2018.07.18
2018.09.10
収入や生活環境によって、家ごとに異なる「金銭感覚」。普段はお互い気にしていなくても、ふとしたときに露呈する…その舞台が「ママ友ランチ」なのです。ママたちがランチで感じた、「金銭感覚の埋められない溝」の物語です。
足並み揃えなきゃならないのはツラい…(さなさん/40歳/看護師)
高校時代の友人と久しぶりにランチ! とても楽しみにしていたんです。
待ち合わせは、みんなのアクセスがいい「池袋」。オフィス街ということもあり、ランチ営業のお店も豊富。「少し早めの時間に行って良さそうなお店に入ろう」と話していて、感じのよいイタリアンに入ることにしました。
「本日のパスタ」は1,100円。プラス300円でドリンク付、プラス400円で数種類から選べるサラダ付にできるということで、「食後にコーヒーと…どのサラダにしようかな~」「いや! 単品のパスタなら1,800円のウニクリーム…むむむ…こちらも捨てがたい。これにしようかな…」なんて悩んでいたんです。
そして、店員さんがオーダーを取りに来ました。専業主婦のAちゃんが「私、本日のパスタで」と言ったのに続いて、パート勤務のBちゃんも「私もそれで」とのこと。なんだか、ウニクリームとは言い出せず、「私も、それをお願いします」と続けました。
「セットのドリンクやサラダはどうなさいますか?」と聞かれたので、とコーヒーをオーダーしようと「コー…」と言いかけると、Aちゃんの声がかぶるように「あ、大丈夫です」と。そして「私も、お水で大丈夫です」と笑顔を向けるBちゃん。結局、私も言い出せずじまいで、「パスタ単品」を食べることになりました。
まわりを見ると単品は私たちだけ。話が盛り上がって楽しかったものの、食後はお冷や片手に30分…水を注ぎに来る店員さんの視線が、ひどく痛かったです。
予想の上行くセレブランチに冷や汗が止まらない!!(るみさん/34歳/パート勤務)
私の主人はしがないサラリーマン。私も働いているんですが、見栄を張った旦那に押されて高級マンションの低層階を購入しました。低層階は2LDKで、私たち以外はみんなひとり暮らし、というちょっとセレブなマンションです。
「高層マンションの所得格差! ママ友いじめの恐怖!!」なんてマンガを読み、不安になっていたのですが、上層階に住むセレブママたちはとても感じがよく、共同フロアでよく子どもたちを遊ばせていて。気づけばとっても仲良しになり、ついに先日ランチに行くことになったんです。
その場所は…プロポーズをされたとき以来、足を踏み入れたことのないようなフレンチ。それでも「ランチだし」とナメていたら、なんと!お昼のコースは6,000円!! しかも、選ぶメインによってはさらにプラス料金と言うではないですか! 主人の会社の飲み会は「飲み放題3,500円」なのに~!!
冷や汗をかきながら、お財布に1万円札が入っていなかったことを思い出した私は、大慌てでトイレに行き財布を確認しました。現金8,632円…よし!ギリギリ大丈夫。
「いざとなったらカードだ」と覚悟を決めて席に戻ると、「お飲み物はなにになさいますか?」と。の…飲み物!? 優雅にワインを頼むママもいるなか、私は800円の高すぎるウーロン茶を注文し、プラス料金がかからない料理をチョイスしました。
その後、わざわざ席まで持ってきてくれたお会計を見た瞬間、目が飛び出そうになりました。「Total 8,160円」ええええ? メニューを見返すと「別途20%のサービス料をいただきます」と…まさにギリッッギリで足りたからよかったものの、冷や汗で汗だくになった私。
それからというもの、お誘いがあっても「うちは、ランチはきつくて~」と素直にお断りすることに。見栄は張らず、分相応に生きようと心に決めたのでした(笑)。
主人より高いランチはどうしても気が引けます(夏美さん/36歳/専業主婦)
結婚前は私も働いていたので「たまには贅沢なランチもOK」と思っていたのですが、専業主婦という立場になるとやっぱり気が引けてしまいます。主人のお小遣いは「月30,000円+1日700円のお昼代」、となると700円以上のランチはどうも主人に悪い気が。
先日、大学時代の友人5人のLINEグループで「たまには集まろうよ」という話になり、私もノリノリで日程を決めたんです。
その後、送られてきたお店のホームページを見ると、ランチの相場は3,000円! 私以外はみんなワーママですから、そりゃそうなりますよね。私も働いていた頃は、そうでしたし。
仕方なく、「本当にごめん。その日に主人のお母さんが、家に来るらしくて」と、よくわからない嘘をつき、欠席することに。「え~、来て欲しかったのに本当残念」「次は絶対会いたい!」「私も会いたいよ~!」とみんなに言われ心苦しかったのですが、ランチ代が高すぎるなんて言えるわけもなく…。
大好きな友だちなので会いたいんですが、みんなバリバリのワーママ。寂しいですが、自然と距離ができるのは仕方ないことなのかもしれません。
それぞれに〝お財布事情〟があるのは、切ないけれど仕方のないこと。冷や汗かいたり、遠慮したりが度重なるおつきあいは難しいのかもしれません。
でも、たまには仲良しの友とランチして、大笑いするのもいいものです。小銭でできる「お釣り貯金」や「500円玉貯金」など、ランチ用にへそくりをする工夫はいかがでしょう!
ライター:鈴本ちさこ
元ナンバー1キャバ嬢。会社経営者との結婚を機に引退し、自身の恋愛経験を書いてほしいと、依頼されたことをきっかけにライター活動を開始。某有名恋愛ライターのゴーストとしても活動している。ずれた金銭感覚で、ママ友ができないのが悩みの種。