2019.08.07
自分の妻をモデルにした写真に「#嫁グラフィー」というハッシュタグをつけ、SNS投稿するのが流行っているようです。例えばInstagramの投稿数は、すでに18.5k超え。一見、夫婦愛に溢れた行為だとも思えますが、被写体となっている妻たちは、実際どう思っているのでしょうか。複雑な心境を聞いてきました。
iStock.com/Sinenkiy
■どうか見られませんように(絵里さん/27歳/事務員)
旦那が私の写真を撮って、SNSにあげるようになりました。もちろん「#嫁グラフィー」というハッシュタグをつけて、です。私が、芸能人やモデルみたいなスタイルのいい美人だったら別にいいのですが、現実は決してそうではありません。
「嫁かわいい」とコメントをつけてくれる人もいますが、実際のところ顔はあまり写ってないので、なんだか切ない気持ちになります。その代わり、私の太い足やくびれのない腰まわりはばっちり、あらわになっています。
自分が見ても残念になるようなこの写真が、全世界に向けて発信されていると思うと、顔から火が出そうな気分です。旦那には何度か「やめてほしい」とお願いしたのですが、彼は「きみのすばらしさをひとりでも多くの人に見て欲しいんだ!」と鼻息荒く。
どうやら彼が飽きるまで待つしかないようです…どうか私の写真が、ひとりでも多く人の目に留まりませんように(泣)。
■せめて「いいね!」いただける投稿を(美紀さん/30歳/販売)
iStock.com/tsuchikure
旦那がSNSに私の写真をあげるばかりか、「#嫁きれい」「#嫁天使」「#世界一美しい」と、見ている人まで恥ずかしくなるようなタグづけをしてるんです。でもこれ、ほんと…痛々しいからやめて欲しい。
百歩譲って写真のセンスがあったり、上手に撮れたりするのならいいのですが、そんなものは1ミリもありません。素人の私が見ても「ダサい」と思う写真だったり、ぶれていたり、見切れていたり、いずれも最悪の仕上がり。
その写真センスのせいなのか、友だちの少なさのせいなのか、寒いハッシュタグのせいなのか、はたまたモデルのせいなのかはわかりませんが、「いいね!」が極端に少ないのも、微妙に下がるんですよね…。
先日あげた、お花畑で笑顔をキメる私の写真「#君の前ではお花畑も引き立て役でしかない」には、たったの4しか「いいね!」がついていませんでした。きれいなお花畑に申し訳なさすぎるわ!
■まずは自分の顔を晒して(しおりさん/28歳/パート)
iStock.com/Ljupco
もともとカメラが趣味だった旦那が、最近私を撮り出しました。しかもSNSにアップしているというではありませんか!! 撮られるのすらあまり好きではない私にとって、SNSにあげられるなんてもってのほか。
なんとかやめてもらえるよう説得しましたが、聞く耳を持ちません。聞けば「嫁グラフィー」なるものが流行っているらしく、流行に乗っかりがちな旦那が食いついたんです。でも、私からしたら「イケてる夫婦だぜ感」満々で本当に嫌なんです!
しかも写真を見ると、まるで私も「ノリノリで流行りに乗っかってるYO!!」的な仕上がりになっていて、どうにも痛々しい…しかも被写体となっている私のビジュアルは、決して美しいとは言い難いもの。
私の不細工な顔はばっちりアップしているくせに、私より断然不細工な旦那の顔は1枚もあがっていないのも許せない。妻を晒す前に、まずは自分の顔を晒しなさいよ!
iStock.com/Sinenkiy
流行りとはいえ、妻のことが好きでなかったら、写真を撮ってわざわざ投稿するなんてあり得ません。妻たちの気持ちも重々理解できますが、これはまぎれもない旦那さんからの愛情表現。もうしばらく、こそばゆい思いしちゃってください(笑)!
ライター:葛西 明
人材派遣及び、人材紹介を行う会社に勤めるサラリーマン。求人募集の文章を書くのが楽しいと感じて以来、ライターとしても活動中。家事が苦手な妻と結婚後、気付けば兼業主夫になっていることが悩み。