2019.08.16
夫婦喧嘩は犬も食わぬと言いますが、よその夫婦喧嘩ほど見ていて面白いものはない!? うっかり姑と舅のバトルに居合わせちゃったママたちが見た「ウチよりヒドい」その内容とは?
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■煮込みハンバーグの悲劇(里美さん/31歳/販売員)
主人の実家は同じ市内にあり、子ども2人を連れて月に一度は帰省しています。よく食卓にのぼるのが、主人が子どもの頃から好物だという煮込みハンバーグ。いつも通り夕食をいただいていたときのことです。舅のシャツの袖にケチャップソースが飛んでしまいました。
「だから煮込みハンバーグは嫌だって言ったじゃないか! 毎度毎度バカのひとつ覚えみたいに!」と突然、舅の怒号が響きます。子どもと私は目を丸くして驚きましたが、姑は怒鳴られ慣れているのかちっとも動じません。
「だって、かわいい息子が孫連れて帰ってくるんだから、好物を用意したいじゃない! 文句があるなら食べないで!」と反撃。「大人になったいまじゃ好物でもなんでもねーよ! 本人に聞け!」
視線を一身に受けた主人は「いや、子どもの頃は好きだったけど…」とモゴモゴ。実は大人になったいま、すでに好物ではなくなっていたようです。泣き崩れる姑。
私は「いや、私も子どもたちも大好きですから」と必死に慰めましたが、結局姑は部屋にこもってしまいました。とても気まずい夕食となりましたが、翌月行くとやはりメニューには煮込みハンバーグ。「このケンカ引き分け!」と思った瞬間でした。
■そのケンカ、年季入ってますよね(公子さん/34歳/営業事務)
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義父は物知りな人で、妙なウンチクをたくさん知っています。姑の還暦の祝いの席でも、「宇宙のはじまり」など、祝いの席にまったく関係のない話を延々としていました。姑が肘でつつきながら「そのへんにしといてよ」と釘をさしますが、子どもたちにいろいろ教えてあげたい義父はやめる気ゼロ。
「毎晩遅くまで、ずっとテレビでこんな番組ばっかり見てるの。こっちは眠れやしないわ」とため息をつきます。すると一気に空気が険悪に。「なんだよ、お前は向上心が足りなさすぎる! だいたいこんな田舎で車の免許も取らずに自転車ばっかり乗って…進歩がない!」と、義父は話題を変えて夫婦ゲンカをふっかけます。
「ちょっと言い過ぎ…」と仲裁に入ろうかとしたそのときです。義母も負けずと「ふんっ。あんたの稼ぎが悪いからこっちは働き詰め。免許取る時間もなかったのよ!」と応えます。このケンカ、かなり年季が入っていそう…。
幸いにも義母へのお祝いの真珠のネックレスを渡すと、2人とも「きれいじゃないか」「ありがとうねえ」と機嫌がなおりました。下手に首を突っ込まなくてヨカッタ〜!! 冷や汗がでました。
■「大人の卒婚」はうまくいく?(麗良さん/36歳/ネイリスト)
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うちの義両親は話題の「卒婚」カップル。離婚はしていないものの、お互いに干渉しあうことなく個々の人生を歩んでいます。早期退職した舅は田舎へ引っ越し野菜作りにはげむ日々。一方姑は、地元でフラワーアレンジメントの講師をしています。
月に1回、ときには数か月に1回程度しか会わないふたりですが、「顔を合わせる時間は宝物」とラブラブです。夏休みに入り、姑にくっついて私たち家族も舅の田舎ライフを覗きに行くことになりました。着いたのは古風な木造住宅。子どもたちは土間や縁側に興奮気味です。
突然、姑の金切り声が響きました。かけつけると、台所には舅の姿…と、隣にはあでやかな美熟女。「この女、誰よ?!」とすごい剣幕の姑。舅は「ご近所さんだよ。わざわざ鹿肉のおすそ分けに来てくれたんだ」
それでも「さっき腕にしなだれかかっていなかった?」「どのくらいの頻度で来るの?」と姑の追求は止まりません。結局、夫の提案で、双方の家にスカイプとウェブカメラを設置。
お互いに24時間、相手の生活を見張れるようにすることで合意しました。卒婚は、世間で言うほど簡単じゃなかったみたいです。
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夫婦のことは夫婦にしかわからないと言いますが、たまになら仲を深めるのに小競り合いも必要なのかもしれません(笑)。いずれにしろよその夫婦喧嘩には深入りせずに、そっと陰から見守るに限りそうです。
ライター:秋元 一花
フリーライターとして活動中の現役主婦。大学卒業後に、うっかりブラック企業に入社。その後、実家の会社に拾われ、両親には頭が上がりません。結婚後は、夫の転勤と共に退職。現在は1歳の子どもと格闘しながら2人目を望んでいるものの、1人目の出産の恐怖が忘れられず、ときどき夢でうなされています。