2019.07.08
人にとって、呼び名はとても重要です。子どもが生まれてママ友ができると、多くの人が「◯◯ちゃんママ」と呼ばれます。子どもありきの関係みたいで、なんとなく「ひとりの人として認められていない」違和感を感じているママも。今回は、「〇〇ちゃんママ」から、名前で呼び合える関係をスムーズに築くことができたママたちから、工夫したことをお聞きしました。
■スマホ入力がめんどくさい!(みさおさん/35歳/雑貨販売)
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初めて保育園に行ったとき、先生に「よっちゃんママ!」と呼ばれたんです。娘の愛称に添えられた私…とっても違和感がありました。「いや、まあそうなんだけど…」という思いの一方で、自分の姿がなくなってしまったようなモヤモヤ感。
そんなある日、ママ友とLINE交換をすることになりました。そのとき「私、スマホの入力が苦手で(笑)。『〇〇ちゃんママ』って入力するの大変だから、苗字で呼んでもいいかしら?」と思い切って送ってみました。
すると意外に反応が良くて。「たしかに! じゃあ、森本でよろしくです」「けいとくんママ改め、和田です!」なんて、みんなが自己紹介し始めたんです。返信待ちの間「めんどくさい人」とか思われないかと、ちょっとドキドキしていましたが、意外とみんなが賛同してくれて。言ってみて良かったです。
■名簿の名前と顔が一致しない!(まさみさん/32歳/医療事務)
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普段、子どものママ友同士で「さなちゃんママ」「しゅうとくんママ」と呼んでいました。ある日、保護者名簿を作ったのですが、並んだ名前を見てもまったくわかりません。だって当たり前ですよね、苗字で呼び合ったことがないんですから(笑)。
そのうえ名簿には、子どもの名前ではなく親の名前が並んでいるのですから! そこで、お迎えのときに「さなちゃんママは、苗字なにさん? 名簿を見ても、誰が誰だかわからなくって…」と聞いてみることに。
すると「あ、わかるー! そうだよね」と、みなさんこころよく苗字を教えてくれたんです。そこから「せっかく聞いたんだし」と〝苗字呼び方式〟に切り替えることに。
「いざ緊急連絡しようとしても、誰だかわかんなくてあせっちゃうよねー」と言い添えたのも良かったのか、苗字呼びがスタンダードになりました。子どもの顔と名簿の名前が、これでやっと一致しました。
■苗字じゃなくて「名前」を聞く(心さん/37歳/税理士)
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どうしても「〇〇ちゃんママ」という呼び方に抵抗があります。そこで仲良くなったママには「名前」を聞くことにしています。「そういえば、かなちゃんママは、なんていう名前なの?」「どんな字を書くの?」と食いついてみるのです。
めずらしい名前や漢字だと「いい名前だね! 初めて会ったよ」と言えますし、ありふれた名前の場合は「昔、同級生にもいたから親近感湧くわ」と言えます。子どもと似た名前だと、由来の話もできて盛り上がりるんです。
要するに、理由はなんでもいいので「名前で呼ぶ」方向に話を持っていければOK。次回から名前で「◯◯さん」って呼びやすいですよね。ちなみに苗字は、事情によって変わってしまった人がいたので…そんな理由もあって「名前」を聞くようにしています。
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一度「〇〇ちゃんママ」で定着してしまうと、なかなか変更しづらいもの。でも「〇〇ちゃんママ」と呼んでいるあいだは、子どもを通しての関係のままですよね。ママ友から「友だち」になるためにも、思い切って「名前呼び」を始めてみませんか?
ライター:矢島 みさえ
心理カウンセラーとして勤務しながら、ライターとしても活動中。オタクな母と同じ道を歩まぬよう、2人の娘には、王道のアニメしか見せていなかったにも関わらず、長女は創作活動、次女はマイナー路線への道を歩み始めていることに、少し頭を悩ませています。