2018.11.23
2021.03.04
人とのかかわりが苦手で友だちが作れない…そんなママたちにとって、保育園での〝ママ友作り〟はとってもハードルが高いんです。保育園入園からだいぶたったいまでも「ママ友がいません」というママたちが、そのつらい日々を語ってくれました。
気配を消している(忍さん/34歳/事務員)
もともと人との関わりが苦手だったこともあり、いまだにママ友がまったくできていません。保育園デビューのときも、周りがママ友を作ろうと自己紹介や談笑をするなかで、私は一目散に帰宅。毎日のお迎えでも周りのママと目を合わせることはなく、子どもの手を引いて逃げるように帰ります。
園の懇談会も開始ギリギリに教室に入って一番後ろの席に座ります、もちろん終了と同時に退室…とにかく周りに、自分の気配を察知されないよう気をつけています。
そんな私にとっての最大の敵は、息子のお友だち。「○○くんママだ~!」という無邪気な子どもの声が、私には猛獣の唸り声に聞こえます。振り返るとママたちにも声をかけられる恐れがあるので、そんなときは決まって〝聞こえないふり〟をしています。
できればこのまま、誰とも関わらないで保育園生活を終えることを願います。でも果たしてうまくいくのか…不安でしかたありません。
キラキラママたちが遠く見える(美穂さん/36歳/パート)
保育園生活を円滑に送るために、「まずママ友を作らないと!」と意気込んで迎えた入園式。自分なりに精一杯おしゃれしたつもりだったのに、周りのママたちはとてもきれいでキラキラした人たちばかりでした。
「こんな人たちと仲良くなれるわけがない」「ダサいと思われていたらどうしよう」…こんな思いが頭を駆けめぐり、自分から話しかけることなんて到底できませんでした。
周りはすでにキラキラママ同士でグループができて談笑しているので、とても自分から話に入っていける雰囲気ではありません。
やっと見つけたと思った地味めなママは、周りに目もくれず秒速で園を後にします。追いかけようとしますが、その足の速さはウサイン・ボルト級…とても常人の私が追いつけるものではありませんでした。
私の華々しい保育園デビュー計画は失敗に終わり、気づけば誰とも会話をすることもなく、ママ友といえるようなママ友ができることもなく、孤独な保育園生活を送っています。
そんな私に残された、たったひとつの道は「逃げ足の速さを磨く」こと…あの地味めママのように、誰にも気づかれずに子どもの送迎をするしか、身の処しようがないんです。
名前と顔が覚えられない+あがり症(由美さん/31歳/パート)
小さいころから友達ができなかった私には、二つの大きな欠点があります。ひとつは「人の名前と顔が覚えられない」こと、もうひとつは「極度のあがり症」。このふたつにより、人生で友達らしい友達ができたことがありません。
それは大人になっても変わることなく、ママ友はできたことがありません。ママの名前も子どもの名前もまったく覚えられず、話しかけられてもテンパるばかり。
相手の話なんかまったく耳に入ってこないまま、ずっと「誰だったかな~」って考えています。当然、会話が弾むわけもなく…きっと「面白くない変な人」というレッテルを貼られていることでしょう。
さらに厄介なのは「あがり症」のほう。悪化の一途をたどるこの性質は、ママ友を作るうえで最大の障害になっています。以前、奇跡的に会話ができたママに、連絡先を聞こうと思ったことがありました。
でもすんなり聞けるわけもなく、まるで「女子に初めて告白する中学生男子」のようにモジモジするばかり…「れ」までは出るのですが「連絡先を教えてください」までたどり着くこと叶わず、そのママは目の前からいなくなっていました。
なんとかしなければ、本当に「ママ友0人」のまま園生活を終えることになる…正直とてもアセっています。
本当はママ友が欲しいと思っているのに、なかなかうまくいかないママたちのツラい心境…とっても切なく聞かせていただきました。もしかしたら周りのママには「友だちは欲しくない人なのかも」と思われてしまっているのでは? 勇気を出して、自分の性格を説明しながら、話しかけてみませんか?
ライター:葛西 明