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「プログラミング=パソコン」と考えている親は何もわかっていない

子育て

2021.10.08

中学生のトニーニョくん(15歳)と3人で暮らす、漫画家の小栗左多里さんとジャーナリストの夫・トニーさん。

 

夫婦で子育てをしていくなかで「異文化で育った者同士はどうやったら折り合えるのか?」と試行錯誤した経験から感じたことや自分の幼少期の体験を、それぞれに語ります。

 

今回のテーマは「子どもの習い事」。トニーさんがトニーニョくんに学ばせた「プログラミング」の意外な中身とは?

「プログラミング=パソコン」と考えている親は何もわかっていない

「未来のビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズになるのだ」と考えて、4、5歳から子どもにプログラミングを習わせる家庭を見かける。

 

一日体験であっても、参加費はけっこう高い。質がよければそれなりの出費が伴って当然だが、もったいないことにならないように、教室を探す前に少し考えてほしい。

 

まず、声を大にして言いたいのだが、プログラミングはパソコンを使ってカチャカチャとキーボードを叩くことではない。ある問題を解決するために、手順をロジカルに組み立てることだ。

 

実は、「問題」「解決」そして「ロジック」をキーワードに、子どもを教室に連れていく前に、家でできることがある。パソコンやタブレットに触れる前に。

幼児にプログラミングを教えるのは「おばかなパパロボット」

わが家の場合、幼稚園に入る前の話だけれど、まず「並び替え」の遊びから始まった。

 

3枚のトランプ ── 例えば、9、2、3 ── をこの順にテーブルに置く。そして「左から右へ、大きくなる順に置き換えよう」と子どもに伝える。親の助けはあってもなくてもいいのだが、2、3、9の順に並べられたらゴールインだ。

 

この「並べ替え」の遊びと並行して、「ロボットごっこ」も始めるのがポイント。

 

「パパはロボットだ」

「ワ〜イ」

「だけど、あまり頭がよくないロボットなんだ」

「えー?」

「これらのトランプをどう並べ替えればいいか、さっぱりわからないから、わかるように簡単に説明して」

小栗さん連載イラスト1

並び替えの手順は、「左端から、隣同士2枚の比較」から始まる。「9、2、3」の左端と言えば、9と2だ。「どちらが小さい?」「2!」「じゃあ、ロボットにその2枚を『並び替えろ』と伝えて」

 

パパロボットがそれに従ったら、札は「2、9、3」になる。「そして、ロボットに右へ進むように指示して」「右へ行け!」

 

次は9と3の比較になる。小さいのは3。「ロボット、並び替えろ!」の指示で「2、3、9」となり、大きい順に並べられたので完成。「ロボット、よくできた。休め!」

ロボットには全て指示が必要…これがプログラミングの本質

プログラミングは、こうした手順を意識するのが大事。子どもは人間だから、細かい指示なしでもすぐにトランプ札の整理がができてしまうが、ロボット(そしてパソコン)はそうではない。ロボットにはあるとあらゆる指示が必要。

 

だから、最後の「休め!」も大切。それがなければ、パパロボットは作業を続けようとする。札がもうなくても、並べ替えがもう必要なくても、おばかさんロボットはそれを理解できないので、ひたすら指示に従って、並び替えを続けようとする。永遠に。

 

それを理解して、正確な指示を出せるようになるのが、プログラミングの第一歩なのだ。

小栗さん連載イラスト2

プログラミングの学習を通じて、子どもは人生で使えるスキルが身に付き、思考能力も養われるだろう。だだ、プログラミングの道をどのように、どこまで歩ませるかは、各家庭で判断すべきだと思う。プログラミング体験をさせたところで、子どもの顔色をよく観察するのがおすすめ。

 

教育者マリア・モンテッソーリ氏が言うように、「子どもを刺激し、でも自由に成長できるようにする、それが教育者の第一の義務」なのだ。

文/トニー・ラズロ イラスト/小栗左多里

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