間違った子どものほめ方4:人と比べてほめる


「弟はちゃんとお片付けできるのに、どうしてあなたはできないの?」と叱るのが良くないのは誰でも分かっていると思いますが、実は、人と比べるのは、ほめる時でも良くない影響を与えてしまいがちです。 いつも誰かと比べてほめられるのは、いつ自分が比べられる側に転落するかもしれないという不安感が残り、場合によっては、ライバルを攻撃したり、不法に蹴落としてでも自分がほめられようとしてしまうことも。

 

また、幼児期には誰でも「自分はなんでもできる」という全能感を抱いていますが、成長と共に少しずつ自分自身を客観的に見られるようになっていくのが普通です。

 

しかし、成長途上で「お友だちはみんなできないのにあなただけできるなんて、すごいね、一番だね」といったほめられ方ばかりだと、いつまでも自分を客観視できず「僕・私は特別なんだ」と思い込み、友だちの長所やものごとを公平に見られなくなってしまう可能性もあります。

 

ほめる時は、シンプルにそのことについてほめること。比べるなら以前の「その子自身」と比べて成長した点をほめるのがポイントです。

 

間違った子どものほめ方5:子どもをコントロールするためにほめる


たとえば、おじいちゃんから入園祝いに図書カードをもらったので、本屋さんで絵本を買いに行ったとします。 時間がある時は「ちゃんと中も見て選びなさい」と言うのに、急いでいる時だけ子どもがサッと絵本を選んだらほめる、などということはないですか? でも、次に同じことがあった時は「適当に決めずに真剣に考えなさい!」などと言ったりして…。 親にとって都合がいいからほめる・コントロールしたいからほめることを繰り返すと、子どもは混乱し、がっかりしてしまいます。

 

また、「ほめて子どもを操作する」というのは、裏を返せば「ほめないと操作できない」ということになりがち。

 

小さいときからこれに慣れてきた子は、成長した時、部活やアルバイト・就職先などで、辛い作業をやっても誰にもほめられない…ということが続くと、耐えられなくて「辞めたい」と思ってしまう可能性もあります。

 

子どもに親の都合で動いてもらった時は、「ほめる」という発想ではなく、「ママ急いでたから、さっと選んでくれて助かったよ、ありがとう」のように「感謝」を伝える方がいいですね。