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■本人だけの問題ではない可能性も……

子ども部屋おじさん、子ども部屋おばさんという言葉は、どちらかというといい歳をして実家暮らしを続けている大人を揶揄する意味で使われるもの。しかし実家暮らしを選択する裏には、さまざまな事情があり、決して本人だけの責任とは言えないケースも少なくありません。 ・仕事はしていても、給与が安定しないために一人暮らしが難しい


・一人暮らしをしようとすると、生活がいっぱいいっぱいになってしまう


・親のサポートをするため


・親が子どもに「家にいて欲しい」と願っている 一生懸命に仕事をしていても、安定を手に入れられるとは限らない時代。一人暮らしには、リスクが大きいと言うこともできます。また一人暮らしをすることだけが目的となり、まったく貯蓄ができない状態になってしまっては、元も子もありません。


また実家で生活する30代~40代の独身の方の中には、「親の希望により、そうしている」というケースも少なくありません。子どもが30代~40代になれば、親世代も高齢になっていますから、子どもが近くにいてくれると、何かと頼りになると感じるケースも多いでしょう。 子どもと親が共依存の関係性になることで、より一層自立がしづらい状況に陥っていってしまいます。実家にいることが原因で、結婚するチャンスを逃してしまっているとしたら、それも大きな問題だと言えるでしょう。

■ネットから一気に広がった「子ども部屋おじさん」ですが……

ネットの世界から、一気に広がった、「子ども部屋おじさん」という言葉。しかしその実態は、それぞれによって異なるものです。また「一人暮らしをするメリットが感じられない」となれば、今後もさらに、「子ども部屋おじさん」や「子ども部屋おばさん」は増えていく可能性もあるのかもしれませんね。 実家で生活する理由はさまざまですが、問題になりやすいのが、一人で暮らしていくための能力の欠如です。将来的な結婚や「一人暮らし」を見据えた上で、「親がいないと生活が成り立たない」という状況では困ってしまいます。 実家で生活する・しないに関わらず、自立する力をつけるということが重要なのかもしれませんね。

■まとめ

子ども部屋おじさんという、インパクトのある言葉に、自宅で生活している独身の方々はグサッとくるケースも多いのかもしれませんね。実家で生活しつつも、一生懸命に仕事をし、充実した人生を楽しんでいるときでも、「あれ、もしかしてこれって……自分のことなのかも?」なんて思ってしまうことでしょう。 とはいえ、どこで生活するのかには、それぞれの状況も関わってくる問題です。現実に住まいを変えるというのは、難しいかもしれません。こんなときには、精神的な自立を目指すことで、両親との距離感も適切に保ちやすくなるのではないでしょうか。