「母性のコンステレーション」とは


「この人には父親になった自覚がない!」「私はどんどん母親になっていくのに、夫はあいかわらず子どもっぽいまま」…というママの嘆きには、男女の出産後の心理的変化の違いも大きく影響しています。

 

実は、女性には、出産後の数か月でそれまでの人生で築いてきた価値観をすべてリセットし、子育てを前提とした行動様式・人間関係を一から作り上げるというとても大きな精神的変化が起こります。 この価値観のリセットと再構築は、アメリカの精神科医D.N.スターン博士によって提唱されたもので、心理学上「母性のコンステレーション」と呼ばれています。 この「母性のコンステレーション」によって、それまで一番の興味関心の相手だった夫は、出産を機に、育児にかかわるサポーターの一人として位置づけられます。

 

このように、女性にとっては出産を機に見える世界がガラリと姿を変えるのに対し、男性には特に大きな肉体的・精神的変化が起こらないため、赤ちゃんが生まれても、自分が育てる側に立ったという自覚が生まれにくく相変わらず妻に甘えてくる、世話をしてもらおうとする…という面が目立ってしまうわけですね。

 

「母性のコンステレーション」による心理的変化が、産後の夫婦の気持ちのすれ違いや、最悪の場合離婚にまで至ってしまう「産後クライシス」の一因だとも言われています。

 

大きな子ども→父親になるには?


多くの男性は、子どもの頃から母親に色々世話をしてもらってきたため、女性に世話をしてもらうことは当然の権利とだとらえています。

 

少しずつ社会情勢も変わってきてはいますが、いま乳幼児を育てているママたちの両親は、まだ学校でも「男子は技術、女子は家庭科」会社では「男性の育児休暇などありえない」という世代でした。

 

そんな環境の中ですっかり「ガキ夫」が定着してしまった夫に、成熟した家族の一員へと成長してもらうためには、どうすればよいのでしょうか?