2018.10.31
浮気一発、即離婚! そんな選択をする妻・できる妻は、思いのほか少ないのが現状のようです。浮気をされても結婚生活を続けるのには、一体どんな理由があるのでしょう? そこには「別れれば全てリセット」というわけにはいかない、結婚のしがらみや複雑さ、人間模様がありました。
この安定を手放せるわけがない(温子さん/40歳/接客業パート)
繰り返し浮気する夫と別れないのは、夫の経済力が理由。要は「お金」それだけです。独身時代、極力いい条件の男性と結婚するため、努力と苦労を重ねて手に入れたいまの夫。高学歴・高収入・高身長の「三高」で、親類縁者からはとにかくうらやましがられていますし、正直、自分でもイヤミなくらい圧倒的な「勝ち組感」を周囲に振りまいています。
夫とはいつからかすれ違いが起き始め、気づいたときにはお互い冷め切っていました。もともと遊び人だったので、顔が広く女友達が多かったこともあり、複数の女性と関係をもっているようで…そのことに気づくのに、時間はかかりませんでした。わかったからといって結局、何かが変わるわけでもなく…たいした学歴や職歴もないので、いま独りになったら生きていける自信なんてありません。
夫が理由をつけて外出や外泊をするのにも上手にだまされてあげて、その間私は私で浮気しています。向こうも多分気づいてるんだろうなぁと思いながら、この安定した生活を手放せません。私にとって、浮気は浮気、家庭は家庭なんです。
来るべき「Xデー」に備え臥薪嘗胆(真衣さん/36歳/コンビニ店員)
夫の浮気に気づいて2年、あやしい女の影に悩まされながら、なんとか日常生活を維持しています。子どもが思春期の多感な時期なので、離婚するなら下の子が大学に進学か社会人になるタイミングかと。「いつかこの恨みを晴らしてやる」と、いまは我慢のときです。
たまに爆発しそうになったりする心境は、最近もはやマイブームになりつつある、「夫の浮気の証拠集め」で憂さ晴らし。浮気相手との連絡の履歴や、外出日時、クレカの利用記録などなどを溜め込み、来たるべき「Xデー」に備えています。もちろん、万が一に備えて、データのバックアップも欠かしません(笑)。
「家事がなってない」「育児がダメ」といびられてきた姑にも、夫の浮気の証拠を突きつけたときの顔が目に浮かびます。
いまはただただ、「虎視眈々と反撃の機会をうかがう」感じでしょうか。子どもたちが将来、社会人になったら、集めに集めた証拠の数々を大放出して離婚してやります。もちろん、可能な限り、搾り取ってやるつもりです(笑)!
長い間の共依存関係で判断が鈍っている(結さん/25歳/看護師)
旦那が好き過ぎて、離婚をためらっています。浮気されるのはつらいけど、いつも「最後は私のもとに返ってくる」と信じ、最終的には許してしまっています。
「結婚しているのは私」「ナンバーワンは私」というプライドがじゃまをして、なかなか離婚に踏み切れないんです。旦那とは中学生のときからつき合いであることも、別れられない要因だと思います。浮気されるたびに怒って離婚届を突きつけますが、申し訳なさそうに謝る旦那を見ているとかわいそうになってしまって…。
友だちからはいつも「もっといい人がいくらでもいる」ってあきれられてますし、職場の同僚もだいたい同じ反応…浮気されるつらさを聞いてくれたり慰めてくれたりするのは嬉しいし、言われることもわかっているんですが、やっぱり旦那を批判されるとイヤな気持ちになってしまうんです。
「わかってはいる」とは言っても、結局根本的にはわかっていないのでしょうか。旦那に浮気されて、すぐに離婚したり訴えたりする人の気持ちが、私にはイマイチわかりません。
浮気をされても、結婚生活を続けたい妻・続けざるを得ない妻…そこには愛があり、情があり、そして打算があり。これらを知ってか知らずか浮気を続ける旦那たち。はたして勇気があるのか無謀なのか。真実は、神のみぞ知るところなのかもしれません。
ライター:山下 朝起
嫁と娘に、我が家を占領されつつある、零細企業の営業マンライター。最近、嫁の離乳食熱がすごく、娘の食費のほうが高い! と気付いてしまいました(笑)。溺愛する娘のパパ見知り開始に怯えながら、毎日を懸命に生きてます。