2019.03.12
最近話題の「子連れ出勤」。復職の時期は迫るけど、保育園は常に定員超えで入れるかどうかもわからない…そんなママにとっての救世主になりうるのか、注目を集めています。いっぽう〝男性陣〟の考えには、違和感を感じているママも多数。「子連れ出勤OK」の会社に勤める夫と、この話題について話し合ったときの予想外の反応とは?
当事者意識はどこ行った?!(えりこさん/32歳/育休中)
部署は違うものの、夫婦そろって同じ会社に勤務しています。息子が生後7か月になり、私の復職時期が近づいてきました。そんなとき人事部から「子連れ出勤制度開始のお知らせ」というメールが届いたんです。
ちょうど私が復職しようと考えていた時期から、わが社でもスタートするという内容でした。「へー! ニュースでは聞いてたけど、うちの会社でもやるんだ!」と驚いていました。
旦那が帰宅し、そのことを報告すると「そうなんだ、いい制度じゃん。うちも利用しようよ」と大賛成。私が「ありがとう! さっそく明日にでも人事に電話して詳しく聞いてみるよ」と言うと「え? ありがとうって?」とキョトンとしています。
「いや、子連れ出勤って言っても、別にラクなわけじゃないから…」と言うと、「そうかもね。まぁどうするかは、自分で決めたらいいよ」って…どうやら、「子連れ出勤」は自分には関係ない話だと思っているようです。
人事部に確認したら「パパでも大丈夫ですよ」とのこと。明らかに旦那は私が利用すると思っているようなのですが、制度を使うかどうかは自分で決めろと言われたので、「夫婦で交互に利用するつもりだ」と人事には伝えておきました。
そんな器用なことできない(しょうこさん/35歳/企画職)
テレビで子連れ出勤について耳にしたときのことです。「なるほど、これなら保育園を利用しなくても済むよね」と夫婦で話題になりました。ところが…その後の話の流れが納得のいかないものになっていったんです。
私が「でも通勤ラッシュの電車に、子どもと乗るのは無理があるよね…」と投げかけると、「女性専用車両なら空いてるんじゃないの?」と旦那。
「これ実現させるためには、職場の環境をだいぶ整える必要があるよね」と言えば「俺の部署は関係ないなー。男ばっかだし」なんて発言ばかり。
「さっきから、子連れ出勤=母親がするって決めつけてない?」と問いかけると、「え?そりゃそうだろ」ってあっさり言い切られました。「なに当たり前のことを言ってるんだ」とでも言いたげな反応に爆発寸前。
あげくの果てには「仕事しながら育児なんて、俺そんな器用なことできないわ。通勤中くらいひとりでゆっくりしたいし」ですって。思わず「子連れ出勤に器用さ関係ないわ!」と声を荒げてしまいました。
逃げられて不安しかない(かなこさん/32歳/育休中)
私が住んでいる地域は保育園の超激戦区。先輩ママたちが「保育園だめだった…これからどうしよう…」と口を揃えているのを、何度も目の当たりにしていました。
わが家も保育園を考える時期を迎え「もし落ちたら…」と不安になっていたとき、ふと旦那の会社に「子連れ出勤制度」があることを思い出したんです。
私 「そういえばあなたの会社、子連れ出勤OKよね」
旦那「そうらしい。キッズスペースもあるよ」
私 「よかったー。それじゃ万が一の時も安心ね」
…胸をなで下ろした、そのとき
旦那「お前の会社も子連れ出勤できるんだっけ?」
私 「うちはできないよ」
…すると旦那の表情が一変し「いやいや、なに言ってるんだよ! 俺だって無理だって!」と、全力で拒否。
「父親はダメって決まってるの?」と尋ねると、「そういう訳じゃないけど! とにかく無理なものは無理!」と話を打ち切ってしまいました。
子連れ出勤が大変なのは分かるけど、子育ては二人でするものなのに一方的に拒むなんて…なんだか保育園も復職も、この先、不安しかありません。
本格導入されるためには職場環境や周囲の理解なども含め、まだまだ問題が山積の「子連れ出勤」制度。少なくとも「母親のための制度でしょ」という当事者意識のかけた夫を増産して、ママの負担がさらに増えるような仕組みにならないように願っています。
ライター:楠 ゆず
娘と夫、茶トラの猫の3人+1匹で暮らすフリーライター。思い切ってマンションを購入し、ローンパラダイスへ突入中。幼児教育にハマってしまい、興味をもった教材は手に入れないと気が済まない。おかげで家には教材の山が…。断捨離欲と収集欲の葛藤に悩む日々です。