2018.12.11
2021.03.05
派閥に分かれて争うのは「人の性」とでもいうのでしょうか? 自分や夫のスペック・子どもの習いごとなどを巡って、ママたちを二分する勢力同士は、しばしば激しく火花を散らしているようです。あまりにも大人げないその争いにうんざりする、保育園ママたちのお話を聞きました。
高学歴VS有資格「社会で通用するのは」(葵さん/28歳/パート)
保育園に、顔を合わせればマウンティングをしかけ合う、ふたりのママがいます。
ひとりは某有名大学を主席で卒業、現在は大手企業に勤めている「自称・高学歴ママ」。もうひとりは高卒ではあるものの資格を10個以上取得、宅建の資格を活用して不動産関係の仕事をしている「有資格ママ」。
高学歴ママの「学歴自慢」に対し、「手に職をつけたほうが社会で通用する」という有資格ママの反撃で、いつもの不毛なマウンティング合戦が始まります。「学歴がないと資格に頼るしかなくってかわいそう」と言えば、「学歴しか誇れるものがないのはもっとかわいそうだけどね」と笑顔で応戦、これで両者の火花が散るわけです。
しかも、保護者会や子どもの送迎時など、時と場所を選ばずに開戦するため、周りのママたちにはいい迷惑…どちらも立派な仕事についてるんだから、いがみ合う必要ある? と心から思います。
「子どもの習いごと」文化系VS体育系(里香さん/27歳/サービス)
習いごとが盛んなうちの保育園では、「文化系の習いごとをさせるママ」と「体育系の習いごとをさせるママ」の間でマウンティングが盛んです…要は、なんでも競い合いたいのだと思いますが、巻き込まれた私はうんざり。
私は息子にサッカーを習わせているのですが、そこに口をはさんでくるのが〝文化系習いごと推進派〟のママたち。英会話を習わせているママは「英語力は将来絶対必要! サッカー選手になれるわけじゃないのに、意味ないでしょ」と…そのほかにも「空手をしている子どもは野蛮だ」と決めつけたり、「水泳は危険だ」と貶してみたり、言いたい放題です。
体育系ママたちも、もちろん受けて立ちます。「小さい頃から英会話を習わせるのは、親の押しつけだ」とか、「子どもは外で体を動かしたいものなのに、書道なんかかわいそう」とか、決めつけたような発言をしているんです。
私は子どもがやりたいと言ったからやらせているだけで、マウンティング合戦にはまったく興味がないのですが、「里香さんはどう思ってるの!?」と詰め寄られて、毎回困っています。ママたちがなぜ、そんなことで優劣をつけたがるのか、理解ができません。
医者の妻VS社長の妻「争点は社会貢献度」(加奈子さん/30歳/受付)
「普通のサラリーマン」を旦那を持つ私にはまったく関係のない話ですが、保育園に「医者の夫を持つママ」と「社長の夫を持つママ」が数人ずついます…そして日々、その双方がっぷり組み合った「マウンティング合戦」が繰り広げられているんです。
どうやら多少の序列はあるものの、医者の妻は医者の妻同士、社長の妻は社長の妻同士…お互い認め合って上手くいっている様子。でも両勢力には、譲れないプライドがあるようです。最初は「年収」を巡って競い合っていたのですが、決着がつかなかったのか、いまの争点は〝社会貢献度〟。
医者の妻が「人の命を救う職業が最も尊い!」というのに対し、医療機器メーカー社長の妻は、「その道具を作っているのは私の夫。医者はただの使用者に過ぎない」という理論を展開します。またあるときは、「選ばれた人だけが〝先生〟と呼ばれる」という医者の妻に対し、「私の夫が作った会社は〝世の中から〟選ばれている」と応戦。
こんな会話を毎日のように聞かされる、こっちの身にもなってほしい…しかも、そもそもすごいのは彼女たちではなく夫たち。マウンティング合戦の意味が分かりません。
勝った負けたが好きなママたちには、お好きにやっていただければいいと思います。でも、ひとつだけ。決して「子どもたちの前では闘わないでほしい」と思うのは、私だけでしょうか?
ライター:葛西 明