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健康的なおやつは大事…でもチョコやグミが幸せな記憶になる

子育て

2021.07.02

中学生のトニーニョくん(15歳)と3人で暮らす、漫画家の小栗左多里さんと外国人でジャーナリストの夫・トニーさん。

 

夫婦で子育てをしていくなかで「異文化で育った者同士はどうやったら折り合えるのか?」と試行錯誤した経験から感じたことや自分の幼少期の体験を、それぞれに語ります。

 

今回は「海外のおやつ事情」について。ドイツに住んでいた頃、トニーニョくんが通っていた小学校のユニークな習慣について教えてくれました。

健康的なおやつは大事…でもチョコやグミが幸せな記憶になる

ベルリンの小学校は、おやつを持って行ってもいい。というか、普通持っていく。午前中におやつタイムがあり、いっせいに食べるのだ。

 

何を持っていってもいいのだけど、やはり体にいいものが推奨されていて、定番はキュウリ、にんじん、パプリカ。これらをひと口大にただ切って、おやつ箱に入れていく。

 

ちなみにこのおやつ箱、推定98%の子どもが同じ形のものを使っている。スーパーにミニキュウリやミニにんじんもあるので、それなら切る手間もない。「にんじんを?そのまま?」と思うかもしれないが、食べてみると自然な甘さがあってこれはこれでおいしい。あとはパンやリンゴやナッツ。

年齢と共に“お菓子率”が上がる

これだけ聞くと健康的に思えるが、反面、ドイツは“グミの国”でもある。グミは「子どもがおいしく顎を鍛えるために作られたもの」だと言う。子どもへの歩み寄りがすごい。これももちろん大人気なので、大きなスーパーなら棚一面分にいろんな種類が広がっている。そしてチョコも一面分。

 

ヨーロッパで一番チョコレートを食べているのもドイツだそうで、確かになにかしらのイベントごとにもらうのはチョコが多い。そしてなにかしらのイベントは結構しょっちゅうあるので、うちにある「もらったお菓子を入れておく袋」はいつも在庫豊富であった。

小栗さん連載イラスト

なので毎日、少しのお菓子を選んで野菜か果物と一緒に持たせていた。低学年のうちは先生も気をつけて見ている感じだったけど、成長してくると子ども本人の主張もあり、クラスのお菓子率も高くなっていくように思う。みんな、この世にポテチがあることも気づき出す。

健康的なおやつコンテストを開催するも…

そんなこともあってか、息子のクラスではたまに「健康なおやつコンテスト」というのが 催されていた。毎週、誰が健康的なおやつを持ってきたかを投票で決めるというもの。私もちょっと気にして、最初は野菜をメインに持たせたが、2日目に帰ってきた息子が「このコンテストは意味がない」と言い出した。

 

急に野菜を持ってくるのは普通だが、お菓子もたくさん持ってきて、自分に投票するよう買収する者が現れ、まんまと買われる者が続出したらしい。

 

ということで、うちは普段と変わらず、果物とお菓子にした。結果も、まあ頑張ったねというくらいのものだったようだ。

好きなお菓子を分け合って食べるのもいい思い出

そもそも年に何回か、「今日は天気がいいから公園行ってアイスを食べよう」と授業がナシになることもあるんだし、学校に併設された購買部にもマフィンやクッキーがいっぱい売っているのだ…あのカラフルなまん丸チョコレートが乗っかってる、大きなやつが。

 

子どもお菓子でお腹いっぱいにするのは避けたいが、厳しくしすぎるのはもっと避けている。

 

日本に住む友人が子供を誕生日パーティに連れて行ったとき、ランチにピザをデリバリーしたそうだ。すると食べ物に厳格なアメリカ人の親がいて、その家ではピザは禁止ということで自前のランチを持ってきていたという。

 

でもその子はみんなと一緒にピザが食べたくて大泣きし、それでも食べさせてもらえないので、結局パーティの終わりまで2時間くらい泣き続け、午後は遊べなかったそうだ。悲しい。そんなに泣くなんて体にも心にも悪そうだ。 

 

誰かと一緒に食べるっていうことは、社会性を持つことだ。目に見えるものや友達との関係もとても大きな影響がある。アレルギーなどならその子自身も我慢できるけれど、それ以外で食べ物の良し悪しを一番に考えるのは、小学生ではまだ難しいだろう。

 

その子が大きくなったとき、考えてくれたことに感謝はするかもしれないが、心の傷は残るのではないだろうか。私も子どもの頃は「みんなと同じ」にしたかった。「同じ」でも「違う」でも、なるべく息子の気持ちを尊重したいと思っている。

 

それにしても、小学校を卒業してから息子にその話をしていたら、親友にいつもチョコのお菓子を分けてもらっていたそうだ。早く言ってよ。時々はお菓子も多めに、あと日本のものも持たせたけど、そんなにしょっちゅうもらっていたとは。

 

でもそうやって分け合って食べることも、いい思い出。と信じつつ、いつか世界のどこかでその彼に会うときには、山盛りのチョコとポテチを持っていってもらうつもりだ。

文・イラスト/小栗左多里

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