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高校国語が激変…小学校はどうなる?親にできることはこれ!

子育て

2020.01.20

小学校ではこの2020年春から新しい学習指導要領が実施され、その1年後には中学校、2年後には高校でも新学習指導要領に基づいた授業内容へと変わります。

 

ところが、いま、2022年からの「高校国語」の授業内容が大きく変わるのではないか?と話題を呼んでいるようです。

 

今回は、高校国語がいったいどう変わるのか、そしていま小さいお子さんを育てているママ・パパは、小学校やそれ以降の変化に備えて何をすればいいのか…を解説します。

何が変わるの?新しい「高校国語」の内容とは

これまで高校では、1年生で必修科目の「国語総合」を学習し、2~3年生では選択科目の「国語表現」「現代文」「古典」から選択するというパターンが一般的でした。

 

2022年からの新学習指導要領では、かわって「現代の国語」と「言語文化」が必修科目に。選択科目は「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の4つから選びます。

 

今回話題になっているのは、上記のうち「論理国語」「文学国語」の部分です。

 

「文学国語」の方は、夏目漱石の「こころ」や森鴎外の「舞姫」中島敦「山月記」といった長く読み継がれてきた小説や文学作品を教材にした学習がすぐにイメージできると思います。

 

いっぽう「論理国語」ではどのような教材を扱うのでしょうか。

 

文部科学省の資料によると、題材は

「現代の社会生活に必要とされる論理的な文章及び実用的な文章」

とあります。

 

具体的にいうと「論理的な文章」とは説明文・論説文や解説文・評論文・意見文や批評文などを指し、「実用的な文章」は以下のようなものを含みます。

 

  • 新聞や広報誌など報道や広報の文章
  • 案内・紹介・連絡・依頼などの文章や手紙
  • 会議や裁判などの記録
  • 報告書・説明書・企画書・提案書などの実務的な文章
  • 法令文
  • キャッチフレーズ・宣伝の文章
  • インターネット上の様々な文章
  • 電子メール

 

今回、このような改訂内容となった背景には、2015年にOECD(経済協力開発機構)の行った国際的な学習到達度調査「PISA」で、日本の子どもたちの読解力が低下しているという結果が出たのも影響しています。

 

国は、次のような点が読解力低下の理由ではないかとしています。

 

  • 情報化が進み、子どもたちを取り巻く環境が変化している
  • SNSの使用で短文のやりとりが日常的になり、長文に接する機会が減っている

大学受験の変化も

2020年度には、長年行われてきた「大学入試センター試験」が終わり、「大学入学共通テスト」へと変わります。

 

2018年に行われた試行調査では、「実用的な文章」として著作権について解説した文章が出題されたほか、詩・エッセイ、古典・漢文が出題されましたが、いわゆる文学作品や小説は題材として取り上げられていません。

 

今後の入試問題もこの組み合わせでいくならば、高校生が国語の選択科目を選ぶときには、少しでも受験に役立つ内容を…と考え、大部分の生徒が「論理国語」を選択することが予想されます。

 

その結果、高校生がすぐれた文学と接する機会が失われるのではないかという懸念が出ています。

小学生への影響は?

国は、グローバル化やAIの発展など急激な社会の変化に対応できる学力を養うための教育改革の1つとして「高大接続改革」を挙げています。

 

今後、大学入試や大学での学びと高校の授業内容が連動していくことは確実で、それに合わせて中学校・小学校の学習内容も変化していくことが予想されます。

 

とはいえ、いきなり小学校の教科書から文学作品や児童文学が消えるといったことはないでしょう。

 

ただ、これまでもあったような新聞記事を題材にして文の組み立てを学ぶといった学習により論理的視点で取り組んだり、説明書などの実用的な文章を実際に書いてみるなどの内容が取り入れられていくと考えられます。

小さい子の親にできること

「今の若者は契約書や論文が読み取れない」→「では契約書や論文を読む授業を増やそう」

 

実際は必ずしもそうではないでしょうが、もし上記のような発想だけで改訂が行われたとしたら、それは少し短絡的といえます。

 

「読み取る力」は、やはり小さい頃から「ここには何が書いてあるのだろう、書いた人は何を伝えたいのだろう」という「知りたい気持ち」に動かされて、知らない単語や言い回しが出てきたら大人に聞いたり、辞書を引いたり、前後の文脈で推測したり…という繰り返しによって培われるものだと思います。

 

子どもをそんな気持ちにさせるのは、「このお話、おもしろい!もっと先を知りたい!」と思える文章。適切な時期に、優れた絵本や児童文学と出会うことが欠かせません。

 

しかし、子どもが字を読めるようになる前に、次々と新しい展開が勝手に目の前に映し出される動画やテレビばかりに慣れてしまうと、なかなか自分の頭を使ってまで「この本の続きを知りたい」とは思わなくなってしまうのではないでしょうか。

 

仕事に家事に忙しい毎日。ときには子どもにしばらく動画やアニメで楽しんでいてもらい、いっきに家事を片付ける時間も必要だと思います。

 

しかし夫婦でなんとか協力して時間を作り、あえて絵本や物語を読んであげられれば、きっと「読むのは楽しいことなんだ」という気持ちが子どもの中に生まれるきっかけになるはず。

 

また、子どもは黙っていてもママやパパの行動をよく見ています。時には大人もスマホの画面ではなく、紙の本を面白そうに読む姿を見せてあげましょう。

国語だけの問題じゃない?「ロジカルシンキング」とは

今回の改訂でクローズアップされている「論理的な文章」。

 

論理的な文章を正しく読み解いたり書いたりするのに欠かせない能力の1つに「ロジカル・シンキング(論理的思考)」があります。

 

国際的なビジネスの場やプログラミングなどの分野でも、ロジカル・シンキングは今後さらに必要とされるでしょう。

 

そして、ロジカル・シンキングは国語以外でも算数・社会・理科などあらゆる教科で求められるものであり、訓練で伸ばしていくことが可能です。

 

つまり、国語の授業だけで「論理的な文章の読み書き」を解決しようとするのではなく、全教科で取り入れたり連携したり、「総合的な学習の時間」などを利用して外部講師を招き、教科にとらわれないロジカルシンキングを学ぶ時間をもうける…などの方法も検討するべきではないか。

 

筆者はそう考えます。

 

同時に、欧州等で古くからある「リベラル・アーツ」という考え方では、広く文学や芸術に通じていることが一流の証と捉えられています。

 

そして今、この幅広い教養こそが、AIに仕事を取って代わられるのではなく、AIを十分に使いこなせるような高いレベルでの問題解決能力を持つ人材の養成につながるとされています。

 

論理的思考はもちろん必要ですが、上記のような理由からも、若く感性のみずみずしい時期にすぐれた文芸作品や日本語の表現にふれ、一生を通じて親しむことができるような入り口は残していきたいものですね。

おわりに

今回の高校国語の変化について考えてみると、そもそも授業としての「国語」の目的はなんなのか?という根本的な疑問にたどりつきます。

 

文学に親しむことなのか、ツールとして正しく使うことなのか。

 

もちろん両方が含まれるのでしょうが、では、それをどのようなバランスで学ぶのが真に子どもたちの「生きる力」に結びつくのか。

 

親の私たちも共に考えていくべき問題だといえるでしょう。

 

文/高谷みえこ

参考/文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説【国語編】」

教育課程部会国語ワーキンググループ「高等学校国語科の科目構成について」

「平成30年改訂の高等学校学習指導要領に関するQ&A(国語に関すること)」

国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」

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