2019.09.30
ママ友と話していると、ついついやってしまいがちな〝子育てマウンティング〟。相手の育児相談に、自分の苦労話をかぶせて「私のほうが大変だった!」とねじ伏せることです。そして困り者なのは無自覚やってしまいがちで、気づかぬうちに嫌われてしまうことです。この癖に気づいて克服したママたちに、お話を聞きました。
■「いやいや!」と否定するのをやめた(麻由美さん/32歳/看護師)
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私には、どうしても相手に張り合おうとしてしまう癖があります。ママ友と育児の苦労話をしていたときもそうでした。
ママ友が「うちの子、私以外に全然懐かなくて大変だったのよ。下の子を出産するときに実家に預けたんだけど、全然泣きやまなくて、結局母が病院まで連れて戻ってきたのよ!? おかげで陣痛に耐えながら上の子をあやしてたわよ~」と話すのを聞きました。
そこでつい「いやいや、頼れる実家があるだけマシよ! 私なんて旦那にも私にも両親がいないから、誰にも頼れないままひとりで育児しているんだから!」と張り合ってしまったんです。当然、相手の顔色は曇りました。
当然ですよね。グチを聞いてもらっていると思ったら、急にマウンティングされたんですから。反省した私は、最初に発する「いやいや!」がいけないということに気づき、封印することに。第一声を「そうだったんだね~」に変えました。
不思議なことに、一度相手の言葉を受け止めると、そのあとマウンティングにつながる言葉って出てこないんです。これには自分でも驚きましたね。
■マウンティングしたら自虐ネタで締める(玲子さん/32歳/事務員)
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「育児だけでも大変なのに、仕事しているからなおさら大変なのよ~。もう忙しすぎて目が回りそう。専業主婦が羨ましい」。ママ友のこの言葉を聞いていても立ってもいられず、気づいたときにはもう口が動いていたんです。
「あなたはパートだからまだいいじゃない。私なんて正社員で働いているから、もっと大変よ~。繁忙月は残業もあるしね」。気づいたときにはすでにおそく、私はがっつり、マウンティングを決めてしまっていたのでした。
しかし実は私、これが初めてではありません。いままでも何度か「育児マウンティング」をしてしまったことがあるんです。わかっていても、どうしても直らないんです。そこで最近では「自慢話をしてしまったら自虐ネタで締める」ことにしています。
先ほどのママ友の場合だと「とは言ってもしんどすぎて体調を壊しちゃって、結局ひと月、仕事を休んだんだけどね~」とつけ加え、なんとか笑い話で終わらせることができました。危ないところでしたけど(笑)。
■「共感」して「褒める」会話を(陽子さん/39歳/パート)
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年齢も年齢だし3人の子育て中なので、後輩ママからよく相談を受けることがあります。ところが考えてみるとここ最近、慕ってくれていた後輩ママたちと、疎遠になっていた気がするんです。
理由は私の「育児マウンティング」。後輩ママから「子どもの夜泣きが辛い」と相談されれば「弱音を吐かないの! 私なんて1日2時間くらいしか寝られなかったんだから!」と自分のほうが辛かったアピールをしてしまっていたんです。
若いママ友たちが聞きたいのが、こんなおばさんの苦労話であるはずがありません。そのことに気づいてから、まず「共感すること」そして「褒めること」に徹しました。
「わかるよ~、大変だよね」から始まり「よく頑張ってるね。偉いぞ!」と相手を褒めます。すると、後輩ママたちはとても嬉しそうな顔をするんです。どうも私は〝先輩〟の本当のあり方を、はき違えていたようでした。
自分が変わると周りも変わる。いまでは私のまわりには、ステキなママ友が大勢います。
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まずは〝育児マウンティング〟が「相手を不快にさせる」ということをことを、しっかり自覚しましょう。みんなが辛い経験をもつ育児においては、マウンティングはママ友関係の最大の敵。思い当たるところがある方は、ママたちのお話を参考にしっかり改善しましょう!
ライター:葛西 明
人材派遣及び、人材紹介を行う会社に勤めるサラリーマン。求人募集の文章を書くのが楽しいと感じて以来、ライターとしても活動中。家事が苦手な妻と結婚後、気付けば兼業主夫になっていることが悩み。