2018.11.06
2021.03.04
ママ友の間でもしばしば見られる「経済格差」ですが、高所得ママ自身は意外と気づいていないことが多いそう。彼女たちが知らず知らずに発する「お金持ち発言」と、それに驚かされた平民ママの「埋めようのない格差」の物語です。
家は飽きたらリフォームする(恵さん/32歳/事務員)
同じ保育園のママ友のSさんはいつも孤立しています。私はときどき話す程度だったのですが、きれいで上品な人で仲良くなりたいと思っていました。でも、周りのママ友は違うようで、「Sさんは住む世界が違うから、関わらないほうがいい」と。なんでもご主人が、某IT系企業の社長とのこと。豪邸に住み、高級外車を乗り回しているそうです。
どうしても仲良くなりたかった私は、ある日思い切ってSさんに話しかけてみることに。そのときのSさんの嬉しそうな表情がとても印象的で、すぐに仲良くなりました。年上にも関わらず気取らないSさんはとても親しみやすく、「格差」なんて微塵も感じませんでした。
でもやっぱり、それに気づいた時がありました。それは彼女がわが家に遊びに来たときのこと。家の外壁が黒ずんでいると指摘され「洗っても取れないんです」と言うと、「じゃあ、塗り直せばいいわ! うちも飽きたらよくリフォームしてるの」と。
壁を塗り直すのにいくらかかると思っているんだ…それに、リフォームは飽きたからするものじゃないんですよ。みなさんが言っていた意味が、ちょっとわかった気がしました。
家事はめんどくさくありません(陽子さん/29歳/受付)
子どもの習い事で仲良くなったママ友のMさん。どうも旦那さんが、外資系企業の重役らしく、見るからに「お金持ちオーラ」が出ていました。でも私はそんなことを気にしたこともなく他のママ友と同じように接していたのですが、先日ママ友ランチ会にMさんを誘ったときに、格差を痛感することになりました。
その日の話題は、掃除と料理の話題。働く主婦がほとんどで、同じ悩みを共有できるいい友達ばかり、みんなで「掃除がしんどい」とか、「献立を考えるのがめんどくさい」などの話で盛り上がっていたんです。
ふと、(Mさんはどうなんだろう?)と疑問に思った私は「Mさんは? 家事めんどくさくない?」と聞いてみました。すると「うちは家政婦さんがやってくれるから」と何食わぬ顔で答えたんです。
その発言が関係しているのかいないのかはわかりませんが、それ以来ランチ会にMさんが呼ばれることはありませんでした。
「美由紀さんのランチが怖い」(美由紀さん/31歳/弁護士)
弁護士同士で結婚した私たち夫婦。周りのママ友にくらべれば確かに世帯収入は多いし、暮らしはよい方だと思っています。でも、私はそこまで気にしていませんでした。選んだ職業がたまたま弁護士だっただけです。
しかし、現実は違ったようで、私にはまったく仲のいいママ友ができませんでした。私に問題があるのか、私の職業に原因があるのか、その当時の私にはわからず、とても悩んでいたんです。
ある日、やっとひとりの保育園のママ友ができました。職場が近いこともあり週に数回ランチして、子育ての悩みや旦那のグチなどなんでも話せるよい友達だったのですが…ある日、思いもよらない言葉を投げかけられてしまったんです…「美由紀さんの『ランチに行こう』が怖い」と。
話を聞くと、私とのランチ代が月に3万円弱の出費になり、旦那さんに怒られたとのこと。確かに毎回のランチ代は2千円くらい、でも私にはそれが「高い」という認識がまったくなかったんです。いままでのママ友たちにも同じようにしてきた私…きっとそれが理由で友達が離れて行ったんだと反省しました。
それからはお互いお弁当を持参して、公園でランチをするようにしています。
その発言によって、ママ友ができなかったりねたまれたりと、高所得ママにも意外と大変なことが多いよう…ちょっと気の毒ですが、この格差ばかりはいたしかたありませんね。
ライター:葛西 明