2019.06.26
子どもに期待をかけすぎた親が、思い通りにいかない結果に見舞われたとき…さまざまな悲劇が起こりがちです。今回お話を聞いた妻たちによると「姑が孫を使って〝子育てのやり直し〟をしていて困惑している」とのこと。自分の子どもでうまくいかなかったことを、孫でリベンジする姑たち…いったいどんなことをしているのでしょう?
■自分の息子の〝身代わり〟はやめて(真子さん/34歳/派遣事務 )
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高学歴の旦那はいわゆるエリートで、一流企業に就職していました。でもストレスをため込んで身体を壊し、いまは小さな会社で働いています。新しい仕事は旦那がずっとやりたかったことなので、以前よりも生き生きと働く姿を見て、私は安心していました。
ところが姑は、この状況をどうしても受け入れることができない様子。ハッキリと口には出しませんが、「せっかく一流大学を出たのに、どうしてこんな小さな会社に勤めているの…」とため息ばかりついているのです。
そこで〝身代わり〟のターゲットとなってしまったのが、5歳の娘と2歳の息子。英語の教材や知育玩具を大量に買い与えたり、いい塾があると言ってパンフレットを送ってきて「あの先生は、すばらしいそうよ」と勧誘してきたり。
やんわりやめて欲しいと伝えても「小さいうちからやっておくと絶対いいから!」と、話を聞いてくれません。正直、どこの営業電話よりしつこいです。息子が思い通りにならなかったからって、孫でリベンジするのはやめてください!
■「おばちゃんみたいになっちゃだめよ」(穂波さん/37歳/調理師)
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旦那のお姉さんは、控えめでとてもやさしい人。派手なことを好まず、物腰もやわらかで気配り上手なんです。うちの娘もこんなふうに育つといいな、と常々思っていました。
いっぽう明るくサバサバしたタイプの姑は、自分と真逆な義姉があまり好きではありません。私たちの目のまえで「ハッキリ言いなさいよ」「もっとチャキチャキ動きなさいよ」と、いつも小言を言うのです。
ある日、それを見ていた5歳の娘が「おばあちゃん、やめなよ! おばちゃん困ってるよ」と姑を制したことがありました。姑はビックリしていましたが、かえって「ハッキリ言うところが気に入った!」と見込まれてしまったよう。
それからは娘に会うたびに、義姉の小言を並べたて「おばちゃんみたいになっちゃだめよ」と、イヤミたっぷりに言うんです。娘は迷惑そうにしているし、義姉は申し訳なさそうにしているし…本当にやめて欲しい!
■武器のおもちゃで「男らしく!」(沙耶さん / 31歳 / 証券会社員)
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旦那は料理や掃除が得意なので、わが家では家事は完全分担制。ところが姑はこれが気に食わない。「なんで男のくせに、嫁の尻に敷かれてるの! 情けない!」なんてハッキリ言われたこともありました。
それだけならまだいいのですが「パパのような弱い男になってはいけない」と、息子にやたらと戦隊ものの番組を見せています。ときには姑みずから、おもちゃの剣を構えて息子の相手をするほど。男らしく育ってほしいと必死なんです。
ある日、従姉妹に誘われて息子がままごとをしていたときのこと。「そんなの、男の子がやっちゃダメ!」と、怒鳴る姑。「それくらい、いいじゃないですか」と抗議をしてみたのですが、「ダメ! あの子も昔そうだったの! 悪い芽は早いうちに摘み取らないと!」と。
でも残念ながら、旦那をリスペクトしている息子は、グングン旦那に似てきています。姑もそれに薄々気づいているのでしょう。先日は小包で大量の武器のおもちゃが送られてきましたい…「もっと戦わせろ」ということなんでしょうかね(笑)。
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「育児のリベンジ」も迷惑ですが、周りの人を否定する姿を見せるのはよくないこと。子どもにとって、大好きな人や親を否定されるのは、とても混乱することです。姑に言いづらいのはやまやまですが、ここは譲ってはいけません! きちんと話をしてくださいね。
ライター:矢島 みさえ
心理カウンセラーとして勤務しながら、ライターとしても活動中。オタクな母と同じ道を歩まぬよう、2人の娘には、王道のアニメしか見せていなかったにも関わらず、長女は創作活動、次女はマイナー路線への道を歩み始めていることに、少し頭を悩ませています。