2019.08.24
ママ友とのつき合いには、いろいろなコツやルールがありますが、特に「幼稚園ママ」には独特の雰囲気があるようです。それは万事「周りと足並みを揃えてやっていく」こと。目立たず沈まず邪魔にならず、そうはいっても存在感は残しつつ…そんな空気を読まずに〝出る杭〟となったママの体験談です。
■「声が大きい」というだけで(莉々さん/29歳/フリーデザイナー)
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幼稚園のママに「声が大きい」人がいました。食事に行ったときや公園で遊んでいるときなどに、周りから「ちょっとうるさい」と言われてしまうこともあるくらい。でも世話好きでいいママだったので、私は特に気にしていませんでした。
ところがPTAの保護者会のとき、声が大きいことでボスママに目をつけられてしまったんです。この園では親子ともに「控えめな上品さ」や「謙虚な姿勢」が求められるのですが、彼女は下品だと思われたらしいのです。
そしてボスママから、厳重注意と指導を受けることに。その後彼女は、声の大きさを気にしてかあまり喋らなくなってしまいました。そしてしばらくして、「仕事を始めて保育園に転園した」と噂で聞きました。
でも結局は「自分よりも目立つ存在は許せない」ボスママのいじめ。彼女が他のママから慕われていたのも、気に入らなかったのでしょう。声こそ小さいですが、私も決してお上品ではないので、気をつけています。
■テンションも周りと揃えて(康子さん/35歳/専業主婦)
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私は昔から掃除が大好き。結婚したときも「思う存分掃除をしたいから、専業主婦になりたい」というのが条件だったほど。でも、そのおかしな趣味が災いして、子どもの幼稚園でやらかしてしまったのです。
その日は保護者による、年に一度の大掃除だったのですが、実はみんな「適当に済ませてさっさと帰ろう」と思っていたよう。そんなことに気づかない私は「まずは全体を掃いて、水拭きして、その後にワックス掛けですね!」と、とことん張り切っていました。
ひとりが張り切ると他もやらないわけにはいかず…例年だったら3分の1ほど終わればよいほうだった掃除が、今年はすべて終了しちゃったのです。先生方からも感謝されて、私は大満足だったのですが…。
後日、何人かのママから「今年はホント、いつもよりだいぶ疲れたわ」と、嫌味を言われて…そこでようやく、周りの目に気づきました。幼稚園では、空気を読んで足並みをそろえておくほうがよい。私の教訓です。
■「さっさとやればいい」ってもんでもない(さなえさん/32歳/元雑誌編集)
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幼稚園に入って最初の保護者会で「PTAだより」の制作を任されました。なぜか全員が嫌がっていたので、私が手を挙げたのです。
去年の見本をもらって、雰囲気もなんとなく理解。以前の職業柄もありますし、書くことは決まっていてレイアウトするだけなので、それほど手間暇のかかる作業ではありません。その日のうちにさっそく下案を作って、グループLINEで閲覧してもらいました。
すると「えっ! もうできたの!?」と驚く人が多数で、私はかえって戸惑っていました。しかし後日、去年の担当者から呼び出され「そんなにさっさとやると、私がサボってたみたいに見えるからやめて!」と泣きながら責められてしまったのです。
どうやらママたちは全員、パソコン作業が苦手。唯一の「Wordで文章が打てる」前任ママが、ひと月近くかけて作っていたそうなんです。「みんなが嫌がっていたのは、そういう理由か!」と腑に落ちたのですが…時すでに遅し。少し反省しましたね。
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特に「できること」をアピールする形で目立ってしまうと、嫉妬の対象になりやすいそうです。当の本人は「こんなことで?」と思うようなことでも、誰のコンプレックスを刺激して嫉妬されるか分かりません。しばらくはじっと周りの様子を見極めた方がいいかも、ですね。
ライター:矢島 みさえ
心理カウンセラーとして勤務しながら、ライターとしても活動中。オタクな母と同じ道を歩まぬよう、2人の娘には、王道のアニメしか見せていなかったにも関わらず、長女は創作活動、次女はマイナー路線への道を歩み始めていることに、少し頭を悩ませています。