にありがとうございます』
これは姑の60歳の誕生日に、私が書いた手紙です。そして後日、姑から届いた手紙にはひと言、こう書かれていました。
『それでは〝これから〟の結婚生活は、私の老後のために続けてください。期待しています』
えぇ~、なんかモヤモヤするんですけど!!
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優しいお姑さんになにか恩返しをしたい気持ちはありますが、あからさまに見返りを求められるとモヤモヤしてしまいますよね。それでも「お義母さんのことが大好き」という妻たちの笑顔には、一点の曇りもありませんでした。お姑さんたち安心してください、わざわざ言わなくてもきっと老後は安泰ですよ(笑)。
ライター:葛西 明
人材派遣及び、人材紹介を行う会社に勤めるサラリーマン。求人募集の文章を書くのが楽しいと感じて以来、ライターとしても活動中。家事が苦手な妻と結婚後、気付けば兼業主夫になっていることが悩み。