2018.11.07
保護者や地域の親睦を深めたり、得た収益を設備や行事に活用する目的の「保育園のバザー」。父兄みんなで協力しあい、子どもも大人も楽しめる恒例行事…のはずですが。手作りの品物を巡って、ハンドクラフトが得意な「ハンクラママ」が被害に遭っている、という通報が。さっそく現場で聞き込みしました!
断れない私が悪いの?!(凜花さん/30歳/受付)
不器用だという3人のママ友から、バザーで出す商品制作を依頼されたとき、手芸が趣味の私は「いいよ」と軽〜く引き受けてしまったんです…しかし後々、この判断をとても後悔することに。
バザーまでは残り1か月、時間はあまりないですが「3人分ならなんとか、どうせ一人あたり2、3個でしょ」と油断していたのです。が、後日、依頼されたのは、かなり手の込んだデザインの小物入れ、しかも「ひとり最低10個は欲しい」という無茶ぶり。「それは無理です!」と言いましたが、彼女たちの押しの強さについ了承してしまいました。
それからの1か月は、まさに寝る間も惜しんでの作業。材料費も相当かかりましたが「後で払うから! もちろんお礼もするね」と言っていたので安心していたんです。
バザー当日、私の作った商品はすべて完売。達成感と満足感で涙ぐむ私…それを尻目に、ママ友たちは「じゃあねー」と言って、さっさと帰っていきます。え、待って?!「ちょっと、材料費!」と叫んだのですが、「またね~」と言いながら立ち止まる気配なく…結局それから数か月経ったいまも、お礼はおろか材料費すら返ってきません。
これはもしや、イジメですか?!(奈央さん/34歳/事務員)
保育園のママ友たちと、バザーに何を出すか話し合っていました。毎年、家庭の不要品を持ち寄るのですが、3年も経つとネタも切れるもの。そこで今回は一人ひとつずつ、手作りしたものを持ち寄ることになりました。
すると、私が手芸が得意なことを知っているママが「奈央さん、私の分も作ってくれない?」と…私は彼女がとっても不器用なことを知っていたので、快諾したんです。ところが後日、私たちの会話を聞いていたママたちから、次々に「私のも作って!」とお願いされるように。
もちろん断ったのですが、「どうして私はダメなの!?」とすごい剣幕で言われてしまい、しぶしぶ了承することに…結局、13人分を作ることになりました。なんとか間に合わせることができたバザーの終了後、その中の一人のママ友が「これ材料費」と言ってお金を渡してくれました。
そこまで頭が回らず、すっかり忘れていた私、お金を受け取り周りのママたちを見渡しました。すると彼女たちは目をそらし、「ありがとう」もなくそそくさと帰っていくじゃないですか! こんなの、いじめ以外のなにものでもないですよね…来年のバザーは出席すら考えものです。
パートなら材料費ぐらい負担できるでしょ(奈々子さん/30歳/パート)
「バザーの品物の準備は、暇なパートのママたちが担当して」…それは、保育園のボスママのこのひと言から始まりました。もともとこの園ではパートママは少数派で、普段から虐げられています。「なんて理不尽な要求!!」と腹が立ちましたが、誰もボスママに意見することができず、半ば強制的に決まってしまいました。
たまたまパートママたちに裁縫が得意な人が多かったことから「今回は手作りで」という注文まで。パートママ10人で、フルタイムママ数十人の分まで作らないといけません。しかも適当なものを作ったら、ボスママになにを言われるか…私たちは必死で、小物入れやハンカチなどをとにかく丁寧に作りまくりました。
そして迎えたバザーの当日…私たちが作った品物を、まるでわが物のように売るママたち。もちろん感謝されるわけもなく、「ちょっと縫い目が粗い」といったクレームまで。
そのうえボスママは「パートでも生活できてるってことは、旦那の給料が高いからでしょ。材料費ぐらい負担できるわよね」とダメ押しの宣言までして、材料費を払わなかったんです…あまりにも理不尽、本当に最悪の保育園です。
実際に手作りをしない人にはわからないですが、材料費って意外とお高いんです。なんで、ちゃんと払ってください!! 優しいことにつけ込まれてしまったママたち、主張すべきところはしっかりと主張しましょう! そして次回があるとしたら、ぜひ「経費前払い制」を導入することをおすすめします。
ライター:葛西 明
人材派遣及び、人材紹介を行う会社に勤めるサラリーマン。求人募集の文章を書くのが楽しいと感じて以来、ライターとしても活動中。家事が苦手な妻と結婚後、気付けば兼業主夫になっていることが悩み。