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育児と介護が同時に襲い来る「ダブルケア」壮絶な現実と〝妻たちの限界〟

コミュニケーション

2019.07.29

女性の結婚・出産年齢が上がり、兄弟や親戚の繋がりも希薄になった昨今。子育てと親の介護を同時の「ダブルケア」をする妻が増えているようです。体力的にも精神的にも疲弊して、家計も貯金も不安だらけ…壮絶な日常と偽らざる本音ついて聞いてきました。想像を超える現実とは?

 

 

iStock.com/PIKSEL

■「要介護」の舅を残して姑が…(美穂さん/29/パート)

子どもが産まれてすぐ、舅が脳出血で倒れました。幸い一命はとりとめたのですが、下半身と右半身に重篤な麻痺が残ったんです。「姑ひとりに介護をさせるのは心苦しい」という旦那の要望もあり、わが家で義父母との同居が始まりました。

初めての育児と初めての介護を一緒にやるのは、想像以上に大変なことでした。定期的に体勢を変えてあげないと、褥瘡(じょくそう)という床ずれのようなものができてしまいます。高齢とはいえ、現役時代は土木業を営んでいた舅はとても大柄で、少し動かすのもひと苦労。

さらに下半身の麻痺のせいで排泄コントロールができないので、いつも垂れ流し状態でした。息子のおむつ交換ならへっちゃらなのに、舅のおむつ交換はどうしても慣れることができません。

それでも姑がいてくれたので、分担しながらなんとかできていたんです。しかし先日その姑が、介護ノイローゼで鬱状態になり戦線離脱。「あとはお願いします」と、自分の家に帰ってしまいました…「要介護度4」の舅だけを残して。

放っておくわけにもいかないけど、私の気力と体力も限界…どうしたらいいのか、今後のことを考えて眠れない日々が続いています。

■自分が「最低な人間」になっている(有希さん/34/パート)

iStock.com/akiyoko

旦那は姉が5人いる、6人兄弟の末っ子。姑は5年ほど前に病気で他界しているので、必然的に私たち夫婦が舅と同居することになりました。第一子が生まれて間もなく、舅のパーキンソン病が悪化。介護が必要な状態になってしまったんです。

経済的な問題から施設に入れることができなかったので、在宅介護を余儀なくされました。自分で動くことができない大人と、自分ではなにもすることができない息子を抱えた生活は、想像を絶するものでした。

体力的にも精神的にももちろん辛かったのですが、さらに現実的な問題も…それは医療費と介護費。通院やヘルパーさんに払う費用だけで、月に10万円以上かかってしまいます。かといってこの状態でフルタイムの仕事はできず、家計は赤字続きで貯金も底を尽きてきました。

本当に「最低なことを言っている」と、わかっていますが…。

先の長くはない舅のために、息子の未来のためのお金が消えていくことに、疑問を感じるときもあります。心身の疲れはもちろんですが、どんどん醜い人間になっていく自分と向き合うのが、怖くて仕方ありません。

■まさかの「トリプルケア」で崩壊寸前(裕子さん/32/パート)

iStock.com/ljubaphoto

子どもが3歳になったころから、女手ひとつで私を育ててくれた母の認知症が悪化。「ダブルケア」が始まりました。実の娘のことすらわからなくなってしまった母を残念に思いながらも、精一杯介護していたんです。

しかしそれから1年後、舅が亡くなったショックからか、姑も認知症を発症。旦那はひとりっ子のため、姑の介護も私がやらなくてはいけません…まさかの「トリプルケア」です。仕事が終わると毎日、母と姑の家を行き来する生活が始まりました。

嘆いていてはなにも始まらないので、つねに前向きに明るくふるまうようがんばっていたんです。でもその状態のふたりの母が、感謝なんてしてくれるわけもありません。それどころか、毎日のように罵声を浴びせられ、物を投げつけられる日々。

悪気がないとわかっているのですが、さすがに心がまいってしまって。子どもも寂しさからか日に日に荒れていき、5歳とは思えないような汚い言葉を吐くようになってしまいました。この先、私たち家族がどうなっていくのか、不安でたまりません。

iStock.com/PIKSEL

どちらかだけでも本当に大変な「育児」と「介護」が同時期にやってきた妻たち。その壮絶さは体験した人でないと理解できないものでしょう。少子高齢化が進む日本で、向き合わなければならない現実。目をそむけるのではなく「わが家だったら」を想像することが、家族を守る第一歩なのかもしれません。

 

 

ライター:葛西 明
人材派遣及び、人材紹介を行う会社に勤めるサラリーマン。求人募集の文章を書くのが楽しいと感じて以来、ライターとしても活動中。家事が苦手な妻と結婚後、気付けば兼業主夫になっていることが悩み。

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