2019.06.13
いわゆるママ友カーストにおいて、一番権力があるのは頂点に君臨する「ボスママ」。夫の地位や自分の仕事、年収や財産や子どもの優劣や…あらゆる〝スペック比較〟により、ランク付けが行われています。そんなカーストの最下層にいるママは、日々「ボスママ&そのお取り巻き」からのマウンティングに耐えているのです…ところが。無害だと思われていた「おとなしいママ」が、ボスママに喰らわせた痛快な一撃の実話です。
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■世間って狭いものですね(麗さん/39歳/販売員)
気がついたときには保育園は、ボスママとその取り巻きが幅をきかせている状態でした。いったん目をつけられると、ママ友グループでは生きづらくなります。なのにあろうことか、ママ友のAさんが標的にされてしまったのです。
Aさんはママ友グループの新顔で、おっとりとおとなしい感じがボスママの癇に障ったよう。Aさんはあいさつを無視されたり、一緒にいてもひとりだけ話を振られないなど、露骨な嫌がらせを受けていました。
しかしある日、「ボスママがAさんに深々とお辞儀をする」という、衝撃的な光景を目撃したのです! ボスママが去ってからAさんに駆け寄り「いまのどういうこと?!」と聞くと、微笑みながら教えてくれました。
Aさんは最近ご主人から「元気ないけど、何かあった?」と聞かれ、ポロっとボスママのことを話したんだとか。それに激怒したご主人がいろいろと調べたところ、なんとボスママ夫の勤務先はAさんのご主人の会社の取引先…いわゆる「下請け」だということが判明したんです。
ご主人は一連の話を容赦なく会社に報告。その結果、ボスママ夫は左遷となり、ボスママはAさんに頭を下げて陳謝した、というわけだそうで…ついでにボスママは引っ越しもするそうで、園は平和になりそうです。
■ついに反撃の時!(由紀恵さん/32歳/助産師)
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私と親友ママは保育園の「ママカースト」の最下位、いつも肩身の狭い思いをしています。というのも私たちの夫は零細企業の平社員…対してマウンティングママたちの夫は、有名企業や一部上場企業にお勤めです。
ボスママを筆頭に、特に経済的なネタでの当たりがキツいんです。「お金が厳しそうだから、ランチ誘わなかった~」とか「その服いつも着てるね(笑)。お気に入りなの?」とチクチク。〝口撃〟は日々、エスカレートするばかりでした。
そんななか、いつも通り〝口撃〟を受けていた親友ママが、ついに反撃に出たんです。聞いたことのない大声で「いままで言われたこと、ぜんぶ録音してますから!」と…隣にいた私もびっくりです。
さらに録音データ入りUSBを、一人ずつの目の前にかかげ「侮辱行為で訴えるから!」と。その勇ましい姿は惚れ惚れするほど。フリーズしているボスママをよそに、取り巻きたちは早々に謝る謝る(笑)。
さすが「虎の威を借りる狐」たち、強い者にすり寄る姿は、あからさますぎて滑稽そのもの。その後、ボスママはカースト転落どころか、ママ友コミュニティからも外されたようで、めっきり姿を見なくなりました。
■ボスママの「悪人感」を演出(京香さん/28歳/ 営業)
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以前、ボスママの標的にされていたことがありました。最初はピンと来てなくて(あれ? 私、攻撃されてる…?)くらいでしたが、面と向かって「あなた、生意気なのよね」と言われ、確信に変わりました。
それからは反撃の機をうかがいながらおとなしく過ごしていたのですが、ある日絶好のチャンスがやってきたんです。保育園に娘を迎えに行ったときのこと、偶然ボスママとふたりきりになリマした。
そこで「前から言いたかったんだけど…」と非難して挑発したんです。するとボスママは「ちょっと、あなたねぇ!」と肩を小突いてきて…そこで(チャンス!)と思った私はすかさず「きゃっ!」と叫びました。
そして、そのまま近くの壁にぶつかって倒れこみ、うずくまってやりましたよ。驚いて駆け寄ってきた先生やママたちに、心配されながら立ち上がるとき「そんなにこの園が嫌いならやめたらどう?!」と。
たくさんの白い眼に囲まれたボスママは、逃げるように帰っていきました。作戦は大成功。でもちょっと。DQN返しが過ぎましたかね(笑)。
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「能ある鷹は爪隠す」じゃないですけど、怒ると怖い人ほど普段はおとなしいのかも。冷静沈着に様子を伺い、反撃の機会をうかがっているんでしょうね。
ライター:山下 朝起
嫁と娘に、我が家を占領されつつある、零細企業の営業マンライター。最近、嫁の離乳食熱がすごく、娘の食費のほうが高い! と気付いてしまいました(笑)。溺愛する娘のパパ見知り開始に怯えながら、毎日を懸命に生きてます。