2018.08.02
2021.03.01
夫は外で働いて稼ぎ、専業主婦の妻が家計を掌握して、夫の一切を管理する…いわゆる「夫をATM扱いする」典型的パターンはこんな風。でもこれって、専業主婦に限ったことではないようです。「共働き家庭版・夫はATM」について聞きました。
家事育児、一切手伝わずにプラモ作り(佳苗さん/36歳/飲食店勤務)
5歳の息子がいて、とにかく「何かを作ること」が大好き。ブロックや、積み木や、折り紙など、一度始めると夢中になってしまいます。でも、我が家で「作ること」に没頭するのは、息子だけじゃなく…。
プラモデルが趣味の旦那。一度手を付けると、ずっとやり続けているんです。作るのは、中学生が夢中になるような戦車、飛行機の模型ばかり。塗料やコーティング剤などにも、すごくお金をかけています。
趣味はないより、あるほうがいいと思います。私がイラ立つのは、そのおかげで旦那が家事や育児をまったく手伝わないこと! 仕事に行っているか、趣味のプラモデルを作っているかのどちらかで、いくら「手伝って欲しい」と言っても聞く耳を持ちません。
趣味に没頭している間は静かで、いるかいないかもわからないくらい。ちょっとでもじゃますると、逆ギレして…子どもと変わらないんです。最近では、「アレは生活費を引き出すATM」だと思うようにして、怒りを鎮めています。
旦那は「投資資金を調達」するためのATM(美咲さん/37歳/会社員)
いいかげんでつかみどころがない旦那。気楽な面もあるのですが、困ってしまうことも。結婚当初から、生活に必要なお金の管理を一切しないんです。ちょっとでもお金を持たせると、わけのわからないものを買って散財してしまう…結局任せきれずに、お金の管理はすべて私がしています。
うちは娘がふたりいるので、将来の養育費などを考えると少しでも貯蓄しておきたいじゃないですか。低金利のいま、ただ貯金をするだけでは不安を感じ、最近は株の取引きも始めました。他にも良い運用手段がないかと、金融情報に目を光らせるように…投資はいまや、私の趣味といってもいいかもしれません。
救いは、旦那が稼いだお金は全額渡してくれること。自分の給料と併せて費用を管理して、余剰金で次はどの株に投資しようかと考えると、楽しくて仕方ありません。そう考えると旦那は、投資資金を調達するありがたいATMかもしれません。
都合のいい時だけ遊び「イクメン」と言い張る(晶子さん/35歳/介護士)
6歳の息子と、4歳の娘がいます。やんちゃざかりの息子は、びっくりするようなイタズラばかり。娘も真似をするので、私では手がつけられないこともしばしばで、気力と体力を消耗します。
そんな子どもたちは、パパと遊ぶのが大好き。旦那も楽しそうに遊んでくれています。…なんていうと「イクメンでいい旦那」と思われるかもしれませんが。実は家事は一切しないし、仕事から帰ってもスマホゲーム三昧。
私が家事を片づけて、ようやく子どもたちの相手をしてあげられる頃になると、旦那もとってつけたように顔を出して子どもたちと遊び始めます。私が家事をしているときにこそ子どもの相手をして欲しいと思うのですが、ひとりで子どもたちに立ち向かう気はないようで…。
保育園の準備や、食事の用意、洗濯、掃除、その他全部の家事は私がやっているので、「なにか手伝うか、家事をしている間に子どもと遊んで欲しい」と、何度も言っていますがおかまいなし。それどころか、この状態でも「俺は立派なイクメンだ」と言い張る始末です。
イライラしても子どもたちに良くないので、「旦那の役目は2つだけ」と思うようにしています。ひとつは子どもたちを喜ばせること、もうひとつは「生活費と養育費を引き出すATM」。そう考えるようにして「いないよりはマシ」と自分に言い聞かせています。
専業主婦のケースに比べて、共働きの場合は「家事・育児への不参加」「なすべき役割分担を果たせていないこと」への不満が背景にあるようです。夫へのイライラをおさめるべく、「あれはATM…」と自らに言い聞かせる…そんな切ない姿が見えてきます。
ライター:芳野美穂