2018.10.20
2021.03.24
離婚が簡単にできないことはわかっているけど夫への我慢は限界、それでも離婚できない苦しい状況…妻たちの「離婚のハードル」を上げているものは何なのでしょう? 事情が複雑に絡み合って「ひとつ」どころではない悩みの中でも、「いちばん悩んだこと」について、シングルマザーに聞きました。
よく熱を出す子ども…仕事はどうする?(菜穂さん/31歳/保険営業)
離婚したのは子どもが2歳のとき。当時、悩みに悩んだのは、やはり子どものこと。まだ小さかったし、すぐ熱を出す子だったんです。当時はパート勤務でしたが、そんなときは恐縮しながら休んだり、早退させてもらったりする日々…そんな状況のまま離婚したら、収入も激減するのは目に見えていました。
そして私は、離婚を検討し始めたことを機に、誘われていた保険営業へ転職。ここでは子どもがいるママたちの多くが普通に、熱を出した時には休み、保育園から呼ばれては帰って行くんです。
それなのに、上司からはお小言どころか「小さいうちは熱出すのは当たり前なんだから、なにも気にすることはないよ」と言ってくれるほどでした。
子どもが元気な日は懸命に走り回り、収入面も安定。離婚へのハードルは高かったですが、職場に恵まれたことで離婚を決意することができました。
不安はズバリ、お金のことです(綾さん/29歳/事務職)
旦那は現場の仕事で、収入が少ない月もしばしば。生活費の柱は私の収入でした。家計は赤字続きだったのが現実。旦那の給料の一部を生活費に充て、残ったお金は子どもの教育資金に貯蓄する…という流れでした。
「離婚したい」と思ったときにいちばん悩んだのは、その時点での「貯蓄のなさ」。つまり、今後の生活費と子どもの教育資金です。それまでは旦那の収入を足してなんとか回せていたものの、なくなるとなるとどこを削るのか…考えあぐねていました。
それでも旦那のことがイヤで仕方なかった私は、結局その状態のまま離婚して、子どもとふたりの生活を始めたんです。ところが思いのほか、旦那がいなくなることで出費が減ったことと、母子手当もあったことで想像以上の余裕ができたんです。
残ったお金を貯蓄する「後取り」もやめて、給料の一部を教育資金として「先取り」にすると、いままで以上のペースで貯蓄もできています。当時はお金のことばかり心配していましたが、私の場合は実際離婚してみると、意外ですが幸い「そんなに悩まなくてもよかったかな?」という感じです。
「子どもの姓を変えるか」は大きな問題(晶子さん/41歳/経理事務)
シングルマザーが多くなったとはいえ、もちろん両親がいる家庭が大多数。それを思ったときに、離婚したら「子どもが学校でいじめられるのではないか」「子どもに問題が起きるのではないか」と不安に思いました。
「姓をどうするか」も大きな問題のひとつ。私は旧姓に戻したいと思っていましたが、苗字が突然変わったことで、子どもが友だちになにを言われることか。予測もつきません。
「離婚したい」と思ったとき、子どもはまだ幼稚園の年少さん。私自身は短時間のパート勤務でした。「離婚したいけどやっぱりできない」と悩み続け、子どもが小学生に上がると同時にフルタイムで再就職。その翌年、離婚が成立ました。
姓のことはずいぶん悩みましたが、「子どもも一緒に旧姓にして、別の学区に引っ越しする」ことに。明るく社交的な子なので、幸い新しい学校でもたくさん友だちができ、前の学校の友達とも連絡を取りあったりして仲良くしているみたいです。
離婚してからようやく5年。いまのところは何の問題もなく、順風満帆に親子ふたりの生活を楽しんでいます。
「案ずるより産むが易し」という言葉がありますが、幸いにも3人のシングルマザーたちは、悩みを乗り越えて順調な再出発を果たしているようです。とはいえ逆に、想像だにしていなかった問題が後から起こることも…人生に、一歩踏み出す勇気は必要ですが、慎重に前向きに進んでいけることを祈っています。
ライター:武田みゆき
女の子と双子の男の子、三人の育児に励むシングルマザー。旦那を見切って、保険のお仕事と、医療・美容コラムのライターのお仕事を兼業中。毎日、一進一退中!? 働くママ、がんばります!