2019.07.09
結婚してからというもの、気の強い妻の尻に敷かれながらも、静かに耐え忍んできた気の弱い夫。そんな彼には面と向かっては「妻には言えない秘めたる不満」がありました。口に出してしまえば猛反撃にあうとわかって黙っていたのに、ひょんなことから怒りが大爆発して、ついに叫んだ妻への不満! 寡黙な旦那の決死の覚悟は、どんな結果を招いたのでしょうか?
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■「威厳を示す」どころか惨敗(智輝さん/39歳/会社員)
大阪出身の気が強い妻と結婚し、2人の子宝に恵まれました。2人の娘は見事な関西弁を駆使するようになり、どんどん口達者になっていきます。それにひきかえ、人としゃべることが苦手な私は口数が少なく、どちらかというと寡黙なほうです。
家では妻と2人の娘が楽しそうに関西弁で話していますが、いつも私は蚊帳の外。入る隙もないほど小気味よく飛び交う関西弁のリズムに、ついていけないのも悪いのかもしれません。でもまるで「いない存在」のように扱われるのが、苦痛でしかたありませんでした。
そんなある日、たまには父の威厳を見せようと「少し声が大きいぞ!」と言ってみたんです。しかし妻と娘たちは完全無視。勇気を振り絞って再び言ってみるも、またまた無視…これには私もう我慢ができません。「何でいつも俺を無視するんだ!」と、大声を張り上げてしまったんです。
(さすがにびっくりしたかな…)と、少し反省しながら妻を見ると、ケロッとした顔でこちらを見つめ「だってパパの話、面白くないんだもん」と…これに娘たちも大爆笑。もう、なんとも言えない気分でした。
■小遣い値上げは当分ない見込み(恵太さん/33歳/会社員)
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結婚したときに「月1万円のお小遣い」と決めたまま、8年経ったいまも小遣いは変わらず1万円のまま。私の収入も多少は上がっているはずなのに、わが家の〝経理担当〟には夫の小遣いをアップする発想はないようです。
しかしある日、とんでもないものを発見してしまったんです。それは居酒屋やレストランなど、大量の飲食店のレシート。「お子様ランチ」という品目があるのからして、妻が2人の子どもを連れてちょいちょい外食をしているのは明らかです。
「俺のお小遣いは上げないくせに、外でこんな贅沢をしていたなんて!」。腹が立って我慢できなくなり、レシートを持って妻のもとへ。そして「これはどういうことなんだ!?」と詰め寄り、ついでに再び小遣いへの不満もぶちまけました。
すると妻は言ったんです。「あんたが安月給なんだからしかたないじゃない! そんな交渉する暇があるなら、早く出世することを考えなさいよ。外食費は私の給料から出してるの! 文句ある?」。それ以上は何も言えなくなり、レシートを握りつぶすのが精一杯でした。
■たったひと言の「パワーワード」(健さん/45歳/会社員)
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妻は洗濯するとき、必ず私の洗濯物だけを除けます。しかも自分たちの洗濯物のときは水道水を使って洗うのに、私のときはお風呂の残り湯を再利用している様子。なんだか複雑な気持ちになりますよね。
さらに、お風呂に入る順番も決待っていて、私の順番はいつも最後。たまに最初に入ろうものなら、湯を捨てて入れ替えるんです。しだいに2人の娘たちも私のことを「汚い」と言うようになり…ある日、ついに我慢の限界を迎えました。
「おまえは俺をなんだと思っているんだ! さも俺が汚いもののように扱いやがって! 子どもの教育にも悪いだろ!」。興奮していたのでよく覚えていませんが、だいたいこんな感じだったと思います。
しかし怒り狂う私に対し、妻は冷静にこう言ったんです。「だって臭いじゃん」。そのひと言で全身の力が抜けてしまいました。なんという破壊力ある言葉なのでしょう…もう歯向かう気力もありません。
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妻の機嫌を損なわぬよう、長年溜めてきた不満の数々。意を決して妻にぶつけてみるも、一瞬で玉砕してしまった夫たちの無念を考えると、胸が痛みます。妻のみなさん、もしかしたらあなたの旦那さんは、長年言えないでいる小さな不満を抱えているかもしれません。旦那さんの心の声に、耳を傾けてあげてはいかがでしょう。
ライター:葛西 明
人材派遣及び、人材紹介を行う会社に勤めるサラリーマン。求人募集の文章を書くのが楽しいと感じて以来、ライターとしても活動中。家事が苦手な妻と結婚後、気付けば兼業主夫になっていることが悩み。