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正社員妻が専業主夫を罵倒。夫の目には涙が…

コミュニケーション

2021.03.17

妻はバリバリ仕事、夫は主夫に励

夫たちが、専業主婦の妻に対して「暇なのに、どうして部屋が散らかっているの?」などと嫌味を言う話をよく耳にします。家事育児は、賃金の発生しないエンドレスの仕事なのに、その大変さをまるでわかっていないと女性たちは怒ります。では、立場が逆転するとどうなるの?バリバリ働く女性は、専業主夫をどう思っているのでしょう。

夫が自分から「主夫」になると宣言

都内在住のクルミさん(仮名=以下同・37歳)は、某大手企業で中間管理職として仕事をしています。

 

「誰に何を言われようと私は断言します。仕事大好き(笑)って。少しワーカーホリックなところはありますがもちろん人それぞれだから、みんなが仕事大好きになる必要はない。最低限のやるべきことだけをやる人がいてもいい。現に、うちの夫がそういうタイプだったから」

 

大学を卒業して就職した今の会社で、夫のヒデユキさん(37歳)と出会いました。部署は違いましたが、同期会で知り合って親しくなっていったのです。ただ、クルミさんは結婚するつもりはありませんでした。

 

「うちの両親、熟年離婚をしているんですよ。子どもの頃から両親の不仲がすごくイヤだったから、私は家庭なんてなくてもいいと思っていました」

 

つかず離れずの友だち関係から、一歩踏み込んだ関係になったのはヒデユキさんからのアプローチでした。

 

「つきあうのはいいけど、私の時間があるときだけね、って高飛車な返事をしました(笑)。でも、彼は受け入れてくれたんですよ。仕事がつらいときは愚痴を聞いてくれた。気づいたら大事な人になっていました。燃え上がるような恋愛ではなかったけれど、1日の終わりに彼の声が聞きたいと感じてしまったんです」

 

ただ、ヒデユキさんから「結婚したい」と言われたときは少し悩みました。子どもが欲しいという彼の思いを知っていたからです。自分には子育てはムリとクルミさんは言いました。でも彼は「自分が育てる」と言い張ります。

 

「どうなるかわからないけど、彼のことはなぜか信頼していたんですよ。だから、不謹慎ですがダメ元で結婚してみるか、という感じでした」

 

結婚なんてしてみないとわからないことも多いもの。チャレンジのつもりで結婚したのは、ふたりが29歳のときでした。 

子どもができたときの焦燥感

2年後、彼女は妊娠。ちょうどそのころ仕事が本当に面白くなってきたところで、子どもができたら仕事ができないと落ちこみ、マタニティブルーになってしまいます。

 

「夫が、『子どもが生まれたら、僕が退職して主夫になってもいいよ』と言い出したんです。ふたりであれこれ試算しました。共稼ぎでベビーシッターを雇った場合の費用や夫婦の心理状態とか。赤ちゃんを他人に預けるのだけは不安だよね、と。残業や出張が多い部署にいたこともあり、すでに私の収入は彼の収入を上回っていました」

 

出産と同時に、ヒデユキさんは退職。クルミさんを支えながら,家事に育児にとフル回転しました。もともと彼は料理や掃除が上手だったのですが、日常的にやるようになってさらに手早く、そしてコツをつかんでいったようです。

 

「私は産後数か月で職場復帰、残業も出張も以前と同じです。34歳のとき、もうひとり産みましたが、そのときはもっと早く復職。でもいつも言うんです。これがスタンダードじゃないからって、会社にもそう言っています。みんな事情が違うので、そこは考慮してくださいねって」

夫の世間話がウザい!この感覚こそ“まずい”かも

バリバリ働くクルミさんと、ふたりの幼子を抱えて奮闘するヒデユキさん。ひょっとしたら夫のほうがストレスたまるだろうな、と彼女は予測していたそうです。

 

「最近、夫がグチグチとつぶやくようになったんです。私が帰ると待っていたかのように夕ご飯を出しながら、テーブルの向こう側に座って、『今日はご近所の〇〇さんが、ゴミ出しの仕方がで文句を言ってね』とか、『駅前のスーパーより、向こう側のスーパーのほうが卵が10円安いんだよね』とか。どうでもいいことをずっとしゃべっている」

 

先日、クルミさんの仕事が佳境で余裕がなかったとき、「うるさい。くだらない話しないで!」と言ってしまったことで、夫は目を潤ませて「ごめん」と言ったそうです。

 

「ああっ…と思いました。これじゃ妻にモラハラする夫と同じじゃないか、って。うちは彼のおかげで家庭がうまく回っているのに。でも結局、そういうことなのかもしれません。人は立場や役割によって、抱えるストレスも似てくる。男だから女だからということではないんですね。反省の意味も込めて、次の日、夫の好きなケーキを買って、たくさん話しました」

 

これもまたDV夫がよく使う手ではないかと、クルミさんは思いを巡らせながら考えたそうです。

 

妻はバリバリ仕事、夫は主夫に励

主夫は帰宅後の妻に世間話したい

文/亀山早苗  イラスト/前山三都里

※この連載はライターの亀山早苗さんがこれまで4000件に及ぶ取材を通じて知った、夫婦や家族などの事情やエピソードを元に執筆しています。

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