2018.08.10
2021.03.02
動物が自らの力を誇示するために行う「マウンティング」…人間界だって、そこかしこで、常に、あらゆるシーンで、行われてます。
とくに幼稚園ママが保育園ママにマウンティングするときは、「ホメを装っているけど、本心では貶して落としている」という、陰湿でやっかいなものなのなのだそう。働くママたちの体験を聞きました。
「保育園の入園式はラクでいい」とうらやましがる(志乃さん/29歳/販売員)
子どもを幼稚園に入れるママ友たちと、ランチをしていたときのことです。
幼稚園は正装で入園式に臨むのが一般的なようで、「なにを着て行こうか」という話題で盛り上がっていました。スーツを新調するというママ、着物を着るというママ…それぞれ熱い思いで話が尽きないようでした。
そして、ひとしきり盛り上がり終えると、話題の矛先は私へと向かってきました。
「加奈子さんはうらやましいわ。保育園なら服装なんて考えなくていいもんね」「わたしたちも保育園だったら、こんなに悩まなくてよかったのにねぇ」と、ママたちの話は〝保育園の気楽さをうらやむ〟方向へ流れていきます(が、明らかにうらやましがってはいない…)。
確かに保育園の入園式には堅苦しいルールはありませんが、保育園だっていろいろ準備があって大変なんだぞ!
保育園は「ラクでいいor育児放棄」どっちなん!?(たかこさん/35歳/事務員)
「子育てを人に任せられるからラクでいいよね」。幼稚園ママから言われたこの言葉が、いまだにずっと頭の隅に引っかかっています。
うちの子と同じ年の子どもを幼稚園に入れている専業主婦のママは、会うたびに「子育てが大変」とか「ずっと子どもといるのは疲れる」とか言いいながら、数分後には「子どもの将来のためには、親といる時間が一番大切なのよ」などと朝令暮改しつつ、私にいろいろアドバイスしてきます。
共働きで、保育園に息子を預けている私は「子育てより仕事を優先する親」というタグ付けがされているようで、ときどき「それはマウンティングだよね」と思う発言をしてきます。
そして特に気になったのが、冒頭の言葉。子育てを人任せにしているつもりはないし、子育てに消極的なわけでもありません。どこか「育児放棄をしている」ような含みの彼女の言葉が、ふとした瞬間に頭をよぎる毎日。彼女に会うたびに、「ホメているようで貶している」言葉に翻弄されています。
「元気=やんちゃで乱暴」って読解難しすぎ!(みどりさん/29歳/事務員)
お隣さんの娘は幼稚園、わが家の娘は保育園に通っています。
以前から、「美紀さんちの娘さんは元気でいいわね」とか「真っ黒に日焼けして、健康的ね」などというお隣さんの言葉を、バカな私は〝ホメ言葉〟として受け取っていました…しかしそれはすべて、裏にトゲある〝マウンティング〟だったことに気づいてしまったんです。
先日忘れ物を取りに戻ったとき、お隣さんが話しかけてきました。
「長男が小学校に上がったんだけど〝保育園卒の男の子〟にいじめられているみたいなの。美紀さんちの娘さんは元気だから、心配なさそうでうらやましいわ。うちの娘もお兄ちゃんに似て繊細に育っているから心配が尽きないの。いっそ保育園に預ければよかったかと考えてしまって…」
あれれ。つまり「幼稚園に通う子ども=おしとやかでまじめ」「保育園に通う子ども=やんちゃで乱暴」だと言っていたんですね。すみません、いままで気づいてませんでした(笑)。
確かに、お隣さんの娘とは真逆の性格をしているわが子ですが、それは性格の問題もあるのでは…今後お隣さんとどうつき合っていけばいいか、分からなくなりました。
日々時間に追われる働くママは、保育園でママ友に会ったときにも、会話は〝率直かつストレートかつ手短か〟な傾向があります。そのノリで、幼稚園ママのお言葉を真正面から受け取ると…ホメ殺しマウンティングの餌食になってしまうのかも?! ご用心!
ライター:葛西 明