2018.09.03
2018.09.10
保育園ママとの会話といえば、子どもの話や園行事の話、習い事やレジャーの話。そんな楽しい話題が多いと思いきや…一部のママたちの間では〝世帯年収〟が興味の中心なのだとか。保育園ママが体験した〝世帯年収〟をめぐるお話をご紹介します。
同じクラスの「年収ランク表」を作っていた(ひとみママ/28歳/パート)
私の娘が通うのは、子どもをのんびりゆっくり育てる教育方針で人気の保育園。セレブ御用達の保育園よりも、子どもをのびのび育てたいと入園を決めました。ママ友たちもゆったりと構えている人が多く、喜んでおつき合いをしていました。
ところが最近になって、私の知らない話題がたびたび登場するようになったんです。「ほら、こないだ食べたじゃない、あの店のクレームブリュレ」。いつの話だろうと思っていると、「あ、ごめんなさい。ひとみちゃんはいなかったっけ?」
そんな会話が増えてきたので気になって彼女のインスタをのぞいたところ、私以外のママ友5人が高級レストランでランチしたり、週末にホテルのプールに子連れで出没したりしているのです。
さらに恐ろしい事実が発覚したのは、お泊まり保育の説明会で集まったときのことでした。ボス的なママがうっかり落としたファイルのなかに、信じられない資料が入っていたのです。
それは、ママ友たちの「年収ランク表」…どこで調べたのかわかりませんが、同じクラスの人の年収を高い順に並べた表を、一部のママたちで共有していたのです。なんのために? どこで知ったの? ウンザリした私は、本気で保育園を変えたいと思っています。
保育園ママたちの井戸端会議にドン引き(しずかさん/33歳/アパレル)
2歳の娘を砂場で遊ばせていたときのことでした。いつも公園で顔を合わせる仲良しママさんたちが、声をひそめながら夢中になって話をしていました。彼女たちはこの公園の近所にある保育園に子どもを通わせているらしく、私も来年はそこに子どもを預けて職場復帰する予定でいます。
保育園の事前リサーチと思ってさりげなく聞いていたのですが、彼女たちのとんでもない会話に鳥肌が立ってしまいました。
「ねえねえ、◯◯さんのバッグ見た?」
「あ、見たわよ。バーキンでしょ?」
「なんでお迎えにあんなの持ってくるのかしらね?」
「旦那様のご実家が、会社経営してるんだって」
「え!年収どのくらいだと思う?」
「一族とはいえ、まだ課長でしょ?」
「実は私も気になって、ヘッドハンティング会社の知り合いに調べてもらったのね」
「さすがに仕事速いわね!」
「でしょ? 1500万前後じゃないかって」
「うそ、スゴ〜い!うちの3倍だわ」
「でも、なんだか許せなくなーい!?」
「子どもにも言っとくわ!」
…ゾッとしてしまいました。保育園に通う子どもに何を言うというのでしょうか? 無邪気に遊ぶ子どもたちを横目に、娘をかかえてその場から立ち去りました。保育園は選び直さないといけないかもしれません。
どうしてうちの年収知ってるの?!(のぞみさん/36歳/会社員)
共稼ぎでやっと2人の子どもを育てている私には、子どもの養育費用の工面に頭を悩ます日々です。それなのに主人の親は、エスカレートで大学まで行ける私立の小学校を受験させたいというし…これからどうしたらいいか迷ってばかりいます。保育園からは受験する子は少なく、先生に相談することもできません。
ある日お迎えで一緒になったママ友に、恐る恐る受験の話を打ち明けてみました。いつも物静かで穏やかな人柄の彼女なら、聞いてくれるかなと思ったんです。すると突然、彼女が狂ったように泣き出して…もうビックリ!
「のぞみさんはいいですよ、年収700万くらいあるんでしょ?! ウチなんか…」と倒れんばかりの号泣で、先生も驚いてかけつけるほどでした。
どうやら彼女は子どもを受験させたかったようなのですが、金銭的に厳しく諦めようと思いつめていたようなのです。不意に話をしたことを謝り慰めながら、(あれ、なんでうちの年収知ってるの? 話してないのに…)と、ふと疑問に感じて怖くなりました。
様々な働き方、幅広い層の家庭が集う保育園。〝世帯年収〟への興味は序列を「見える化」したい、人間の性なのかもしれませんね。そんな情報が子どもたちの耳に入り、差別意識や上下関係などよくない影響が出ることのないよう、大人がしっかり目を配りたいものです。
ライター:黒坂彩子
修羅場、ドロドロ、感動話、さまざまなリアル体験を見聞きした中から、「女は潔く生きよう!」をモットーに、女性としての筋の通し方を追求中。時折、「筋道を通さないほうが幸せかもしれない」と酔ってクダをまくフリーライターです。