2018.06.29
2018.12.07
「妻のほうが夫より給料が高い」というケースは、いまどき珍しいことではありません。
高給取りの妻たちには、その立場ならではの悩みがあるようです…きっと心当たりがある方も多いはず。さて、そのお悩みとは⁈
「夫を立てろ!」姑からの〝勝手に忖度〟攻撃(志保さん/41歳/弁護士)
私の年収は、結婚当初から夫の3倍。それでも夫のことは大好きだし、私が夫を養ってもいいとさえ思っていました。
でも、夫の母親が家に来たある日のこと。その日、夫は仕事で息子は遊びに行っており、義母とふたりきりでした。
すると義母から「裕二があなたとの給料格差で悩んでいる。妻なら夫をもっと立てないとだめでしょ?」と、かなりの剣幕で怒られてしまったんです。
確かに、「夫はどう思っているんだろう?」とずっと気になってはいましたが、まさかお義母さんからそんなことを言われるとは…。
それから、毎回電話のたびに「仕事を減らせ」とか、「もっと家事や育児に専念しろ」などグチグチ言われ、頭を悩ませていたんです。耐え切れなくなった私はついに、夫に相談しました。
すると、なんと給料の話はお義母さんが勝手に言っているだけだということがわかったんです。夫は「志保には感謝しているし、仕事が好きなら今まで通り続けてほしい」と言ってくれたんです。
お義母さんには少し腹が立ちましたが、これは私たち家族の問題。いまもうるさい姑と闘いながら、仕事と家庭を両立しています。
夫が自信を喪失して、突然の「ニート宣言」(紗生さん/36歳/自営業)
結婚から3年程たったある日のこと。会社に行くはずの時間になっても、夫がベッドから出てきません。しびれを切らして夫を呼びに行くと、「会社辞めた」と衝撃の告白が。
いったん心を鎮めて話を聞くと…
「自分がどれだけ働いても、紗生の年収には程遠い」
「紗生の給料だけで食っていけるから、少し人生の休憩をする」というのです。
ほかにも、「紗生の関わっている人たちがすごすぎて、自分の無力さを感じる」など、弱音がたくさん出てきました。
早朝から不意に伝えられた、夫の「ニート発言」にかなり戸惑いましたが、「自分にも責任があるな」と反省した部分も。完全に自信を失った夫と、向き合っていくことにしました。
時間をかけて「あなたが必要だ」とか、「頑張って働くあなたが見たい」など、彼が失った自信を回復させるように努力した結果、いまでは新しい仕事を見つけ、元気に頑張っています。
前の職場よりもさらに給料は減りましたが、残業もなく、家事を率先して行ってくれています。もちろん、給与格差に悩まないわけではありません。でも、うちはこれでいいかなと、割り切ることにしています。
旦那の自信を取り戻すべく、家計管理の方法を見直し(光さん/37歳/広告代理店勤務)
いまの部署に異動になり、年収が旦那を上回りました。一方の旦那はというと、仕事がうまくいっていないようで…毎日不機嫌で、家族の会話も減ってきていたんです。
そんなある日、旦那から「美穂には、もっと見合った男性がいると思う」と告げられました。
「離婚」の二文字が頭をよぎるなか、話を聞いてみると「自分の給料が低いせいで美穂に苦労をさせている」とか「いっそ専業主夫になりたいけど、家事なんてやったことないからできない」など、劣等感からくる言葉の数々。
どうも私の年収が上がったことが、彼のプライドを傷つけていたようです。でも、いまの生活水準を下げるのには抵抗がありますし、仕事を辞めることもできません。
そこで夫婦で考えた結果、旦那の小遣い制を撤廃。毎月お互い一定の決まった金額だけを世帯に入れ、それ以外は各自で自由に管理するようにしました。狙いは、「家庭で使うお金の格差」をなくすこと。
それから、さまざまな工夫をしながらなんとか頑張っていますが、やはり夫の劣等感がにじみ出た背中を見ると、いまでも少し胸が痛くなってしまいます…。
妻は収入格差なんてたいして気にしていなくても、夫にとっては「実は、長年の大きなコンプレックスだった」ことを知り愕然とした…そんなケースはよく聞きます。男性は女性が思う以上に、プライド高きナイーブな存在なのです。
少しでも夫の自尊心を保てるよう、「あなたが必要」と大事に思っている気持ちを伝えたり、「家事を分担してくれて助かる」夫のいいところを言葉で伝えることが大切ですね。
ライター:葛西 明
人材派遣及び、人材紹介を行う会社に勤めるサラリーマン。求人募集の文章を書くのが楽しいと感じて以来、ライターとしても活動中。家事が苦手な妻と結婚後、気付けば兼業主夫になっていることが悩み。