試されるのは、結局「親の勇気」かもしれない

娘はもちろん快諾しました。 喜んで使いまくるかと思いきや、緊張感のためか、お金の使い方は以前より慎重になりました。 大きな出費は相談ということにしましたが、そのほかはすべて金額内でやりくりし、「貯金」もするように。 モノの値段にも敏感になり、ふと見ると買うドリンクもスーパーの自社ブランドのものに変わっていました。 数か月たつと、ペース配分しやすいようにすべて千円札でほしいとも言ってきました。 権利とともにリスクを背負った彼女は、私の信頼にこたえようと確実に成長したのです。

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ライター:のざわやすえ 出版社での編集を経てフリーに。ライター・エディター活動の一方で、主婦雑誌で培った知識をもとに「暮らし方アドバイザー」として、整理収納や家事タスクのアドバイスでも活動中。また、趣味のソーイングではオーダー業も。働きながら育てた一男一女は、この春から高2、高1に。

「出してくれ」「出さない」というバトルはほぼなくなり、互いのストレスフリーに。彼女に渡したお金は彼女の自由。 そこで失敗する経験を含めて、私は彼女に手渡したのだ。この覚悟が、私に、遠くから見るめる冷静さをくれたように思います。 大金を渡したらムダ使いするんじゃないか、お金の大切さがわからないんじゃないか、親は何してるんだと言われるんじゃないか…。 今思えば、彼女とのバトルの奥底にあったのは、私自身の不安だけ。不安は杞憂に終わりました。不良になんてなりませんでしたから(笑)。