2018.11.16
2021.03.04
ママカースト順位の要素のひとつに、「専業主婦か働く主婦か」があります。働く主婦は、ときに「キャリア」として上位に位置づけられることもあれば、「家計のために働かなくてはならない主婦」として最下層に置かれることも…それも周りの環境次第なんです。セレブな習い事教室で闇を見た、働くママたちのお話です。
共働きママの子どもは「余裕がない」(佳苗さん/34歳/事務員)
5歳の娘が通う「英会話スクール」が地獄です。私が住んでいる地域は裕福な家庭が多く、そこに通うママたちの夫は医者や社長がゴロゴロ。もちろん奥様方のほとんどは専業主婦で、共働きのわが家はその中では浮いた存在です。
それでも、これからのグローバル社会を見越し、子どもには「日常英会話程度はできるようになってほしい」という思いで通わせています。「共働き=余裕がない」と思われているようで、周りのママからイヤミを言われることもしばしば。
娘の英語力が上がってきたので、ひとつレベルの高いコースに変更すると、「月謝も上がるわよ、大丈夫?」とか、「人にはそれぞれに見合った教育があるのよ」とか、デリカシーのないことを平気で言ってきます。
ついに耐え切れなくなり、「共働きってそんなに悪いんですか!?」と、リーダー格のママに言ったことがありました。すると彼女は「悪くはないけど、親の余裕は子どもの余裕につながるの。ほら見てごらんなさい、あなたの子ども。とってもせっかちでしょ?」。
彼女が指さすほうを見ると…出来が悪い他の子どもが問題を解くのを待ち切れず、イラ立ちながら貧乏ゆすりをするわが子の姿が。少しはママの気持ちも分かってよ(涙)!
共働きママの子どもには「昇格もない」(麗さん/34歳/パート)
息子を通わさせている水泳教室には、厳しいママカーストが存在します。その教室は数多くの水泳選手を輩出する名門スクールで、富裕層ママたちから圧倒的な支持を得ています。
スクールのプールには6つのレーンがあるのですが、観覧席から奥のレーンほど上手な子どもが泳ぐようになっています…入校当初は「うちの子も上手になれば奥のレーンに行くもの」だと思っていました。
でも、奥のレーンに行く判断を下すのはコーチのほかにもうひとり、ママカーストの頂点に君臨するボスママでした。彼女はこのスクールの古株であると同時に、開業医の旦那を持ち資金面でも多大な協力をしているという噂。
そんな彼女は、旦那の仕事や収入でママ友を選別していて、「中小企業に勤める旦那を持ち、かつ共働き」の私は、ママカーストの最下層に位置づけられました。
当然息子は、泳ぎがうまくなっても奥のレーンに昇格していくことはなく、周りのお友だちにどんどん取り残されていました。「親のせいで息子にこれ以上、みじめな思いをさせられない」そう思い、隣町スクールへの転入を決意したのでした。
共働きママは「ボスママ軍団のお手伝いさん」(友香さん/30歳/パート)
本田圭佑選手に憧れ、「将来はサッカー選手になる!」という息子の願いを叶えるべく、地域の名門サッカー教室に通わせることにしました。チームプレーや「上下関係」が学べるいい機会だと思っていたのですが、そこはママたちに圧倒的な「上下関係」が存在する恐ろしい場所だったんです。
最初に疑問を持ったのは〝決して上手くない子〟がレギュラーメンバーとして試合に出ていること。そして極めつけは、入ってしばらくして行われた「家庭へのアンケート」でした。
そこには一般的な個人情報に加え、「旦那の年収」「共働きかどうか」などが細かくヒアリングされていました。そして「旦那が中小企業に勤めていて共働き」であることが分かると、私へのママたちの態度は一変しました。
練習開始の1時間以上前に集合して、グラウンド整備や見学場所の掃除などを指示され、練習中もママたちのお手伝いさん状態。聞けばボスママの夫は大手企業の社長をしており、取り巻きたちも高収入夫を持つ専業主婦ばかり。
共働きママは「貧困層」に位置づけられてロクな扱いをされないばかりか、その子どもがレギュラーに選ばれてしまうと、監督にボスママからのクレームが入るのだとか。「ここでは息子はサッカーができない」すぐにそう確信し、別の教室に通わせることにしました。
一部の習い事教室で繰り広げられるママカーストの、耳を疑いたくなるような実態。習い事を選ぶ前に事前には、その内容もさることながら、どんな層のママがいるのかを確認しておくのは大事なことかもしれません。保護者として、一緒にかかわっていくメンバーですから。
ライター:葛西 明