「臓器移植とドナー」について、ちゃんと知っていますか?

「臓器移植」とは、病気や事故によって機能しなくなった臓器に、他人の健康な臓器を移植して、機能を回復させる医療のこと。そして「ドナー」とは、臓器を提供する人のことです。 ドナーには、「生きている人」と「脳死や心臓停止と判定された人」の2通りがあります。 生きている人からは、「肺、肝臓、腎臓」などの部分提供による移植ができます。家族が提供するケースが多いようです。脳死や心臓停止と判定された人からは、「心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸および眼球(角膜)」が提供可能です。 しかし、「脳死」か「心臓停止」かによって、下記のように提供できる臓器が違ってきます。

<提供できる臓器の違い>

「脳死」後

●心臓


●肺


●肝臓


●小腸


●腎臓


●膵臓


●角膜

「心臓停止」後

●腎臓


●膵臓


●角膜 ちなみに「脳死」というのは、脳がダメージを受けて回復の見込みがなく、人工呼吸器を外すと心臓も止まり、死に至ることが避けられない状態のこと。ただし、人工呼吸器のおかげで心臓が動いている間(通常は数日以内)、臓器の機能は保たれています。

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「心臓停止」による死は、いわゆる一般の死です。心臓からの血流がなくなると臓器のダメージが進むため、「心臓、肺、肝臓、小腸」は、提供できなくなります。 つまり、前出の心臓移植の場合は、「脳死したドナー」からしか受けられないのです。 脳死になるケースは全死亡者の1%程度。さらにその中で、心臓を提供してくれる「ドナー」となると、極限られた人数しかいないという現状があります。